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1on1ミーティングの道具箱 - 第23回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ:メンターになろう

仕事のパフォーマンスを高めたり私生活を充実させたりするメンタリングは1on1ミーティングでも役立ちます。メンタリング関係は双方向。学ぶ姿勢を示すことはどちらにもポジティブなエネルギーをもたらします。メンターをどのように見つけたらいいか、どう関係を築いたらよいのかご紹介します。


継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。



「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第23回



現在地





はじめに



私たちは人生経験から身についた
よくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。

「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。



・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ



全編でご紹介する道具(方法、スキル)をジム通いをするかのごとく
一つひとつ職場で実践しながら鍛えていきましょう



対話のスキルは筋肉のように日々動かす必要がある



ラポール・心理的安全性を形成する



3つの聴く態度/姿勢
自分らしく落ち着きと余裕を持てる
話を聞いて相手を否定したり、すぐにアドバイスせずに受け止める
話し手のものの捉え方・考え方・感じ方にそって理解しようとする



「1on1ミーティングのタイムライン」の全体図



参考例



部下/メンバーの成長と自律のため、「気づき」を「果実」とし
”気づかせて引き出す” 考え方、方法、スキルを主要素として構成



最終章 スキルを日々実践する



メンターになろう

                                                                                             ❕ ポイント/注意点



メンター MENTORとは



辞書では

優れた指導者。助言者。信頼のおける相談相手


ビジネスでは

自身が仕事やキャリアの手本となって、新入社員や若手社員に
助言・指導をし個人の成長や精神的なサポートをする人

❕ 指導や支援を受ける側=メンティ


メンタリングの種類

・社内制度
・対等な仲間/同僚同士(ピアメンタリング/コ・メンタリング)
・ベテランと初心者
・世代の離れた者同士
・大人と子ども など



今回は社内制度によるメンタリングではなく、個人対応、非公式
職務上の要件を超えたボランティア活動のメンターについてお伝えしたい


メンタリングが仕事のパフォーマンスを高めたり
私生活を充実させたりすることはすでに調査からも明らか

メンター側にもメリットがあります。
「教えることは2度教わることと同じ」だからです



1on1ミーティングで、あなた/マネジャーは部下の話に耳を傾け、
時には問いかけ、彼ら/彼女らへの関心を示さなければなりません。

例えば、どのような仕事をしたいのか、どのようなテーマに興味があり、
どのようなスキルを開発・育成したいのか。

それらを把握し、相手のタイプを理解した上で、いろいろなロール・モデルや人物を紹介し、相手が自分にふさわしい相談相手に出会ったら、その人物へのメンターの依頼を手助けするのも育成にとても役立つでしょう。

部下たちはキャリアは自分で管理する方法を学ばなければなりません。

同僚と互いにメンタリングし合うコ・メンタリングには自分のキャリア開発は自分で責任を持つことを自覚させる作用があります。
また部下同士が協力して仕事をするチームワーク醸成の土台を築けます。



こうしたメリットにもかかわらず、メンターをどのように見つけたら
いいか、どう関係を築いたらよいのかわからない人が多いです

皆さんはいかかですか? ぜひ参考にしてみてください!



メンターの見つけ方



図 1




.  自問する
  ・人生のどんな時期?上向き?伸び悩んでいるか?
  ・目指す方向がわかっているか?
  ・人から学ぼうという気持ちはあるか?

. メンターは必ずしもあなたの目指す分野の人でなくてよい。
   求める最も重要な資質は何か、予め考えておく

. 知人の知人など二次のつながり、元上司、先輩、同窓生、先生/教授
   友人、家族、業界団体、ボランティア団体など

   例:わたしの現在のメンターは最後の元上司😊

. メンター候補に対してマナーを守る
   相手を圧倒するような長文のメールなどは避ける

. 初回の面談では方法論より個人的な側面を優先する。
   価値観性格(相性)は合うだろうか?直感を大切にする

   少しでも違和感を感じるなら良い組み合わせとは言えない。
   メンター候補に必ずお礼を言おう。結果がどうであれ
   時間を割いてくれたことはたいへんな厚意なのだから


※ メンティを見つける場合にも有効



わたしがメンタリングプログラムに取り組むのを後押ししてくれた
ケン・ブランチャード氏とクレア ディアス=オーティス氏の著作である
「1分間メンタリング」
そこから引用した実践的なモデル(一部抜粋)をご紹介します。



MENTOR モデル



メンタリングの成功に必要な6つのカギを確認していきましょう。


MISSION ミッション(メンタリングの目的)を定める



【アクション】


ビジョンと目的を定めよう
メンター/メンティが協力していく上で不可欠である


💡 どんな人間関係においても明確なミッション・ステートメント
をつくることが、成功への第一歩である


📝(メモ)

