見出し画像

1on1ミーティングの道具箱 - 第11回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ 道具:話を深める③相づち/言い換え/要約

1on1ミーティングで部下の話を活性化したり、焦点を明確化する「相づち・うなずき、言い換え、要約」反応を示しながら聴くには?理解したことを共有するには?事実を確認するには?実践的なヒントとコツをご紹介します。傾聴の回も終盤。「傾聴の限界?」についてもお伝えします。

(最新記事メール送信サービスについては「おしらせ」をご覧ください)

継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。



「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第11回



現在地




第2章 ラポールを形成する



「傾聴」の限界?


1on1ミーティングの道具箱シリーズ 第6回から部下の話を聴くときに役立つ「傾聴」の態度・姿勢を初め、いろいろなスキルをご紹介しています。

これからもおすすめのスキルをご紹介していきますので、ここで皆さんと
改めて成功のカギとなる留意点を確認しておきます。

あまりスキルを使うことばかりを意識し過ぎると、形だけの機械的な
「傾聴」になってしまいます

相手(話し手)は、例えば、初期の「チャットボット(人間と疑似会話を行うプログラムなど)」と話しているように感じてしまうかもしれません。

最も大切な相手への共感や温かさを欠いて、むしろネガティブに作用してしまうこともあるでしょう。


人対人の対話 コミュニケーション


一方、


相手の反応(非言語的メッセージなど)は、あなた(聴き手)の状態を映す「鏡」ですので、相手の反応をしっかりと「観察していたら
その時点の自分と対話の状態に気づき修正できます。

うまく進めなければ相手に虚心に謝りまた仕切り直せばよいと、
私は考えます。


人対人の対話
です。私も含め完ぺきでないのが生身の人。
だからこそ、共感を覚えることができ、温かさを感じられます。

テクニックではなく、まず「素直に聴く」「相手の気持ちを理解する」を
心がけましょう。

あなたの1on1ミーティングです😊 Let's Have FUN‼



ラポール(信頼関係)+ 心理的安全性を形成するために
必須の「傾聴」


  - 聴き手が話し手との関係の中で

3つの態度/姿勢
自分らしく落ち着きと余裕を持てる
話を聞いて相手を否定したり、すぐにアドバイスせずに受け止める
話し手のものの捉え方・考え方・感じ方にそって理解しようとする


を「1on1ミーティングの道具箱」シリーズ全編を通して
自分の理解を深めながら、育てていきましょう。



・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ


を忘れずに、
役に立つスキルを練習しながら、身につけていきましょう。



「気負いや深追いは禁物」(わたしのモット― )



1on1ミーティングで話を深める 
相づち・うなずき、言い換え、要約



傾聴の「態度・姿勢を示す」「観察」「質問」の次にご紹介するのは
対話を活性化したり焦点を明確化する
相づち・うなずき、言い換え、要約

1on1ミーティングでの「傾聴の3つの態度・姿勢」を体現する重要なスキル

詳しく見ていきましょう



相づち・うなずき 

                     


❕=注意点

相づちを返したり、うなずいたりして、話し手の発言を促す

傾聴していることを相手に分かりやすく伝える最良の方法

相手のペースに合わせて返す(ペーシング
 - ポジティブな話 テンポよく
 - ネガティブな話 ゆっくりとうなずき、静かに相づちを打つ


励まし


相づち

「へぇ~」「そうですね」などの短い言語的反応
相手に合わせたテンポやタイミングで、気持ちをこめて伝える
話をさらに進める上で、流れにリズムをつける

❕ NG

・多すぎ  ⇒ 事務的、流れ作業的に受け取られる
・気持ちがこもらない「フンフン」 ⇒ 話が止まってしまう


うなずき

首を縦に振る非言語的反応
あなたが心のこめてうなずいてくれるだけで、相手は安心して
次のことばが出やすくなる



言い換え



相手(話し手)の用いたことばを別の表現に置き換える

相手の話から感じ取ったことや、理解したことを
聴き手のことばで返す

同じような意味をもつことばに置き換えるだけでなく
「○○といった感じでしょうか?」「○○と考えてよいでしょうか?」
理解したことを具体化する


メッセージを正確に共有


❕ 
「オウム返し」(ことば通り、相手の発したことばを聴いたまま繰り返す)は、日常でも、1on1ミーティングでも不自然になりがち。
簡単に見えて、かえってむずかしい。
自然な表現で返したり、「言い換え」たりするとよいでしょう。


