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作詞集・太陽と龍の追憶

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昔、バンドを組んでいた時に作詞したものや、新しく書いたものも含め こちらにて公開しております。 歌ってくれる人、使ってくれる人募集中です 詳しくはメッセージか、ツイッターのDMで… もっと読む
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#作詞家になりたい

虹のように空のように

何も知らないことにして
気付かれなければいいとして
ちんまりと椅子に座って
顔色を見上げて暮らす日々を
終わりにしたくて椅子を蹴る

立ち上がって踏み出せば
冬晴れの硬い青空
何処までも行ける気がした

何も知らないふりをして
気付かれないよう過ごして
ひっそりと息をひそめて
顔色を窺って生きる日々を
逃げ出したくて走り出す

息が上がって立ち止まれば
燃えるような夕焼け
何処へでも行ける気がした

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あれから僕は

あの頃好きだった あなたの微笑を
結局今も忘れられずに 僕は大人になった

追い掛けそこなった幸せが
乾いて消えてしまうと恐れて
いつまでも子供でいたいと
都合の良い事を子供のせいにして

あの頃好きだった あなたの微笑を
結局失くしたままで 僕は大人になった

傷つけあう恋もしたけど
あなたを失う事だけが怖くて
無理して笑った強がりで
美しく塗りつぶした心が痛い

あれから僕は 幸せになった

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溶雪

この手のひらに 雪が降ったことを
忘れてしまわないうちに
この手のひらで 雪が溶けたことを
忘れてしまわないように

嫌な事も辛い事も
白い空にうずめて
必ず迎えに来ると
約束もいっしょに

この手のひらに 雪が降ったことを
忘れてしまいたくない
この手のひらで 雪が溶けたことを
忘れてしまっても

嫌な事があっても
好きな歌を想って
走り続ける事しか
今は出来ないから

百万粒の雪の粒
ひとつひ

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Bury

まるで顔のない毎日に
埋もれていくみたいだ
日々の歩みを止めることさえ
出来ないまま明日が来る
酷い憂鬱が運動靴の紐になって
足を心を縛ってゆく

まるで顔のない街に
埋もれていくみたいだ
他人(ひと)の流れに逆らうことさえ
出来ないまま朝が来る
酷い頭痛が目覚まし時計に起こされて
鼓膜を心を揺らしている

あんたみたいにはなりたくないんだ
枯れ葉ばかりが積もってゆくけど

いつか顔のない他人(ひ

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茫然メリーゴーランド

明るい将来 疑う事もせず
前向きなつもりで 生きてきたけど
振り返ってみれば ロクな事がない
全部都合のいいように 塗り替えただけ

挫折した 夢ばかり
拾い集めて泣いている
散らばった あれもこれも
かき集めてまたバラまく

楽しそうな人ばかり 選んで見つめていた
輝いて見える人が 流れる血を拭えば
振り向けばそこに 何も残らなかった
全部中途半端で 涙も流れなかった

あきらめた 恋ばかり

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Hasta Luego

陽射しが黄色く にごって溶けた午後
窓の外は雑踏 ざわめく足音
近くて遠く 愛しく切ない
時間が流れてゆく

抱き寄せてHasta Luego
耳元をかすめた言葉が痛い
抱きしめてHasta Luego
喉元を通り過ぎれば綺麗さ

夜空はただ暗く 散らばって輝く嗚呼
月と星と輪舞 さざめく歌声
暗くて眩しい 寒くて恋しい
時間は流れ星だね

くちづけてHasta Luego

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さよなら僕だけの雨

七色の信号機
目玉焼きが笑ってやがる
君の元カレが気持ち悪くて
殺して墓標を蹴りました
虹色の信号機
十字架が笑ってやがる
僕だけの失敗
みんな夢なら良かったのに
雨じゃなきゃダメだ
土砂降りの雨だ

