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(2021/01/03追記)エルゴジェニックエイドとしてのカフェインについて

※当記事は自分用のメモ的役割を意図して,気になった論文を簡単にまとめたものです

(2021年1月3日追記)
ISSN(国際スポーツ栄養学会)より,カフェインと運動パフォーマンスに関するポジションスタンドが出されたので,以下にその内容を要約して掲載する

【Guest, N.S., VanDusseldorp, T.A., Nelson, M.T. et al. International society of sports nutrition position stand: caffeine and exercise performance. J Int Soc Sports Nutr 18, 1 (2021). https://doi.org/10.1186/s12970-020-00383-4 】

〈合法性〉
・2004年以降,WADAにおける規制物質としての分類からは外されているが,監視プログラムに分類されている
・NCAAでは,尿中カフェイン濃度が15μg/mlを超えた場合は禁止物質として分類される

〈パフォーマンスに対する有効性〉
・持久系競技選手におけるカフェインの摂取は,3-6mg/kgBWのカフェイン摂取によって,持久力を2-4%改善することができる
・持久系競技については,タイムトライアルのスコアに対するカフェイン摂取の効果は3.0-15.9%と幅広く,カフェイン摂取のエルゴジェニックな効果には個人差が大きい可能性がある

・筋持久力については,2つのメタ分析では効果量0.28-0.38を示しているが,また別の研究では筋持久力に対するカフェインの効果はないと示している
・筋力への影響は,3つのメタ分析では効果量0.16-0.20を示しており,これを踏まえるとパワーリフティングやウエイトリフティング選手には特に有効である可能性がある
・Wingate testで測定されるような無酸素性パワーについては研究結果が分かれており,さらなる研究が必要である
レジスタンストレーニングとカフェイン摂取については,その効果の大きさは様々であるとはいえ,およそエルゴジェニックエイドとして効果を示すと考えてよい
・競技特異的動作への効果については,全ての競技でベネフィットが得られるわけではない
それゆえに選手は気分の状態やカフェインに対する身体的反応を事前に測定しておくべきである

・また,カフェインは運動に関連する認知パフォーマンスも向上させる可能性がある

・暑熱環境での運動におけるカフェイン摂取に関して,カフェイン摂取が脱水状態や体温上昇を引き起こすことはなく,また暑熱環境によってカフェイン摂取の効果が低減することもない
・高地環境での運動についても,カフェイン摂取は海抜レベルでの効果と同様のレベルを示す(つまり,高地環境でのカフェイン摂取がその効果を低減することはない)

〈摂取方法〉
チューインガムの形態でカフェインを摂取することは,カプセルなどで摂取するよりも吸収が早くなる可能性がある
・口内洗浄,スプレー形式,ジェル形式でのカフェイン摂取がエルゴジェニックな効果をもたらすのかどうかははっきりしていないようである
・カフェイン入りのバーでのカフェイン摂取についてはほとんど研究がない

・クレアチンとの同時摂取について,たとえばクレアチンローディング期におけるカフェイン摂取の効果は曖昧な結果が示されている
・>9mg/kgBWのカフェインをクレアチンと同時に摂取することは慎重に行うべきであるかもしれないという結果もあり,さらなる研究結果が示されるまでは別々に摂取するか,クレアチンローディング期にはカフェインの多量摂取を避けるのが賢明かもしれない
・炭水化物との同時摂取については一貫したエビデンスが得られていない
充分な炭水化物が供給されている場合,カフェイン摂取はグリコーゲンの再合成速度を速めることはない可能性がある
・コーヒーとしてカフェインを摂取することは,その淹れ方によっても多少が変化するため,その結果が定量化できていない
そのため,適切に管理する上では無水カフェインを使用するのが適切かもしれない
エナジードリンクの一要素としてカフェインを摂取することは,カフェイン単独摂取と同様にエルゴジェニックな効果をもたらす
(エナジードリンクに含まれるβアラニンやタウリン,ビタミンB群などによって効果の増強が起きる可能性も示唆されているが,その効果の大小はカフェインの含有量に起因しているとする研究もある)

