Cumulonimbo

ある晴れた夏の朝
薄暗い街の向こうに
広がる入道雲
寝ぼけたままの木立をぬうように
白いクルマが走ってく

よく晴れた夏の朝
渡る人もない信号機越し
膨らむ積乱雲
沈んだままの道路をぬうように
僕のクルマは泳いでく

濃密な朝、濃密な時間、濃密な夏曜日
もう仕事も休みもカンケーない
何の心配もない夏曜日
渋滞も信号無視も
コンビニの角を抜けてくバカも気にならない

ある晴れた夏の朝
薄暗い街の片隅
広がる黒い雲
寝ぼけたままの君を置き去りに
白いクルマが走り去る

バックミラーに夏の朝
曖昧な記憶流してく
土砂降りの心
夢の中でさようならとありがとう
白いクルマで呟いて

恍惚の朝、恍惚の時間、恍惚の空模様
もう愛も恋もカンケーない
何の後悔もない空模様
葛藤もすれ違いも
言いたいことも言えずに黙り込むこともない
夢の中でさようならとありがとう
寝ぼけたままの君を置き去りに
白いクルマが泳いでく
膨らみ土砂降りのCumulonimbo
ある雨上がり夏の朝
さようならとありがとう


たったいま(2020年9月2日20時51分)書きあがった作品です
台風の気圧、疲労、夏バテ、その他いろんな不安や不満やイラダチを詰め込んで、何処か遠くへ行ってしまいたい……恐らくそんな心模様が
雨上がりのアスファルトに残った水たまりに映る、ゴロゴロと雲の残る青空みたいに反射している作品ではないかなと思います

Cumulonimboはスペイン語で
積乱雲
って意味です

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