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(小説)solec 4-6「ガタガタガタガタ」

アンガローニ5日目。

飽きた。何もかも飽きた愛おしい彼女の顔も姿さえも、飽きた。
朝食はじゃがいもペーストと黒パンから選べる。選択肢はそれだけ。

「ねぇねぇ、お姉ちゃん。・・・好き。」
ブハッ。また飽きたーとかいうかと思いきや。
朝食の冷めたコーヒーを吹いてしまった。

「ゲホッゲホッ。あんた狙ったでしょ。」

もういい加減、同じ部屋に5日間もいて、2人ともおかしくなっているんじゃなかろうか。


「狙った?ってことはお姉ちゃん今ドキドキした?」もちろんだ。
「かもね。」すると、テーブルを退けてひょいと隣の座席にずばっと座ってきた。

「お姉ちゃん。本当に、好き。」
「あなた、昨日私が「急にテンション変わるの嫌い」っての聞いて味をしめたと思ったでしょ。」
「味をしめたとして、お姉ちゃんはなんて返事してくれるの?」腕を掴むな。上目で見るなー!

「嫌い!その妙に計算高いとことか、自分が手玉にされてるようで大っ嫌い。」

「ダメか〜。」


「あなたのいつも斜めに構えた態度が気に入らないのよ。今のプロポーズ。私は認めないわ。」反芻し、自滅する。

「そ、そっか。そう来るか。」戸惑う仕草は可愛いんだな〜。


「お姉ちゃん、そういうのが好きなのか。」

前言撤回。やっぱり嫌いだ。


 突然、なんの予告もなしに列車が止まる。外を見るとどうやらルーアン駅に着いたようだ。次々と他の客が降りてゆく。私たちも急いで身支度をして、(生活感を取っ払って。)カーテンで仕切られた部屋から通路へと出る。

そこで、ばったりお隣さんに出会う。目が合う。うちらと同じ、女のひと2人組だ。

「ハーイ!」にこやかに返事を返してくれる。

「まぁ!」

「(静かに!)どうも〜。」

「どうも!お幸せにー!」

「(止めときなさいっての!)」

タラップからホームへ降りると、よろけてしまう。
はぁ、やっと解放された。

「もしかして私たちって?」
「あなたのせいでね。」もう一生、解放されないと思う。

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