〈その他〉
カフェインの影響を受けやすい選手は,摂取後に心理的不安を感じる可能性があることが示唆されている
・カフェインの習慣的な摂取が,一時的な摂取時の効果に影響を及ぼすのかどうかは,習慣的摂取量の定量化が難しいこともあり,一貫したエビデンスは得られていない
しかし,最近の研究では,習慣的なカフェイン摂取は,試合や競技前のカフェイン摂取によるエルゴジェニックな効果に影響を及ぼす事はないという結果が示されている
・カフェイン摂取のタイミングは,運動60分前が最も一般的であるが,長時間続くスポーツであれば,運動中に摂取することも有益である可能性がある
・睡眠に対するカフェイン摂取の影響は,その摂取タイミングが夜遅くなればなるほど大きくなる可能性がある(カフェインの半減期は4~6時間)



(以下,執筆時の情報)

長すぎるので簡単にまとめると↓

カフェイン3

1.カフェイン総説

カフェインは中枢神経系を刺激することで身体の様々な機能に作用することが知られている
(眠い時にカフェイン(入り飲料)を摂取する事で目が覚めるのも,プラセボという可能性はあるにしろこのような中枢神経系の刺激という機能があるため)

カフェインは興奮薬と分類されており,WADA(World Anti-Doping Agency;世界アンチドーピング機関)においては2020年監視プログラムに含まれている
※監視プログラム:「スポーツにおける濫用のパターンを把握するために監視することを望む物質」についてかかるプログラム 禁止薬物ではない

手軽に手に入れる事ができるかつ,様々なエルゴジェニックな効果が示されているためアスリートにおいては多用される

その一方で,研究レベルではどの程度エルゴジェニックな効果が認められているのか,などの不明な点もまだまだ多く,より安全かつ効果的に使用するためにもその解明が望まれるといえる


2.カフェインの生理学的作用

カフェインで生じる様々なエルゴジェニックな効果は,主に次のような生理学的作用によって生じると考えられている*1

・骨格筋や心筋の収縮力の増大
・脂質のβ酸化の促進
・中枢神経系の刺激

また,カフェインはアデノシン受容体に対する拮抗作用を有しているとされている(つまり,アデノシン受容体の働きを阻害してアデノシンの働きを抑える)*2

アデノシンの働きの一例としては以下のものがある*3

カフェイン1

このような作用をするアデノシン(受容体)に対してカフェインは拮抗的に作用するので,様々な部分に影響をもたらす

また,最近はカフェインを摂取した後にトレッドミルでの有酸素運動を実施すると,カフェインを摂取しなかった群に対して摂取群では運動直後のIL-6やIL-10といったサイトカインの血漿濃度が有意に高くなったことが示されている*4

3.カフェイン摂取と日常生活

カフェインはアスリートがエルゴジェニックな効果を得るためのみに限らず,一般の人にも多く使われる(眠気解消のためにエナジードリンクを飲むなど)

しかし,エナジードリンクの飲み過ぎによる死亡事故などもあるように,過剰摂取は懸念事項のひとつとなると考えられる

本項ではそのような一般的な健康状態とカフェインの摂取の関係について,いくつかのレビューを参照していく

【耐容上限量】

FDA(アメリカ食品医薬品局)では,健康な成人であれば400mg/日までは健康上有害な効果を及ぼす事はないとしている

EFSA(欧州食品安全機関)では,対象とする人に応じて以下のような提言をしている*5

〈カフェインの耐容上限量〉
健康な成人400mg/日までであれば,習慣的に摂取しても安全性の懸念はない
200mg/回までの急性摂取であれば,安全性に問題は無い
妊婦200mg/日までであれば,胎児に対する安全性の懸念はない
小児および青少年エビデンスが不足している(体重70kgの成人における急性カフェイン摂取目安量としての≦3mg/kgBW/日が当てはまる可能性がある)


【睡眠への影響】

Orbetaら(2006)による調査では,カフェインの摂取が多いと報告する学生は,摂取量が少ないと報告する学生よりも朝に疲れやすいことが示されている*6(ただし,この結果をとって短絡的に「カフェインは睡眠の質を下げる」と言う事はできない)

12人の被検者(M6,F6,平均29.3歳)を対象としてカフェイン摂取と睡眠の関係性を調査したDrakeら(2013)の研究では,就寝直前と就寝3時間前にカフェイン400mgを摂取した場合,対照群と比較して総睡眠時間が有意に減少したことを示した*7
(ただし,カフェイン400mgというとコーヒー6~7杯分になるため*8,かなり高用量となる)

