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先生は本と映画です。

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タイトルの通りです。本や映画という先生から感じたことを書いています。
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#コラム

広報の次のステップとして考える「戦略番頭」というポジション

広報の次のステップとして考える「戦略番頭」というポジション

ベイン・アンド・カンパニーのパートナーであるクリス・ズックとジェームズ・アレンの共著「創業メンタリティ」を読んで、広報パーソンの次のキャリアのヒントを得た。

「創業メンタリティ」は企業が適切な企業規模で早く・持続的に成長するために必要な「創業目線」と、その目線を持って企業の危機を乗り越えるための方法論と事例、「創業目線」の育て方について説かれた本だ。

「創業目線」には三つの要素がある。「革新志

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「ミンスキー博士の脳の探検」読書メモ ver.1

「ミンスキー博士の脳の探検」読書メモ ver.1

社会人になってから「考える」機会が増えた。

その一方、「考える」とは何かについて「考える」ようにもなった。少なくとも、「考える」とは脳を経て行われているはず。であれば、「脳」について知れば、「考える」のヒントになるのではないか。

そんな思いもあり、脳の仕組みを解明する手がかりとして「ミンスキー博士の脳の探検」を読み始めた。

この本は、人間の心の機能・作用について探求していて、「好き」や「むか

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「読書」についての考察①—本を読む「意味」とは

「読書」についての考察①—本を読む「意味」とは

書籍は青年には食物となり、老人には娯楽となる。病める時は装飾となり、苦しい時には慰めとなる。内にあっては楽しみとなり、外に持って出ても邪魔にはならない。特に夜と旅行と田舎においては、良い伴侶となる。—キケロ

僕は本が好きだ。

気になる事柄があると、すぐにAmazonにアクセスし、関連書籍をポチってしまう。おかげで読んでない本がどんどんたまっていく。僕の作業机の横にあるローテーブルにはいつの間に

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100%でわかり合えたら幸せなのか——「I Am Human」

100%でわかり合えたら幸せなのか——「I Am Human」

記事を書くとき、頭に浮かんだ文章がそのまま目の前のテキストエディタに書き起こされてくれたらなとたびたび思う。

例えば、脳に電極チップが埋め込まれているとする。自分の思考の刺激に合わせ、チップが何を考えているのかを信号で理解してくれて、それを勝手に書いてくれたりしたら、どんなに楽なことか。

映画「マトリックス」では、主人公のネオが自分の格闘スタイルをアップデートするために、カンフーの型が脳にアッ

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誰かに引き出される行動が、自分を変える

誰かに引き出される行動が、自分を変える

「人が変わるシステムとは何か」

映画「俺たちは天使じゃない」を観て、そんな疑問がふと浮かんだ。

本作は、ロバート・デ・ニーロとショーン・ペンW主演のアメリカのコメディ映画。二人が演じるのはネッドとジムという窃盗犯。ある日、死刑囚ボビーの死刑執行に立ち会った二人は、一瞬の隙を突いて警官を撃ち殺し脱獄を図るボビーに巻き込まれる形で、カナダとの国境近いニューイングランドの小さな町に逃げ込む。

そこ

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インタビューは一方通行じゃあないよ

インタビューは一方通行じゃあないよ

僕の仕事は編集者だ。だから、仕事で色々な人にインタビューをする。インタビューさせていただくのは起業家の方であることが多く、毎回毎回準備してもしたりないと思っている。それでもなんとか時間を見つけて、過去に出ている記事はもちろん、余裕があればTwitterを遡ったりする。そうしてやっと同じ目線で話すスタートラインに立てる。

なんでもかんでも準備が9割なので、準備の大切さは強調しすぎることはない。これ

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平成最後のあまちゃんヒーロー「ULTRAMAN」は"等身大"だから強い

平成最後のあまちゃんヒーロー「ULTRAMAN」は"等身大"だから強い

戦隊シリーズ、仮面ライダーシリーズ、ウルトラマンシリーズ。

平成30年の中で、たくさんのヒーローが生まれてきては、その時の子供達に元気や希望を与えてきた。しかし、現実世界では、彼らのような物理的に強いヒーローはもはや必要とされない。誰もが臨む「皆のヒーロー」は現実離れした存在になりつつある。

