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ローマの日々 [Daily Romans]

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ローマ人への手紙を日々少しずつ、ゆっくり味わい、瞑想する旅をします。
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#パウロ

ローマの日々第I部 (2) ローマ来訪・福音宣教拡大への熱望

ローマの日々第I部 (2) ローマ来訪・福音宣教拡大への熱望

ローマ1章8−17節

パウロがローマの聖徒にこの手紙を書いた目的に入ります。

福音がパウロの人生を神の恵みに生きるようにすっかり変えてしまった、その大きな恵みを自分だけのものにはしておけない、との気持ちが溢れ出ています。

当時の世界の中心地であったローマにある教会が全世界に目を向けて働きかけられるように励ましを与える力を持っているのは、神の義を啓示している福音でした。

11.ローマ1:7 神に愛されている聖徒たち

11.ローマ1:7 神に愛されている聖徒たち

パウロの手紙はローマにもたらされ、教会で読み上げられます。その人々に向けて、ここで最初から恵みによる神からの召しと聖さを強調しています。

一般には、「聖徒(あるいは聖人)」は信者の中でも非常に特殊な人物を指して使われます。けれども、パウロはすべての信者を「神に愛され」ている人々として、また「召された」者として、さらには「聖徒」とされた人々として同じ目線で見ているようです。

どのようにして私たち

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9.ローマ1:5b 信仰の従順

9.ローマ1:5b 信仰の従順

使徒の務めはすべての民を導くことです。唯一の神が公平にすべての人々に向けて恵みを賜っているからです。慈しみに満ちた神はこの「良い知らせ」を用意してくださっています。それは、すべての民が信仰の従順を持つためでした。

ある人が主に従順になるためには、どうしたらいいのでしょうか。それは、その人が主の権威と恵を信じて認めることによります。従順になろうと頑張ることではなく、信じることで心に従順さが生まれて

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8.ローマ 1:5 恵みを受ける

8.ローマ 1:5 恵みを受ける

贖われ、イエス・キリストを主と告白し、さらには神の福音を宣べ伝えるために召されたパウロは、非常にはっきり、すべての民族にこの神の福音を伝えなければならないと理解していたのです。

パウロが本当に恵みを自覚していたのは、自分が使徒として召されるには決してふさわしい者ではないと分かっていたからです。それは、パウロが以前はキリストの教会を迫害していたからでした。

そんな人物が、神に愛されるなどというこ

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6.ローマ 1:3 神の子

6.ローマ 1:3 神の子

神の約束のすごいところは、この世に対して神が「神の子」を与えることです。もしそれが神ご自身の約束ではないなら、起こり得ないことです。

確かなことは、人間が神に対してそれを求めたのではない、ということ。神が定めていたのは、ダビデの子孫としてこの世に生まれてくる子が神の子だ、ということでした。

人間の側からすると、至高で至聖の神が肉の弱さを持つ人間になるなど、ありえないと思ってしまいます。もちろん

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5.ローマ 1:2b 預言者と聖書

5.ローマ 1:2b 預言者と聖書

どうしたら、神の約束を知ることができるでしょうか?

神ご自身が御心を明らかにしてくださったのは預言者を介してでした。その経緯も含めて証として文書にまとめられたのでした。イスラエルが預言の内容の真実さを、実際に起きたことを見ながら検証できるためです。特に、神の民についての預言が本当だったかどうかが明らかになるように、でした。

聖書を信じる、というとき、盲信してはいけないし、歴史上の出来事から預言

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4.ローマ 1:2 約束された福音

4.ローマ 1:2 約束された福音

パウロは自己紹介でイエス・キリストのしもべ、次に神の福音をのべ伝えるために召されて選び出された、と言いました。福音(ふくいん)とはどういう意味でしょうか?もしその意味がはっきりしないままでは、福音にふさわしい生き方もできません。

"福音" の意味は、 ”良い知らせ”。その内容があらかじめ神によって約束されていたことでした。

良い知らせとして伝えられた事柄は、たまたま起きたものなどではなく、神が

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3.パウロ、福音を伝えるために選び出された 1:1c

3.パウロ、福音を伝えるために選び出された 1:1c

パウロの自己紹介の3つ目は、(原典では)「神の福音のために選び出され」です。

選び出された、というのは、他とは区別された、他とは違う者という意味。

他のものとは全く違う神に召しだされたのですから、パウロ自身、他の人たちとは違う点があって当然。何が違っていたかといえば、なにより、キリストに属する者とされていたのと、さらに、生きる目的が、神の福音を伝えるために特別に備えられた使徒だ、ということです

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2.ローマ 1:1b パウロ、召されて使徒となった

2.ローマ 1:1b パウロ、召されて使徒となった

パウロの二つ目の自己紹介は、「使徒として召された」です。(原典の語順に従っています)

イエス・キリストがパウロに現れた時、パウロがイエスを呼び出したのではなく、イエスご自身がパウロに呼びかけたのでした。そのあとで、アナニヤが主の命を伝えに遣わされます。パウロが悔い改めてイエス・キリストと御言葉を信じ、バプテスマを受けるためでした。 (使徒9:1-19; 22:3-16; 26:9-18).

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1.パウロ、キリスト・イエスのしもべ 1:1

1.パウロ、キリスト・イエスのしもべ 1:1

パウロは、手紙の差出人の肩書として、まずはじめに「しもべ」と書きました。

本来、この言葉は買い取られた奴隷の意味です。つまり、自分のからだは自分のものではなく、ご主人のものだ、と表明しているのです。

あとで詳しく書いている、キリストによってあがなわれた者として、「私はキリストのものだ」、と。

考えてみましょう

私たちは、誰のものなのでしょうか。
日常に表れている私たちの生活は、誰のものとし

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ローマの日々 第 I 部 (1) 序

ローマの日々 第 I 部 (1) 序

第I部 [1:1-17]「福音の信仰による義人は生きる」
(1) 1:1-7 あいさつ・福音の核心

パウロの「ローマ人への手紙」は、ローマに住んでいる「聖徒たち」に向けて書かれたものです。

第一部は、この手紙が書かれた目的と手紙全体のテーマが簡略にまとめられています。すべての人が神と共にいきいきと生きるために神ご自身がなさったキリストの贖いを伝えている手紙。

当時の手紙の書式に従って書き始

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