また,唾液中のカフェイン濃度は摂取後1時間で最大に達し,その後徐々に下がるが16時間後もまだ摂取前の値に戻らないことが,200mgのカフェインを用いたLandoltら(1995)の研究によって明らかにされている*9

その他,Treurら(2018)の研究では,血漿中カフェイン濃度がクロノタイプに負の影響を与えることを示している(いわゆる「朝型」でありづらくなる)*10
しかし,その他の要因(睡眠時間や不眠症との関連性)とカフェイン摂取の間の因果関係は示されなかった

総じて言えば,我々の考えに対して(?)カフェインが睡眠に負の影響を与える可能性は研究レベルでは示されていない

O'Callaghanら(2018)が述べるように,カフェインと睡眠の関係に関しては単純な因果関係で示す事はできず,環境的な要因も大きく関係している可能性がある*11
さらに同研究では,カフェインは疲労を感じている時に摂取することが多いが,それと同時にカフェイン自体が疲労の原因になっている可能性もあるとしている

※考慮すべきは,眠気や疲労を飛ばすための短期的なカフェイン摂取を繰り返すことが,身体にどのような影響を及ぼすのかということであるかもしれない


【頭痛の鎮静効果】

アセトアミノフェン1000mg+カフェイン130mgの組み合わせは,アセトアミノフェン単体群や対照群に比べて頭痛の鎮静効果(自己評価)において有意に優れていたとする研究がある*12

Derryら(2014)のレビューでは,頭痛や術後疼痛・産後疼痛・月経困難症・咽頭痛などの疼痛におけるカフェインの効果について以下のように示している*13

◇鎮痛薬(アセトアミノフェンやイブプロフェン,ジクロフェナクなど)+カフェインの組み合わせの有効性は,複数の研究全体で見た時わずかに有意であった
◇少なくとも50%以上の最大疼痛緩和を達成した被検者の割合は,カフェインの量が≦65mgで6%,70~150mgで8%,≧150mgで11%であり,≦65mgでは疼痛に対する有意な改善効果が得られなかった
◇これらを踏まえると,100mg以上のカフェインは急性の疼痛の鎮静補助としては有効である可能性があるが,65~200mgの範囲では明らかな用量反応関係はない


【認知・反応など脳機能への影響】

Irwinら(2020)のメタ分析では,睡眠が制限されている(睡眠不足)状態でのカフェイン摂取が,反応時間や実行機能といった脳機能に対して小~中程度の改善効果を示したことが明らかにされている*14

ただし,このメタ分析に含まれた研究の多くが比較的高用量のカフェイン(平均にして約350mg)であるため,低用量でどのような効果が出るかは明らかにされていない

さらに,このメタ分析に含まれる条件として「被検者の睡眠時間が6時間以下」であることが設定されており,その点ではこの研究では「そもそも睡眠不足によってパフォーマンスが損なわれていて,それが単にベースラインに戻っただけ」である可能性が排斥できないという限界もある

この側面についていえば,たとえばHaskell-Ramsayら(2018)が特別な睡眠制限の無い条件で,100mgのカフェインを含むレギュラーコーヒー220mgを摂取した群では注意力に関するテストのスコアが有意に向上したことを示しており*15,カフェインには覚醒状態を高める効果があると考えられる

覚醒レベルのある程度のラインまでの向上はパフォーマンスにポジティブな影響を与えるという逆U字曲線仮説(inverted-U hypothesis)に則って考えれば*16,カフェインはいわゆるサイキングアップのサポートという意味で有効と言えるかもしれない


4.運動パフォーマンスへの影響(概説)

エルゴジェニックエイドとしてのカフェインは,2018年のISSN(国際スポーツ栄養学会)のレビューではカテゴリーⅠ(安全性や有効性を保証する強いエビデンスがあるもの)に分類されている*17

そのレビューでのカフェインに関する概要は以下の通り

◇運動30~90分前の3~9mg/kg体重のカフェインを摂取することは,運動中の炭水化物の消費を抑えて,持久力運動能力を向上させる事ができる
◇カフェインは嫌気的代謝能力の促進をもたらし,スプリントのパフォーマンスを改善する
◇最大強度や反復回数に対する効果は混在している
◇筋力や筋パフォーマンスに対する効果は不明確である
◇カフェインの摂取によって,知覚的労作・筋痛の知覚軽減の効果がみられた