聴き手にとっての利点

・相手のメッセージを正しく理解できているかを確認できる
・相手のメッセージをより具体的に理解できる


例 A:
あなた「それは、自分でも驚いたということでしょうか?」
相手「えぇ、そうなんです」

例 B :
あなた「それは、自分でも驚いたということでしょうか?」
相手「いえ、驚いたというより、むしろ腹が立って… 」


例 Bのように違う反応が返ってきた場合は聴き手の理解を修正しましょう。謙虚な態度・姿勢で「もう少し詳しく話してもらえますか?」と
相手の話を促して、正確なメッセージを共有できるよう心がけましょう。


話し手にとっての利点

・しっかりと話を聴いてもらっていると実感でき、安心できる
・あいまいな部分の明確化。言いたいことを整理しながら話を進められる



要約



最後まで話を聴いた上で、(話がひと段落したところで)

話のエッセンスを確認する

話の要点を聴き手が整理して返す

「最も優先したいことは○○なのですね」
「○○へ進みたいと考えているのですね」
相手が最も伝えたかったことを確認する


焦点を明確に


例 C:
あなた「ここまでの話を整理すると、プロジェクトの進捗管理
    に不安があるということでしょうか?」
相手「はい。その通りです」

例 D:
あなた「ここまでの話を整理すると、プロジェクトの進捗管理
    に不安があるということでしょうか?」
相手「まぁ、そんな感じかな…」


例 Dのような曖昧なことばが返ってきたときは納得していないサインかもしれません。非言語的メッセージを含め、丁寧に確認する必要があります。
「間違っていたら、教えてもらえますか?」と、謙虚な態度・姿勢で
訂正あるいは補足してもらいましょう。


話の要旨を整理して返すことで、相手は頭の中が整理され効果的に話を
進める
ことができ、焦点に意識が向くので話が横道にそれるのを防げます



いかがでしたか?

・反応を示しながら聴く
・理解したことを共有
・事実を確認

話を聞きっぱなしにしない要約を伝えっぱなしにしないこと。



次回、第12回では

「1on1ミーティングのタイムライン(例)」に沿って

「聴く姿勢」を土台に相手の話、ストーリーを深めていくスキル

④反射をご紹介します。


「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して

複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。



ポイント



相手のメッセージに反応を示す。聴き手のことばで返す。聴き手が整理して返す。



前回の #10.5  "Quiz & FUN"



訊いたら聴く。あなたの聴くときのクセは何ですか?


この問いを考えながら自身の1on1ミーティングをふり返る。


聴くときのクセ(例)

・ 言いたいことや、訊きたいことがあると、相手の話に割り込む
・「実はわたしも」「私なら」などと、すぐに自分の話を持ち出す
・「あっそう」「ふ~ん」「はい、はい」などのあいづちが口癖
・ 作業をしながらの ”ながら聞き” が多い
・「でも」「だけど」をよく使う
同意できないときは、自分の感情が表情に出やすい
・「それで?」「だから?」「結論は?」と相手の話をせかしてしまう
・ 相手が黙っていると、待ちきれず「それは○○ですね」と先回りする
・ 話をしている人の気持ちより、話の内容に集中している
・ 共感したとき、「わかる、わかる」とよく言っている

いくつ思い当りますか?



次回のテーマ



相手の話を深めていくスキル ④反射



#11 Quiz & FUN



あなたの聴くときのクセを修正するには? 何が必要か?




次回までに考えてみましょう!



メッセージ



バラの逸話 『The Inner Game of Tennis』ティモシー・ガルウェイ著 photo by MEGUMI



バラの逸話

僕たちはバラの種を植える時
小さな種だからと言って
馬鹿にしたりしないだろ?

水をやり、肥料を与えて
育てるじゃないか。

君たちは未熟で未発達なことを
馬鹿にしたりするけども
これから育っていく彼らを
評価するには早すぎるんだ


今の彼らは種
可能性そのものなんだよ



with all of my thanks and friendship



お知らせ



1)
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズ 公開 お休みの予定日
                      (変更の場合あり)                  

 7/17(日)8/14(日)9/18(日)10/9(日)

2)
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズをお読みいただきありがとう
ございます。皆さまにお忙しい中より続けていただけやすいようにと、
note未登録ユーザーの方がたのお声をヒントに、
最新記事のメール送信サービス(無料)をご提供しています。

ご希望の方はお手数ですがホームページの「お問い合わせ」⇓ から
その旨お伝えください。こちらから配信登録のご案内メールを送信します。
メールの受信拒否設定をされている方は @diarymentorhara.com
ドメインからのメールを受信できるように設定をよろしくお願いします。




おすすめの記事



組織運営とマネジメントについて総合的に学びたい方へ 
"WorkStyle" シリーズ 


苦手な相手って、もしかして⁈




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?