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Vol.23_真実とは解釈であり、唯一絶対の正解ではない…らしい。

こんにちは。
暑い暑いと言っても涼しくなるわけではありませんが、暑いっ!暑さにも寒さにも弱い私にとっては、今後数ヶ月は毎年修行のような苦しみを味わう時期であり、正直憂鬱です…(*_*;

さて、修行と言えばnoteの執筆…笑。今回は『ものの捉え方』について、偉そうにも所感を述べていきたいと思います。

お付き合いください。


1.ある出来事

ある時、関係会社の役員と雑談していたら、とある社員の評価が話題となりました。お世辞にも優秀という評価は聞いたことがなく、私が総務部長をしていた時代にも、些細なことではありますが、直接的なやり取りの中で首を傾げる出来事が数回あり、正直なところ私自身の評価も芳しくありませんでした。

ところが、該当社員と仕事上のつながりがあるその関係会社の役員は見方が違っていて、低い評価であることを認識しつつ、『当該社員は誤解されていることも多く、顧客からは真逆の評価がある』といったことを滔々と語るのです。そして、ある方向で育てれば必ず光る人材だと言うのです。

『どっちが本当なんだ…?』

同じ人物を対象としているとは思えない両極端な評価を目の当たりにして、私はかなり困惑しました。人事経験が長い私はすぐに「もしや、人事評価が間違っているのか…?」という思いが頭をよぎりました。もし会社の評価が間違っていて、その人材を活かせなかったり、最悪手放すようなことあっては大きな損失となります。なにより当該社員はとても苦しんでいるであろうし、生き生きと仕事ができているとは思えません。

「実際、どっちの評価が正しいんだろう…」とモヤっとした気持ちで雑談の時間を過ごしたのです。

2.インド発祥の寓話

上述の出来事と時を同じくして、(確かnoteだったはずなのですが)『群盲象を評す』というインド発祥の寓話を紹介しながら、様々な教訓を解説した良記事に出会いました。(執筆者様、申し訳ございません。“スキ”はさせていただいたかと思いますのでご容赦ください。)

ある日、6人の盲人が象を触ってその正体を突きとめようとした。一人目は象の鼻に触り、「象とは蛇のようなものだ」と言った。二人目は象の耳に触り、「象とはうちわのようなものだ」と言った。三人目は象の足に触り、「象とは木の幹のようなものだ」と言った。四人目は象の胴体に触り、「象とは壁のようなものだ」と言った。五人目は象のしっぽに触り「象とはロープのようなものだ」と言った。六人目は象の牙に触り、「象とは槍のようなものだ」と言った。それから六人の盲人たちは長いこと大声で言い争い、それぞれが自分の意見を譲らなかった。

自分が知っていることは全体のうちのほんの一部でしかないという自覚がなく、逆に知っている一部分が全体であるかのような錯覚に陥ってしまうということへの戒めの話です。(他にも色々解釈はあるようですが…)

3.真実は多様だっ!

寓話からはたくさん教訓を得ることが出来ると思いますが、その一つは『真実の多様性』だと思います。この『真実』について、わかりやすい解説を見つけました。

事実とは、実際に起こったうそ偽りのない事柄のこと。
真実とは、事実に対する偽りのない解釈のこと。

2020/02/15 東洋経済ONLINE『なんとなく使う「事実と真実」の正しい使い分け』より

真実とは「事実に対する偽りのない解釈である」とあります。ご紹介した寓話でいうと、6人の盲人たちはそれぞれが触った感触から偽らざる解釈をしたという意味ではそれぞれの主張は真実です。つまり、象とは、蛇のようでもあり、うちわのようでもあり、木の幹のようでもあり、壁のようでもあり、ロープのようでもあり、槍のようなものでもある、ということです。

このように、真実には多様性があり、全体は多様な真実で構成されているということ。時には矛盾していたり、全く無関係であったり、似て非なるものだったり、そういった整合性が取れない様々な真実で全体は成り立っている。個別の真実に振り回されたり、他の真実を受け入れず排他的な行動を取って総合的な判断を誤ったりしないためにも、『真実とはそういうもの』という意識を常に持っていたいな…と思ったのです。

また、矛盾するかのような個別の真実(解釈)を統合し、全体を一つのまとまりとして見る、そんなことも身につけることができたら…と思うのです。

4.さて、件の社員のこと…

冒頭お話した社員の評価の件、人事評価の妥当性については今回の記事の主眼ではありませんので置いておくとして、学んだのは『それもこれも彼の一部分である』ということ。プラスの評価もマイナスの評価も、ぜ~んぶひっくるめて『彼』なのだということ。

そう考えたなら、彼の今後の処遇を考える時には、強みを生かすポジションの探索や弱みを克服する取り組みの検討などに目が行き、ある一面の評価に基づいた左遷的な配置転換ではなくなってくるのではないかと思うのです。

本人にしても、プラスの評価もマイナスの評価もきちんとフィードバックを受け、その上で今後の仕事の仕方や期待することなどを伝えれば納得感は増すものと思われます。

5.最後に

長くなったので、本日はここまで。(-_-;)

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