次項からは,このようなエルゴジェニックエイドとしてのカフェインに関する最新の知見を参照していく

5.カフェインと有酸素運動

有酸素性持久力の代表的な指標であるVO2maxは,カフェインの摂取で有意に向上することはなかったことがBrietzkeら(2017)の研究で示されているが,同様の研究では疲労困憊までの時間やRPEはプラセボ群でも同様の効果が示されたとしている*18
(VO2maxに関連する事項としては,女性を対象とした研究では,カフェインを6mg/kg体重摂取した群は対照群に比べてトレッドミルプロコトル(3.5mphで8分間歩行)の最後3分間でのVO2(ml/kg/min)が有意に増加したとする研究もある*19)

若干脱線する内容だが,3mg/kg体重のカフェインを摂取させて75%VO2maxでトレッドミルを45分間走行するプロトコルを行ったところ,対照群に対してドーパミンやβエンドルフィンの血漿中濃度が増加したと,Leeら(2019)の研究では示されている*20


競技パフォーマンスについては,たとえば3mg/kg体重のカフェインを含むコーヒーを摂取した後に1マイル競争のスコアを測定すると,プラセボ群・カフェインレスコーヒー群に比べてそれぞれ1.9%(d=0.32),1.3%(d=0.51)有意に完走までの時間が短縮したとするClarkeら(2018)の研究や*21,6mg/kg体重のカフェインをトライアスロン開始60分前に摂取した群で,対照群に比べて完走までの時間が1.3%有意に短縮したとするPotgieterら(2018)の研究がある*22

その一方で,800m走選手を対象としたRamos-Campoら(2019)の研究では,夜(20:00)の競技開始1時間前にカフェイン6mg/kg体重摂取してもレースタイムが短縮することはなく,さらにその後の睡眠の質を有意に低下させたことが示されている*23

これは,800m走という種目が,上で挙げた他2種目よりも解糖系の依存率が相対的に高いことに起因しているのか?
そう考えると,無酸素性運動に対するカフェインの効果が再検討される必要があるかもしれない


6.カフェインと無酸素性運動

【ウィンゲートテストで測定されるパワーへの効果】
無酸素性(嫌気性)パフォーマンスの指標としてよく用いられるウィンゲートテストへの効果について,Grgic(2018)のメタ分析では以下のような結果が示されている*24

▷アウトカムはウィンゲートテストによるピークパワーと平均パワー
▷このメタ分析に含まれた研究におけるカフェイン摂取量は,1-5mg/kg体重であった
平均パワーは,カフェイン摂取によってプラセボ群に対して有意に向上しており(p=.0005),その効果の大きさはSMD(標準化平均値差)で0.18(≦.20,small)であった
ピークパワーも,カフェイン摂取によってプラセボ群に対して有意に向上しており(p=.0006),その効果の大きさはSMDで0.27(0.2-0.5,moderate)であった
⇒これらをふまえると,カフェイン摂取は嫌気性パフォーマンスを小~中程度高める可能性がある

また,同じくウィンゲートテストを用いたJodraら(2020)の研究でも同じような結果が示されており,6mg/kg体重のカフェイン摂取によって,ピークパワーや平均パワーが有意に向上し,さらにピークパワーに至るまでの時間も有意に短縮された*25
(つまるところ,カフェインの摂取によって嫌気性パフォーマンスが向上した)

この研究で興味深いのは,被検者をレベル(エリート/レクリエーション)で分けており,この二群では活力という心理的側面で有意な効果の差が見られた(エリートレベルの方が,有意にスコアが向上した)

ちなみに,摂取の仕方について,300mgのカフェイン入りの液体で口をゆすいでも,ウィンゲートテストで測定されるパワーは変化しなかったとMarinhoら(2020)は示している*26
これに関しては,糖質入りの液体で口をゆすいだ時にはパフォーマンスが上がる可能性がある,というものと反していて興味深い(これに関して糖質に関するページで考察している)