価値観が一致するメンター/メンティを見つけることが大切

・自分自身の考えを整理するためにも、メンタリングの方向性を導くため
 にも、何を得ようとしているのか簡潔なミッション・ステートメント
 を作成しよう(双方合意

・メンタリングはメンター/メンティの双方に利益をもたらす。
 メンティもまたメンターに知識やアイデアを提供できる



ENGAGEMENT 絆を深める



【アクション】


自分たちの性格とスケジュールに合った連絡方法を決めておこう


💡 スマホやネットなどのデジタル経由でもいいから、少なくとも
週1回は連絡をとり合うと約束しよう


📝
・どのような形で連絡をとり合うのが、二人の性格に一番ピッタリ
 くるだろうか。

・メンタリングでは、臨機応変にデジタルで連絡をとり合う一方、
 事情が許せば対面で直に話し合う、という両面作戦が求められる



NETWORK 人脈を広げる



【アクション】


メンター/メンティの人脈を使って、自分の人脈を広げよう
ただし、紹介された相手との交流では丁寧さを忘れずに


💡 実りある人間関係を広げていくことが、成功の大きな鍵である


📝
・人脈づくりはお互い様。メンターだけでなく、メンティも人脈を広げる
 手伝いができる

・メンター/メンティから人を紹介されたら、連絡は慎重かつ丁寧に進める
 ことが大切

・紹介による人脈づくりは、1対1の接触だけに限らない。SNSなどの1対多の
 人脈も、ときには有効



TRUST 信頼を築く



【アクション】


本当のことを話し連絡を絶やさず信頼に応えることで、
パートナーとの間に信頼関係を築きあげ維持していこう


💡 信頼関係を築くには長い時間がかかるが、失うのは一瞬である


📝
・メンター/メンティが親しくなったら、お互いへの信頼を深めていこう

・コミュニケーションが途絶えたら、すぐに対策をとること。でないと
 信頼関係は崩れてしまう

・メンタリングでは、事実は正直に明瞭に伝えることが信頼関係を強め、
 二人の関係を一段高いレベルへ引き上げてくれる



OPPORTUNITY チャンスをわかち合う



【アクション】


メンティ/メンターに、成長のチャンスをつくってあげよう


💡 メンタリングを始めると、私生活でも、仕事面でも、
メンター/メンティを持たない人には得られないチャンスが巡ってくる


📝
メンタリングは双方向であり、メンターもメンティも等しく相手に
 チャンスを与えることができる

・世代の違う同士のメンタリングは、長い経験に裏打ちされた知識と、
 最新の知識とを交換することで、チャンスを生み出す強力な方法になる

・周知のとおりデジタルメディアはネットワークの可能性をかつてなく
 広げており、メンターにもメンティにもより多くのチャンスをもたらす



REVIEW & RENEWAL 振り返り、新たにする



【アクション】


定期的に時間をとって、これまでの進歩を振り返り
パートナーとの関わり方を新しいものに変えていこう


💡 ミッション・ステートメントがないと目標に到達できないが、その目標に到達できたかどうかは定期的に振り返りを行わないとわからない


📝
・例えば、年1回というように、振り返りの予定を決めておけば、メンター
 もメンティも軌道から外れずに済む

・振り返りを確実に実行できるよう、ミッション・ステートメントが
 できあがった時点で、予定を決めておこう

・振り返りによってミッションが実現されていないことがわかったら、
 目標達成に向けて戦略を練り直そう



個人対応メンタリングの流れのイメージはいかがですか?



メンターの燃え尽きの要因と予防法



図 2



調査によると、優れたメンターは他者への共感や思いやりの面で秀でているが、境界線を引く制限を設ける必要なセルフケアをするといったことが難しい人もいます。その結果、燃え尽きやすい傾向があります

これらのリスクはメンタリング関係やメンティの成長にマイナスの結果
をもたらす恐れがあります

自己認識セルフケアの模範としてよく考えて弱さ/不完全さ自己開示
行い、メンティがこれらの重要なスキルを習得できるようにしましょう



いかがでしたか?



次回、10/30 最終回

最終章 スキルを日々実践する 「思いやり+?」
マインドセット/心のあり方、考え方をご一緒に考えていきます。



「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して

複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。



ポイント



メンタリング関係は双方向。学ぶ姿勢を示すことはどちらにもポジティブなエネルギーをもたらす



メッセージ



ジャック・ウェルチ氏 米国実業家 (1935年-2020年) 1981年から2001年にかけて
ゼネラル・エレクトリック社 GE の最高経営責任者を務め「伝説の経営者」と呼ばれた



最高のメンター関係とは、会社が作る制度のような形式ばったもの
ではない


社内の人間であろうとなかろうと、同じ仕事についていようが
いまいが、そんなことにこだわらなくていい。
関係は数週間のものかもしれないし、一生続くものかもしれない。
友情に発展することもあれば、純粋に実用的で終わる場合もあるだろう。

いずれにせよ、喜んで教えてくれる人からあらゆる機会を捕らえて
学ぶこと
。それこそが真のメンターとの関係だ。



with all of my thanks and friendship



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