Vol.31_『心理的安全性』について学習してみた(その5)(最終回)
こんにちは。
やってきました紅葉の季節。色づいてくる山々を見ていると無性にドライブしたくなります。週末が待ち遠しい…。
さて、6回に亘って(誰も待ってはいないが)お届けしてきた"心理的安全性"に関する『WEB労政時報』の記事について、今回が最終回です。これまでの記事で述べてきた考え方や位置づけ等を整理しながら、具体的な取り組みについて書かれています。
実際、理論や考え方は理解できても実践できないということはよくある話。具体的な取り組み例は大変参考になるのであります。
『WEB労政時報』記事はこちらです。↓
(本投稿記事中の引用は、すべてこの記事から行っています。)
1.心理的安全性をつくるにあたって
筆者は心理的安全性をつくるときの留意点として、以下の6点を挙げておられます。
【心理的安全性をつくる時の留意点】
心理的安全性をつくることを目的化しない
目的を意識して、内側からつくる
小さな成功体験(Quick Win)をつくる
心理的安全性の正しい知識をインプットする
”変われること”を信じる
チーム一丸となってつくる
あらかじめこのようにポイントが整理されていて、それを意識した活動が展開できれば、その取り組みはとても質の高いものになるのではないかと思います。参考にしたいと思います。
私が特に注意したいのは、1.心理的安全性をつくることを目的化しない、5.”変われること”を信じる、6.チーム一丸となってつくる
1.は、”心理的安全性をつくって何を実現したいのか?”というところまで考えるということ。そうしないと、『ぬるま湯的な仲良しクラブへまっしぐら』という事態に陥りかねない。
5.は、記事では、活動を推進する事務局に求められていたけれど、この活動にはかなりの困難が待ち受けていると思われ、事務局だけでは活動を支えきれないこともあるやもしれません。そんな時に必要なのは、経営者が変われることを信じて事務局の背中を押すこと。そういう意味で、経営者も信じて取り組んでほしいですね。
6.は、『体育会系バレーボール部かっ!』と突っ込みたくなりますが、メンバーシップの大切さを職場に浸透させながら進めたいですね。『リーダーの仕事』とした瞬間に、この取り組みのハードルがぐんっと上がってしまう気がします。
2.取り組みの階層と取り組み例
筆者は、心理的安全性をつくる具体的取り組みを、3つのレベルに分けて以下のように整理してくれています。
これも大変ありがたい整理ですね。このように列挙されている中から自社に合った取り組みを適正な範囲で展開する、、、成功のための条件だと思います。是非参考にしたい。
筆者は、『トップが心理的安全性を適切に理解して、行動に移していくことが変革の肝である』と言い、『トップから働きかけるほうが心理的安全性を組織に醸成させるには近道である』と言います。
通常はそうでしょう。しかし、一番高そうなハードルから越えようとするのは心理的にしんどい話になりますし、トップのリーダーシップがさほど強くない企業では、職場レベルの取り組みが肝になることもありえます。また、いずれはトップの変革を求めるにしても、まずは職場や個人レベルに対し、心理的安全性の取り組みを受け入れる地ならしをしておきたい、と考える場合もあるかな…と思います。
ですので、企業ごとの状況、事務局のパワー、とっつきやすさなどから、どのレベルから着手するかは選択しても良いかも知れませんね。
職場・チームレベルの取り組みについても、筆者は以下のようにわかりやすく整理してくれています。
これらの取り組みについて筆者は、『取り組みの順序を理解せずに拙速に取り組んでしまうことには一抹の不安が残る』と言い、『企業文化や現在のチーム状態を十分に見極めた上で、どのように取り組むかを検討してほしい。』と言います。
例えば、世の中「1on1」で持ちきりですが、「みんなやってるし…」的なノリで、その効果や工夫などそっちのけで導入してしまう、こんなことに警鐘を鳴らしておられます。全く同感です。
また、個人レベルの取り組みについても、『心理的安全性の構築は、目に見えない対人不安や対話のプロセスを重視するため、技術スキルではなく個人の認知やマインドセットの変革に焦点を当てていくことが大切だ。』と述べておられます。
これも含蓄あるコメントです。我々はどうしてもテクニックに走ってしまいがち。理論的に隙きのない制度、工夫をこらした運営しやすい制度、こういった仕組みの構築に重点を置きがちだけれど、個人の認知やマインドが変わらなければ、やらされ感満載の取り組みになりかねない。
3.心理的安全性は難しい
筆者は最後にも、とても印象的なコメントをされています。
『これほど知識と実践のギャップが大きい取り組みはないかも知れない』
言葉や概念に対しての誤解が多いということと同時に、正しい知識を理解はしても実際に心理的安全性を構築することは大変難しいということ。
なぜ難しいのか…
心理的安全性を拒む『対人不安』というものは、人と関わる以上つきまとうもので排除ができないということ
技術的課題ではなく「適応課題」であるということ
だからこそ、リーダーもメンバーも日々実験思考で試行錯誤しながら取り組むことが重要とのこと。。。
そうなってくると、そういった取り組み方(実験思考の試行錯誤)をさせてもらえるような企業風土も必要ということになる……💧
やっぱり、心理的安全性をつくることはとってもハードルが高いのであります。
4.最後に
6回にわたって投稿してきましたが、当初自分の中で全く受け入れられなかった心理的安全性について、多少は受け入れることができ、理解を深めることができたように思います。
久しぶりにちゃんと勉強した…笑
今日はここまで。
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