【筋力・筋パワーへの効果】
上で参照したISSNのレビューにもあるように,筋力への影響は未だ不明確であるとされている

たとえばTallisら(2018)は,3mg/kg体重と6mg/kg体重で,上肢/下肢の等速性筋力でどのように効果の差が出るかを調べた*27

カフェイン2

※この研究の参加者は,質問票での自己評価では全員が「あまり日常的にカフェインを摂取しない」としていた

この結果に近い可能性が複数の研究で示唆されている

〈Timminsら(2014)〉*28
6mg/kgのカフェイン摂取が下肢/上肢の筋力にもたらす効果は下肢(膝伸展,足関節底屈)の方が大きかった

〈Astorinoら(2011)〉*29
上半身(ベンチプレス・ラットプルダウン・ショルダープレス)・下半身(レッグプレス)のレジスタンストレーニングでの反復回数と総挙上重量を調べたところ,6mg/kgのカフェイン摂取はレッグプレスでのみ有意な効果を示した(上半身の種目では有意差無し)

〈Grgicら(2017)〉*30
6mg/kg体重のカフェインを,習慣的にレジスタンストレーニングを行う17名に摂取させた
バックスクワットとベンチプレスの1RMについては,バックスクワットでは有意にスコアが改善し,効果量も大きかった(ベンチプレスは有意差無し)
ただし,上半身・下半身のパワーを比較した時,上半身のパワー(座位でのメディシンボールスロー,下画像参照)はカフェイン摂取によって有意に改善したが,下半身のパワー(垂直跳び)は有意差を示さなかった

スクリーンショット 2020-09-25 202329

※Grgicら(2017)の研究で用いられた,上半身のパワーを測定するためのテスト
(図はClemonsら(2010)より引用*31)

これらをふまえると,上半身(下肢)・下半身(下肢)でその効果を比較した時,カフェインの摂取は下半身の筋力には効果をもたらす可能性が高いと考えられる
(ウィンゲートテストによるパワーのスコアが高くなるのもこのように下肢筋群の筋力が向上しているため,という可能性もあるかもしれない)

そして,このような効果の差が出ることについて,Timminsら(2014)は筋群の大きさが関係している可能性があると指摘している*28

筋パワーについて,たとえばVenierら(2019)は,300mgのカフェインを摂取した時の効果について以下のような結果を示した*32

▷下肢のパワー
スクワットジャンプ,CMJを用いて変化を調べた
いずれもスコアは有意に向上した(いずれもd=0.18)

▷上肢(上半身)のパワー
ベンチプレス(50・75・90%1RM)の挙上速度を用いて変化を調べた
どの負荷でも挙上速度は有意に向上した(効果量dはそれぞれ0.33・0.42・0.59)
ちなみに,ローイングエルゴメーターを用いた測定では,ピークパワーの有意差は見られなかった

また,Wilkら(2020)は,習慣的にカフェインを摂取している参加者に対して3mg/kg,6mg/kgのカフェイン摂取介入したところ,スミスマシンを用いたベンチスローにおいて平均パワー・平均挙上速度が対照群に対して有意に向上したことを示した*33
(3mg/kgと6mg/kgの間に有意差は見られなかった)

これらをふまえて,Grgicら(2019)はパワーリフティングのためのレビューにおいて,「カフェインの摂取は,幅広い用量でパワーリフティングの競技種目に対して有益な効果をもたらす可能性がある」としている*34


ここまでを統合して考えると,パワー系アスリートにおいても,無酸素性持久力の向上,発揮パワーの向上などといったエルゴジェニックな効果をもたらすという点でカフェインの摂取は有益であると考えられる


7.カフェインの摂取習慣の有無や性別による効果差

【習慣的摂取の影響と耐性】
習慣的にカフェインを摂取している人は,そうでない人に比べてカフェイン摂取による気分向上の効果が大きくなったが,認知パフォーマンスでは後者の方が効果が大きかったことが,Haskellら(2005)によって示されている*35

Redondoら(2019)は,カフェイン摂取の習慣性とその効果について調査しており,たとえば反応時間においては習慣的にカフェインを摂取している参加者の方が,カフェイン摂取による影響が大きかったことを示している*36

さらに,Burkeら(2015)は,夕方のカフェイン摂取がアデノシン受容体・サイクリックAMP(cAMP)に依存する形で分子振動の概日周期を長くする事をin vitroで示した上で,就寝3時間前にダブルエスプレッソ1杯分のカフェインを習慣的に摂取すると,メラトニンによるサーカディアンリズム全体に40分程度遅延が生じることを示した*37

Beaumontら(2017)は持久パフォーマンスに対する効果を調査した
1.5-3.0mg/kg/日を28日間摂取させたところ,パフォーマンスに対する有益性は28日後には低減したことを示した*38