そんな平成最後のこの時に、これからのヒーローについて考えさせれる一つの作品が公開された。

光の"等身

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天才たちから、クリエイティブを最大限に発揮する方法を学ぶ

天才たちから、クリエイティブを最大限に発揮する方法を学ぶ

最近、『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』という本をちまちまと読んでいる。

2014年に発売された本で、もしかしたら知っている人も多いかもしれない。

フロイト、ベートヴェン、マルクス、カント、ピカソなど、歴史に名を残した天才たち161人の習慣を一冊の本にまとめたものだ。日本からは唯一村上春樹が選出されている。

大体の天才たちは朝に仕事をすることが多い。今

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ロジカル・プレゼンテーションから学ぶ、伝わる文章を書くための基盤の作り方

ロジカル・プレゼンテーションから学ぶ、伝わる文章を書くための基盤の作り方

「良い文章とは何か」

人によって答えは様々だろう。だが、人が文章を書く目的は自分の主張を誰かに通すためである。自分だけが読む日記は含まれないかもしれないが、Twitterのつぶやきから会社で提案する企画書、世の中で売れているベストセラーまで、全ての文章の目的は書き手の主張を読み手に伝えることだ。

文章を書くことは、他者を動かさんとする”力の行使”なのである。

これは、プロのライター古賀史健さ

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ショウペンハウエル先生と考える、有限の時間の中での本との付き合い方

ショウペンハウエル先生と考える、有限の時間の中での本との付き合い方

もしも、あなたが本を読むのが好きなのであれば、ぜひ一度手に取ってほしい本がある。
ショウペンハウエル先生の「読書について」だ。この本は、「思索」「著作と文体」「読書について」の3つの章からなり、全編通して本を主軸に話が進む。

初めて「読書について」を読んだとき、僕は本当の意味での読書がこれっぽちもできてなかったのだと、身にしみて感じた。

「読書について」を読んで、僕が感じた本との付き合い方につ

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僕は君のことがわからない。だから、頑張ろうと思う。

僕は君のことがわからない。だから、頑張ろうと思う。

政治ってものがよくわからなかった。

教科書に書かれている歴代の総理大臣の名前や選挙制度、憲法の条文、テレビで映される踏ん反り返ったり突っ伏して寝ている政治家、住民にとっては騒音以外の何者でもない近所を大音量で走り回る選挙車。

政治という言葉から連想されるのは、そんなもんだった。
現代の若者としてあるまじきかもしれないが、選挙にもほとんど興味が無かった。投票には行くけど、政治家たちにはほとんど期

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文章を書くうえで意識したい4つの文脈について

文章を書くうえで意識したい4つの文脈について

文章を届ける上で大事なことの1つに、文脈への意識がある。

文脈というのは、文字通りその情報の前後を表す。言い換えれば、「導入」と「締め」だ。「暮しの手帖」前編集長の松浦弥太郎さんも最初と最後の3行が良ければ全て良しと以前おっしゃっていた。少し極論かもしれないが、それくらいの意識が必要ということだろう。

編集者になって1ヶ月、文脈の大事さをこれでもかというくらい味わった。

もともと自分で文章は

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物語の価値について

小説は「消費」、ビジネス書は「投資」

昔読んだビジネス書にそんな一節が書かれていた。

その本の内容自体は素晴らしかったが、この一文だけには数年たった今でも賛成できない。

僕は小説が好きだ。物語が好きだ。フィクションでもノンフィクションでも。ミステリー、コメディ、ヒューマンドラマ、ファンタジー。ジャンルレスに好きだ。

仕事の関係で流石に年間3桁も小説は読めないけど、電車の中や寝る前に数ページ

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「悩む」って本当に悪いことなのか

「悩む」って本当に悪いことなのか

社会人になると、「悩むことは時間の無駄だ! 悩むくらいだったら動いて失敗したほうが良い!」という声を聴くことが多くなった。

Googleで「考える 悩む 違い」と検索すると、「悩むのは悪いこと」という意見が目立つ。一般的に「悩む」ことにはネガティブなイメージがついている。辞書で「悩む」を調べてみると、いたみ苦しむ。病む。こまる。などの解説が出てくる。

だけど、そんなに各方面からバッシングされる

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