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1on1ミーティングの道具箱 - 第18回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ 道具:目標/GROWモデル

環境と価値観が大きく変化する現在。現状維持や昨日と同じ今日の幸せを感じる人が増えているのは無意識に変化/不安と格闘しているのかもしれません。あなたの部下は?マネジャーには部下の不安を解消しながら正しく目標を設定し主体的な成長を後押しするコーチング/メンタリングが求められています。1on1ミーティングで目標達成を加速させるヒントとコツをご紹介します。


継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。



「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第18回



現在地





はじめに



私たちは人生経験から身についた
よくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。

「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。



・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ



全編でご紹介する道具(方法、スキル)をジム通いをするかのごとく
一つひとつ職場で実践しながら鍛えていきましょう



対話のスキルは筋肉のように日々動かす必要がある



ラポール・心理的安全性を形成する



3つの聴く態度/姿勢
自分らしく落ち着きと余裕を持てる
話を聞いて相手を否定したり、すぐにアドバイスせずに受け止める
話し手のものの捉え方・考え方・感じ方にそって理解しようとする



マネージャーの「目標設定」



❕ 今回は特に
担当するマネジャー対象の研修、ワークショップやメンタリングにおいて
受講者/メンティの方の多くが ”知ってるつもり” ”やってるつもり”ではあるが、実際は ”そうでもない” ポイントに焦点を当てた内容構成です。



全てのマネジャーに共通する具体的な仕事(能力)は


目標設定する
組織化する
動機付けコミュニケーション
評価する(フィードバック
人材開発する

ピーター・ドラッカー氏著「現代の経営(上)」


①目標設定する際に注意するポイント

マネージャー自身の目標は、部下の目標設定に影響します。マネジャーの
役割に基づいており、部下への影響も考慮した上での、適切な目標が不可欠

目標設定の明確化 (部下にとっても)


・具体的でわかりやすい
・目標が高すぎず、低すぎず
・数値化と期限付き
(誰が見ても理解でき、実行に移りやすい。達成率の測定やふり返りが可)
・達成するための方法が明確



「何を」「いつまでも」「どうやって実行するか」の観点で、もれなくわかりやすく設計する手法


♧ モチベーションアップ

人材育成

♧ 経営目標に基づいた目標設定

1つの部署/チーム、1人の部下という行動ベースではなく、
組織全体が進む方向を意識して設定を心がけましょう。



マネジャーの重要な役割の1つ:コネクティングリーダー
組織としてどこを目指しているのか」方向性を共有
自分たちがどこに向かっていて、向かう先にいくためには部下一人ひとりの業務や役割が必要であることを認識してもらうことが必要です。
マネジャーは組織の大動脈として、経営者層から共有された
組織のビジョン、ミッション、バリュー部下が理解できるよう
分かりやすいことばや表現にできる限り翻訳、咀嚼して
伝えていかなければ、部署/チームや部下の”壊死”に
つながってしまうかもしれません。

第16回「ビジョンの力」ご参照ください



マネジャーは部下の目標を管理するのも重要な役割の1つ。



❕ 新入社員や転職をしたばかりの方によくあるケースですが、
   部下が仕事の目標を思いつかない主な原因は
    ・組織のビジョンがよく分からない
    ・自分の役割が認識できない
    ・将来のキャリアのイメージがない
    ・難易度が高い目標設定のため未達
    ・モチベーションが低い

組織/部署/チームが目指す方向性やビジョン、仕事の役割、今の仕事で期待されている点、
数値目標をしっかりと説明する



マネジャー、あなたが示した目標について、部下が共通の認識を持つこと、つまり、紐づけが成功の生命線です。



3つが重なり合った★目標や仕事/業務



部下の目標を管理するポイント


・部下とコミュニケーションをとる
・部下に具体的な行動を示す
・結果だけでなくプロセスも重視
・一定期間ごとのフィードバック
・目標達成の度合いについて評価し、継続的にフォローアップ


部下の目標管理には成長を促す目的もあるため、しっかりと
コミュニケーションをとれば、課題点を把握するだけではなく、
プロセスごとの適切なフィードバックができます。

部下の理想像を実現するためのサポートをするコーチング/メンタリング
必要不可欠
であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。