習慣的なカフェイン摂取は薬理的な耐性を生ずる可能性がある

ただし,Irwinら(2011)は,習慣的にカフェインを摂取している人を対象として,4日間の離脱期間を設けても設けなくても,3mg/kgのカフェイン摂取は運動パフォーマンスを有意に改善する効果があると示した*39

これをふまえたMoralesら(2020)の研究では,6mg/kgのカフェインを4日間の連続摂取は,生理的変化,代謝状態の変化,パフォーマンスの改善度合いに対する耐性を誘発しないとしている*40


補足の補足となってしまうが,カフェインの離脱症状に関しては頭痛や眠気,集中力の減退などが考えられている

これに関しては,たとえばPhillips-Buteら(2007)は,長時間の睡眠制限がなされている条件下でカフェイン離脱を起こさせると,抽象的推論や概念形成といった認知機能に悪影響を及ぼすことを示した*41


【作用に対する性差の影響
生物学的性差はカフェインの作用やその機序に影響を与える可能性がある

たとえばFaragら(2006)は,運動後の食事の後,コルチゾール反応は男性より女性で大きく,さらにそれはカフェイン摂取後の方が大きかったことを示した
これをふまえて,カフェインは男性では中枢神経系に作用するが,女性では末梢代謝機構と相互作用している可能性があるとしている*42

運動パフォーマンスについて,トライアスロンを対象とした研究ではPotgieterら(2018)が,男女でタイムの短縮具合に性差が示されたとしているが*43,筋力や筋持久力という側面では性差は示されなかったとChenら(2015)によって論じられている*44

(今回は特段触れなかったが)カフェインの摂取によってDOMS(遅発性筋痛)や知覚される疼痛の度合いが抑制される可能性が複数の研究で示唆されているが*45・46・47,これについても男女の性差があることが,Chenら(2019)によって示されている*48(下図もこちらより引用,*はp≦.05で統計的有意差であることを示す)

画像4


補.カフェインとクレアチンの同時摂取と相互作用

クレアチンは,中~長期的な使用によって骨格筋内のクレアチンリン酸濃度を増加させ,ATP-PCr系による代謝持続時間を増加させるという点でパフォーマンスを増加させる可能性があると最近は考えられており*49,ISSNのレビューでもグレードⅠに分類されている*17

そのようなクレアチンの機能を,カフェインは阻害するカウンターの役割を有するのではないかと考えられてきた*50

しかし,Dohertyら(2002)は,6日間0.3mg/kgクレアチンを摂取させ続け(ローディング期間),その後5mg/kgのカフェインまたはプラセボを摂取させたところ,125%VO2maxに相当する運動で疲労困憊に至るまでの時間がカフェイン摂取群で有意に長くなり,さらに90秒時点でのRPEも低かったことを示した(=クレアチンのパフォーマンス改善というエルゴジェニックな効果は,カフェインで妨害されることはなかった)*51

その逆に,Trexlerら(2016)は,クレアチンのみ・クレアチン+カフェイン,プラセボを5日間摂取させ続けた後に運動負荷試験を行ったが,そこでは主要なアウトカムに群間の有意差は見られず,クレアチン単独でも改善が見られなかったことを示した*52
(これは,クレアチンローディングの期間が5日間では不足していた可能性や,用量が欠乏していた可能性がある)

Leeら(2011)は,高強度スプリントパフォーマンスに対するクレアチン+カフェインの影響を調べた*53
その結果は以下の通り

▷テストはエルゴメーターによる6×10の間欠的高強度運動プロコトルであった(10秒全力で漕ぎ,60秒間55-60rpmでアクティブリカバリーフェーズ,これを計6セット)
▷テスト終了後の血漿中の乳酸濃度は,クレアチン(CRE)+カフェイン(CAF)群において対照群・CRE単体群に比べて有意に低かった
▷それに付随して,血漿中のグルコース濃度は,CRE+CAF群において対照群・CRE単体群に比べて有意に高かった
▷試験中の平均パワーは,1回目と2回目のスプリントフェーズではCRE+CAF群において他の2群に対して有意に高かった

この結果をふまえると,クレアチンとカフェインの併用は高強度スプリントパフォーマンスにはポジティブな影響を与える可能性がある
(少なくともクレアチンの効果を打ち消す可能性は否定されつつあるのかもしれない)


