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2022年1月の記事一覧
(小説)solec 4-3「理想のもとで」
彼女の家は「外周居住区画」にあった。まぁソレクの住人のほとんどはここにすんでいるのだが。廊下も閉鎖的で、窓もないのでここがどのくらいの高さになるのかもわからない。エレベータの表示は42階を指していた。
断ることもできた?というか普通に家にお呼ばれしただけだ。断る理由も無い。
「ここだよ。」
彼女のトーンが下がる。まだ全裸で広場にいたときのほうが元気だった。
彼女がドアノブに手をかけると、ド
(小説)solec 4-4「アンガローニ202」
こうして私たち2人はソレクを出て、パリへ行くことにした。当然、第1段階への旅客航空便はないし、旅客専用列車もまた存在しない。第1段階へ行くための手続きは困難の連続というか不可能であったが、私には不幸にも維持隊とコネがあった。なんとか昔の研究仲間に知られずには済んだ。室長に知られるとまずい。心が痛まないと言えば嘘になるが、私は彼女を守らなくてはならない。
アンガローニ1日目
「アンガローニに乗