では、
部下一人ひとりの「目標設定」を活かす1on1ミーティングにおいて活用
できるビジネスコーチングの代表的フレームワークを見ていきましょう。



第4章 一人ひとりに合わせる



「1on1ミーティングのタイムライン」の全体図



参考例



部下/メンバーの成長と自律のため、「気づき」を「果実」とし
”気づかせて引き出す” 考え方、方法、スキルを主要素として構成。



目標管理と1on1ミーティング



1on1ミーティングにおける
コミュニケーションの活性化コミットメント(責任/約束)の向上
つながり、このコミットメントの向上が目標達成につながります。

1on1ミーティングは短いペースで定期的に実施されるので、そのたびに
上司から的確なフィードバックを得ることができます。

1on1ミーティングだからこそ
1人では気づかなかったり、行き詰ってしまう問題を早期に発見
軌道修正/目標を見直し
解決でき、目標達成の確立がグンと上がります。


信頼関係/心理的安全性のもと、

傾聴、引き出すコミュニケーションだけではなかなか進まない
目標達成に向けた
ビジネスコーチングの代表的なフレームワーク「GROWモデル
を活用して部下の目標達成へ着実に加速させていきましょう。



GROWモデルとは



それぞれの語の頭文字を取ってGROW。 さまざまなバリエーションがある



目標設定
現状把握
    理想の状態とのギャップを明らかに
:達成のための行動列挙
W:実行への意志確認する



GROW、一つひとつの段階と流れを見てみましょう。



GROWモデルの4段階



GOAL 目標の設定

「具体的にどうなりたいか」を定量的な(明確な数字)に落とし込む
モチベーションを維持しやすくなるよう
「なぜ?」「○○さんは何が得られるのかな?」と具体的にしていく

部下が自ら責任の下で納得する目標を持つために、
上司から目標を押しつけない


REALITY 現状の把握

具体的に現状について訊いて、洗い出す
数値や範囲、程度を一つひとつ洗い出し、ギャップを明らかにしていく


RESOURCE 資源の発見(使える資源)

REALITYに加えて、さまざまなバリエーションの1つ

 1on1ミーティングにおいて目標設定や目標達成のためには
上司からのアドバイスや支援が必要

「上司がもつ内的リソース」
能力・知識・成功/失敗の経験など

「外的リソース」
協力者・社内外から得られる情報、時間、お金など

ヒントとして提示することも有効です。


OPTION 選択肢の列挙

目標とのギャップを埋めていくための考え、アイデア、方法を
部下本人からできるだけ多く引き出し、一緒に検討しながら挙げていく
判断や制約を設けず
ブレインストーミングのように自由なアイデアを促す


WILL 意志の確認 

どれを実行するかを本人が選択、決定。
「やってみたいのは?」「やれるのは?」と問いかけ、待ちます

実行へのコミットメント(責任/約束)、主体性育成のため
上司の考えや判断を押しつけない。部下が主体で一緒に作成

6W1Hを使って具体的な行動計画まで落とし込む
その際に上司に対する「支援の要望」についても考えてもらう



❕ 事前準備と慣れで、30分の1on1ミーティングでも導入しやすいでしょう

事前に部下とGROWモデルについて共有し、部下は考えをまとめておく
1on1で新たに出てきた事実やアイデア、考え、気持ちを記録しておく



一人ひとりに合わせる



皆が同じように伸びたいとか成長したいとか望んでいるとは言えず、
現状維持やモチベーションが低いと見受けられる部下もいるでしょう。



うまくいかないのは、賢くないとか、やる気がないとかではありません。
やり方を知らないからなんです。

ジョン・コッター氏 米国の経営学者、専門はリーダーシップ論。ハーバード大学経営大学院教授
松下幸之助氏の研究者としても知られている



新入社員や転職したての方を初め、
それぞれの状況に合わせ、指示支援塩梅加減
ちょうど良いかかわり方
/育成によって
モチベーション高め成長サポートする手立てを見出していくことが
必要不可欠。(第14回「一人ひとりを見る、知る、合わせる」参照)


焦らず待つ」ことも
マネジャーに求められる”勘どころ”ではないでしょうか。



 

いかがでしたか?



次回、9/11 第19回では

第4章 一人ひとりに合わせる 「フィードバック」
実践的な考え方・方法・スキルのヒントとコツをご紹介します。



「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して

複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。



ポイント



マネジャーは部下の目標の達成をサポートする



メッセージ


  

㊗マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(48)
球団殿堂入りセレモニー 2022年8月27日 @本拠地Tモバイルパーク

           
               

ダグアウトからセレモニーを見守っていた現役選手たちへのエール:
「皆さんの未来には想像できないほどの可能性がある。だから、自分で限界を設けることなくベストを尽くしてほしい。日本から来た痩せた男が
このユニフォームを着て、今夜この名誉を受け取ることができるのだから、皆さんにもできないわけがない」

球団殿堂入りセレモニーでのスピーチ 一部抜粋



with all of my thanks and friendship



お知らせ



「1on1ミーティングの道具箱」シリーズ 公開 お休みの予定日
                      (変更の場合あり) 
                 

9/18(日)10/9(日)



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