8.まとめ

非常に煩雑になったが,まとめると以下の通りとなる

▷カフェインと睡眠制限の直接的な因果関係は明らかにされていないが,カフェインの習慣的な摂取は概日周期を少しずつ遅らせて夜型にさせる可能性が考えられる
カフェインはアスリートに求められる有酸素性・無酸素性パフォーマンスを高める可能性が強く,さらにDOMS(遅発性筋痛)の知覚を低減する
▷筋力に関しては,下肢では特にポジティブな効果が出やすい可能性がある
▷エルゴジェニックな効果をもたらすために必要な急性用量は,有酸素性能力であれば~3mg/kg体重で十分であるかもしれないが,無酸素性能力であれば6mg/kg必要になるかもしれない
▷ただし,1日400mgが健康に悪影響を与えない上限であるとされるため,上のような量は日常的に摂取するべきではないだろう
▷クレアチンとカフェインの併用が,クレアチンの効果を打ち消すかどうかは微妙
▷カフェインはその作用などで男女の性差があるかもしれない

【他ページへのリンク】

〈ストレングス系〉
◇スクワットについて
 ・スタンス
 ・バック/フロント,マシン/フリー
 ・深さ
 ・バーポジション

〈コンディショニング・スポーツメディカル系〉
リカバリー総論
リカバリーの方法①
熱中症
アメリカンフットボールと脳震盪

〈スポーツ栄養系〉
◇五大栄養素について
 ・カロリー収支とバランス
 ・炭水化物
 ・タンパク質
 ・脂質,ケトジェニックダイエット,栄養戦略
 ・ビタミン,ミネラル

◇エルゴジェニックエイド
 ・カフェイン(本ページ)

〈単発の論文レビュー〉
マガジンはこちら


【引用・参考】

〈参考になりそうな書籍〉

1.NSCAスポーツ栄養ガイド

かなり新しめの,スポーツ栄養を専門にしている書籍

スポーツ栄養については特にアップデートが多いので最新の知見をまとめて得るという点では大きいかも

2.Essentials of Exercise & Sport Nutrition: Science to Practice

洋書,ただし内容のレベルは非常に高く,英文が読めるのであればおそらくこれがベスト

3.ストレングストレーニング&コンディショニング[第4版]

9~10章が栄養に関する内容になっている
栄養のためだけに買うのであればコスパは良くないかも


*注
1.Ahrendt D. M. (2001). Ergogenic aids: counseling the athlete. American family physician, 63(5), 913–922.

2.Keisler, B. D., & Armsey, T. D., 2nd (2006). Caffeine as an ergogenic aid. Current sports medicine reports, 5(4), 215–219. https://doi.org/10.1097/01.csmr.0000306510.57644.a7

3.大地陸男 (2017). 生理学テキスト 文光堂

4.Rodas, L., Martinez, S., Aguilo, A. et al. Caffeine supplementation induces higher IL-6 and IL-10 plasma levels in response to a treadmill exercise test. J Int Soc Sports Nutr 17, 47 (2020). https://doi.org/10.1186/s12970-020-00375-4

5.European Food Safety Authority. (2015). Scientific Opinion on the safety of caffeine. EFSA Journal 13(5):4120.

6.Orbeta, R. L., Overpeck, M. D., Ramcharran, D., Kogan, M. D., & Ledsky, R. (2006). High caffeine intake in adolescents: associations with difficulty sleeping and feeling tired in the morning. The Journal of adolescent health : official publication of the Society for Adolescent Medicine, 38(4), 451–453. https://doi.org/10.1016/j.jadohealth.2005.05.014

7.Drake, C., Roehrs, T., Shambroom, J. & Roth, T. (2013). Caffeine Effects on Sleep Taken 0, 3, or 6 Hours before Going to Bed. Journal of clinical sleep medicine. doi:10.5664/jcsm.3170

8.コーヒーのカフェイン量については「日本食品標準成分表2015年版」(文部科学省)の「<コーヒー・ココア類> コーヒー 浸出液」(浸出法: コーヒー粉末 10 g/熱湯150 mL)を参照として,1杯あたり60mgとして計算している

9.Landolt, H. P., Werth, E., Borbély, A. A., & Dijk, D. J. (1995). Caffeine intake (200 mg) in the morning affects human sleep and EEG power spectra at night. Brain research, 675(1-2), 67–74. https://doi.org/10.1016/0006-8993(95)00040-w

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