1on1ミーティングの道具箱 - 第18回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ 道具:目標/GROWモデル
環境と価値観が大きく変化する現在。現状維持や昨日と同じ今日の幸せを感じる人が増えているのは無意識に変化/不安と格闘しているのかもしれません。あなたの部下は?マネジャーには部下の不安を解消しながら正しく目標を設定し主体的な成長を後押しするコーチング/メンタリングが求められています。1on1ミーティングで目標達成を加速させるヒントとコツをご紹介します。
継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。
「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第18回
現在地
はじめに
私たちは人生経験から身についた
よくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。
全編でご紹介する道具(方法、スキル)をジム通いをするかのごとく
一つひとつ職場で実践しながら鍛えていきましょう。
ラポール・心理的安全性を形成する
マネージャーの「目標設定」
全てのマネジャーに共通する具体的な仕事(能力)は
①目標を設定する際に注意するポイント
マネージャー自身の目標は、部下の目標設定に影響します。マネジャーの
役割に基づいており、部下への影響も考慮した上での、適切な目標が不可欠
♧ 目標設定の明確化 (部下にとっても)
・具体的でわかりやすい
・目標が高すぎず、低すぎず
・数値化と期限付き
(誰が見ても理解でき、実行に移りやすい。達成率の測定やふり返りが可)
・達成するための方法が明確
♧ モチベーションアップ
♧ 人材育成
♧ 経営目標に基づいた目標設定
1つの部署/チーム、1人の部下という行動ベースではなく、
組織全体が進む方向を意識して設定を心がけましょう。
マネジャーは部下の目標を管理するのも重要な役割の1つ。
マネジャー、あなたが示した目標について、部下が共通の認識を持つこと、つまり、紐づけが成功の生命線です。
部下の目標を管理するポイント
・部下とコミュニケーションをとる
・部下に具体的な行動を示す
・結果だけでなくプロセスも重視
・一定期間ごとのフィードバック
・目標達成の度合いについて評価し、継続的にフォローアップ
部下の目標管理には成長を促す目的もあるため、しっかりと
コミュニケーションをとれば、課題点を把握するだけではなく、
プロセスごとの適切なフィードバックができます。
部下の理想像を実現するためのサポートをするコーチング/メンタリングが
必要不可欠であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
では、
部下一人ひとりの「目標設定」を活かす1on1ミーティングにおいて活用
できるビジネスコーチングの代表的フレームワークを見ていきましょう。
第4章 一人ひとりに合わせる
「1on1ミーティングのタイムライン」の全体図
目標管理と1on1ミーティング
1on1ミーティングにおける
コミュニケーションの活性化がコミットメント(責任/約束)の向上に
つながり、このコミットメントの向上が目標達成につながります。
1on1ミーティングは短いペースで定期的に実施されるので、そのたびに
上司から的確なフィードバックを得ることができます。
1on1ミーティングだからこそ
1人では気づかなかったり、行き詰ってしまう問題を早期に発見、
軌道修正/目標を見直し、解決でき、目標達成の確立がグンと上がります。
信頼関係/心理的安全性のもと、
傾聴、引き出すコミュニケーションだけではなかなか進まない
目標達成に向けた
ビジネスコーチングの代表的なフレームワーク「GROWモデル」
を活用して部下の目標達成へ着実に加速させていきましょう。
GROWモデルとは
GROW、一つひとつの段階と流れを見てみましょう。
GOAL 目標の設定
「具体的にどうなりたいか」を定量的な(明確な数字)に落とし込む
モチベーションを維持しやすくなるよう
「なぜ?」「○○さんは何が得られるのかな?」と具体的にしていく
部下が自ら責任の下で納得する目標を持つために、
上司から目標を押しつけない
REALITY 現状の把握
具体的に現状について訊いて、洗い出す
数値や範囲、程度を一つひとつ洗い出し、ギャップを明らかにしていく
RESOURCE 資源の発見(使える資源)
REALITYに加えて、さまざまなバリエーションの1つ
1on1ミーティングにおいて目標設定や目標達成のためには
上司からのアドバイスや支援が必要
「上司がもつ内的リソース」
能力・知識・成功/失敗の経験など
「外的リソース」
協力者・社内外から得られる情報、時間、お金など
をヒントとして提示することも有効です。
OPTION 選択肢の列挙
目標とのギャップを埋めていくための考え、アイデア、方法を
部下本人からできるだけ多く引き出し、一緒に検討しながら挙げていく
判断や制約を設けず
ブレインストーミングのように自由なアイデアを促す
WILL 意志の確認
どれを実行するかを本人が選択、決定。
「やってみたいのは?」「やれるのは?」と問いかけ、待ちます
実行へのコミットメント(責任/約束)、主体性、育成のため
上司の考えや判断を押しつけない。部下が主体で一緒に作成
6W1Hを使って具体的な行動計画まで落とし込む
その際に上司に対する「支援の要望」についても考えてもらう
一人ひとりに合わせる
皆が同じように伸びたいとか成長したいとか望んでいるとは言えず、
現状維持やモチベーションが低いと見受けられる部下もいるでしょう。
新入社員や転職したての方を初め、
それぞれの状況に合わせ、指示と支援の塩梅を加減し
ちょうど良いかかわり方/育成によって
モチベーションを高め、成長をサポートする手立てを見出していくことが
必要不可欠。(第14回「一人ひとりを見る、知る、合わせる」参照)
焦らず「待つ」ことも
マネジャーに求められる”勘どころ”ではないでしょうか。
いかがでしたか?
次回、9/11 第19回では
第4章 一人ひとりに合わせる 「フィードバック」
実践的な考え方・方法・スキルのヒントとコツをご紹介します。
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して
複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。
ポイント
メッセージ
with all of my thanks and friendship
お知らせ
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズ 公開 お休みの予定日
(変更の場合あり)
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