痛みが妬みが憎しみが
育ちの違いが住む場所が
言葉が距離が指先が
心が胸が眼差しが

踏切は喜んで
僕を見て笑ってやがる
君の友人が気持ち悪くて
殺して真夏に腐らせた
空色の炎
十字架が躍ってやがる

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マチノアカリ

君はドアの向こうへ
僕は炎の海へ逆戻り
今朝までが嘘のよう
君とドアの向こうで

白い部屋の中で二人
何もかも刻みつける
胸に瞳に写真の中に
顔も髪も腕も匂いも
忘れないきっと僕は

マチノアカリは揺れ
マチノアカリが灯り

君はドアの向こうへ
僕は炎の海で綱渡り
さっきまで幻を見て
君とドアの向こうへ

高い青空の下で二人
何もかも忘れないで
夢から覚めてしまう
指も舌も首筋も汗も
絡まり合う記

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陸(おか)の生活

青白くて涼しい街で
板につく早寝早起き
地に足を付けています
行ったり来たり勤め人

真実なんてどこにもない
ただ連なる事実の連続と
積み重ねた所業の数々を
後で見て誰かが嘘を吐く

朝早くの静かな街
目を覚ます今日も
根を張り伸ばします
すっかり僕は勤め人

絵空事なんて言わせない
さざなみを繰り返す海の
懐の深さを思う日々さえ
陸に上がって初めて知る

僕はここで 四角い小さな場所で
波風たた

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Believer

いつもの街 今日も静かで
看板が一つ増えてる 歩道橋
塗りなおしてた
知らないうちに変わるから 知ってるものは
信じていようよ

下向くな 振り向くな
前向いて 生きてゆけ
何もかも疑って それでも前向いて
生きてゆけ Believer

いつの間にか 今日がゆく
街路樹が紅葉で 最近
猫が来なくなった
気づかないだけなんだろね 気が付けば
信じられるの?

水をやる 花が咲く
上向いて 歌ってや

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忘却は最寄り駅

ここまでだったね
あなたとの日々
あたしはあなたを
忘れて生きるよ
だからあなたも

そこまでなんだね
あなたの気持ち
あたしをあなたが
忘れてく日々よ
だけどあたしは

走って、走って
どうして泣いて
走って、走って
いつまで泣いて
いるんだろうね

画面の向こうに
あなたは居ない
寂しいけれど
哀しいけれど

ここまでだったね
あなたとの日々
黄昏てても仕方がないから
あなたはあなたの傷を抱え

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平社員

その日もあたしは残業して
くたばりきって帰ってきた
牛丼屋と弁当屋を見比べて
お惣菜だけ買ってきた

溜めこんでいたのは
仕事と貯金と
溜まっていたのは
ちょっと憂鬱

仕事がナンだと平社員
夜が更ける
あたしをナンだと平社員
顔が老ける

その日のあたしが担当した
仕事に心がこもらない
商談して相談して連絡した
だけど何もわからない

逃げ出してしまえば
仕事も貯金も
溜まっていたんだ
ちょっと

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桜木町から関内よりも 近くて遠いヘイヴンを君に

毎日毎日夕焼けで
コバルトの空が西の方から
地平線燃え尽きるまで
夜が来て胸に抱いた
ただ一つの夢が星になるまで

空飛ぶサソリを見上げたら
ゆっくり回るレコード盤
ぐにゃりと曲がるレコード盤
空飛ぶサソリが笑ってる
自分で自分に突き刺した
針から漏れた毒が虹
拈華微笑の巨仏は電気仕掛けの夏になる
朝日の差し込む白い白い京浜東北線
桜木町から関内よりも
近くて遠いヘイヴンを君に

Cumulonimbo

ある晴れた夏の朝
薄暗い街の向こうに
広がる入道雲
寝ぼけたままの木立をぬうように
白いクルマが走ってく

よく晴れた夏の朝
渡る人もない信号機越し
膨らむ積乱雲
沈んだままの道路をぬうように
僕のクルマは泳いでく

濃密な朝、濃密な時間、濃密な夏曜日
もう仕事も休みもカンケーない
何の心配もない夏曜日
渋滞も信号無視も
コンビニの角を抜けてくバカも気にならない

ある晴れた夏の朝
薄暗い街の片隅

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