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1on1ミーティングの道具箱 - 第17回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ 道具:アイスブレイク

マネジャーに求められる能力を見ると1on1ミーティングはその縮図とも言えます。相手に「気づかせて引き出す」考え方、方法、スキルから構成された1on1ミーティングタイムラインの全体図。タイムライン冒頭「居ても、話しても安心な場と雰囲気」をつくるのに有効なアイスブレイク。実践的なヒントとコツをご紹介します。


継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。



「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第17回



現在地





はじめに



私たちは人生経験から身についた
よくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。

「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。



・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ



全編でご紹介する道具(方法、スキル)をジム通いをするかのごとく
一つひとつ職場で実践しながら鍛えていきましょう


対話のスキルは筋肉のように日々動かす必要がある



ラポール・心理的安全性を形成する



3つの聴く態度/姿勢
自分らしく落ち着きと余裕を持てる
話を聞いて相手を否定したり、すぐにアドバイスせずに受け止める
話し手のものの捉え方・考え方・感じ方にそって理解しようとする



第4章 一人ひとりに合わせる



マネジャーとしてのあり方/やり方と1on1ミーティング



「1on1ミーティングの道具箱シリーズ」全24回予定の内、3分の2を修了し、第17回を迎えました。3分の2のポイントをふり返ってみましょう。


全体を大きく言えば、

氷山 (マネジャーとしての)やり方:あり方



傾聴のスキルなどマネジャーとしてやり方をご紹介するとともに、
あり方を考察しながら土台づくりから進めてきています。
                   ❕ 第13回をご参照ください。 


「現代経営学の父」と呼ばれる、ピーター・ドラッカー氏(経営学者)
によれば、全てのマネジャーに共通する具体的な仕事(能力)は


目標設定する
組織化する
動機付けコミュニケーション
評価する(フィードバック
人材開発する

ピーター・ドラッカー氏著「現代の経営(上)」



マネジャーに求められる能力を見ると1on1ミーティングはその縮図とも
言えるのではないでしょうか。

具体的に見ていきましょう。



「1on1ミーティングの道具箱シリーズ」のロードマップ



1on1ミーティング自体と「1on1ミーティングの道具箱シリーズ」を
具体的にふり返るロードマップをご覧ください。

①~⑤の仕事/能力および関連する
1on1ミーティングの成功に必要なポイントを包含しています。


=内容を紹介している「1on1ミーティングの道具箱」シリーズの回)


1on1ミーティングの意味 ※ 第1回
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で実施するミーティング
対話を重視
上司から部下に対してだけでなく、部下から上司への働きかけも可能

1on1ミーティングの目的 ※ 第1回
・部下の成長を促す
・組織力を強化する

1on1ミーティングの期待される効果 ※ 第1回
・部下との信頼関係
・部下の成長自律

1on1ミーティングの進め方 ※ 第6 ~ 第12回
・実施する目的を伝える +※ 第16回 ビジョンの力
・場所と時間を決める 
・部下に質問したい内容を決める
・アイスブレイク +※ 第17回
・フィードバックをする +※ 第19回
・記録をつける +※ 第13回
・継続して実施する +※ 第15回
・リフレクション(内省) +※ 第20回 or 第21回

1on1ミーティングを成功させるコツ ※ 第2 ~ 第12回
・コミュニケーションスキルを身につける
・部下の普段の様子や性格を把握する +※ 第14回

1on1ミーティングの注意点 ※ 第6 ~ 第12回
・上司が一方的に話さないようにする 傾聴
・目的に沿って無駄な時間にならないようにする

1on1ミーティングでの質問や話題の例 ※ 第13回
・普段の業務
・体調やメンタル面
・プライベートなこと
・今後のキャリア

1on1ミーティングに活用するツール
・スケジュール管理
・コンディション管理
目標/評価管理 ※ 第18回

どの回が印象に残っていますか? 今、実践しているスキルは何ですか?



上記のポイントを基に、
部下/メンバーの成長と自律に向けた考え方、方法、スキルを
中心に構成された1on1ミーティングのタイムライン全体図(参考例)を
見てみましょう。



「1on1ミーティングのタイムライン」の全体図



1on1ミーティングのタイムライン 参考例



部下/メンバーの成長と自律のため、「気づき」を「果実」とし 
”気づかせて引き出す” 考え方、方法、スキルを
主要素として構成しています。


今までの道程とこれからのポイントを含む全体像がイメージできましたか?



今回は にあたる
ビジネスコミュニケーションスキルにおいても有効な話法の1つ
アイスブレイクについて詳しくご説明します。



アイスブレイク

                       ❕=ポイント/注意点



緊張や不安からの氷のように張りつめて凍てついた状態


初対面だったり、慣れない初めての場だったりすると、どうしても緊張
不安で心も体も硬くなってしまいますよね。場も硬い雰囲気が漂います。
いきなり本題に入ると、相手は身構えてしまいます。

お互いの緊張や不安氷/アイスに例え、


アイス(氷)をブレイク(こわす)


アイスブレイク
その硬い氷/アイス(緊張や不安)をこわす溶かすことを意味します。


ビジネスシーンで、コミュニケーションスキルは欠かせません。
良好な人間関係を構築や、受注やプロジェクトの進行の促進に
有効です。アイスブレイクも同じく有効な話法の1つ。


アイスブレイクが使える場

♠ 教育(授業、体験学習)
♠ 仕事(会議、研修、面談、取引先との商談/交渉)
♠ コミュニティ(地域の集まり)
♠ 懇親(歓送迎会)


目的

♧ 和やかな雰囲気づくり
♧ 円滑なコミュニケーション(活性化/相互理解の深化
場や相手に対する安心感


ここでは、1on1ミーティングにおけるアイスブレイクをご紹介します。


トピック(雑談の例):


♦ オフィス周辺(駅、公園、レストラン)
♦ 承認
♦ 自己開示(微笑ましいエピソード)
♦ トレンド


世間話として勝手がよいテーマ アイスブレイクに困ったら、
とりあえずこの中から話題にできるものを探してみましょう。


・季節/気候
・趣味
・ニュース
・旅
・知人
・家族
・健康
・仕事


質問の力



質問の力 第9回・第10回・第10.5回をご参照ください


リラックスできるように、
雑談+クローズドクエスチョンで対話を始めましょう。


❤ 質問は対話への参加を促します。

質問に対して答えることで、相手が対話に参加するきっかけになります。例:最近○○ビルに◇◇店がオープンしたね。行ってみた?



1on1ミーティング自体を導入したばかりですと、ミーティングの冒頭
だけではなく、最後まで緊張感のある硬い雰囲気のままなことがあります。
アイスブレイク開始時に行うことが多いですが、途中で行うことも
あります。場を仕切り直したり、疲れてきたときにも行えます。



❤ 質問は会話を弾ませます。(共通点がなくても)

❤ 質問して、好感を伝えることができます。
 
相手が答えたくなるような質問をすることで、自然と相手との心理的距離縮め信頼関係構築につながります。


・相手が答えたくなるような質問

 - 相手がよく知っていること
  例:○○について詳しいですね。いつから○○しているのですか?
    - 得意な分野
  例:上手に○○するコツって何ですか?
 - 好きなこと
  例:○○を始めたきっかけは?
 - 気軽に答えられること
  例:出身地 出身校
 - すでに持っている経験や考え
  例:以前は、どのようなプロジェクトを?
 - 答えるのが楽しくなる
  例:目標を達成したら誰に報告したい?
    自分にどんなご褒美をあげたい?


訊いたら
(質問したら)聴きましょう!(傾聴)


❕ 非言語的メッセージにも十分に注意します。

NGなこと
・記録やメモなどから顔を上げない
・視線を合わせない。相手の顔を見ない。
・無表情。不自然な笑い

第7回「傾聴の姿勢を示す」をご参照ください。


アイスブレイクの注意点相手への配慮

NGなこと
・宗教や政治の話題
・過度なネガティブ表現
・ハラスメントに当たる言動



いかがでしたか?


話し手も聴き手もお互い緊張するものです。話しやすい雰囲気づくり
日ごろからの観察により相手に合わせた配慮を欠かさないようにします。



次回、9/4 第18回では

第4章 一人ひとりに合わせる 「目標・GROWモデル」
実践的な考え方・方法・スキルのヒントとコツをご紹介します。



「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して

複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。



ポイント



アイスブレイクは、居てもよい、話してもよい、安心できる場と雰囲気を作る



メッセージ



ステフィン・カリー氏 米国プロバスケットボール選手
NBAゴールデンステート・ウォリアーズ所属 No.30

             
               

あがる事も有るし、緊張もするし、不安にもなる。
でもそれは良いことなんだ。「来いよ」って準備ができたって事



with all of my thanks and friendship



お知らせ



「1on1ミーティングの道具箱」シリーズ 公開 お休みの予定日
                      (変更の場合あり) 
                 

9/18(日)10/9(日)



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