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池森雄也
2021年3月9日 10:40
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。そして板をはめ込んでいく。奈美はドリルで釘を刺して、ベニヤ板を床面に固定させている。暑がりの僕は大量に身体中から放出される汗をぬぐう。奈美が気を遣って扇風機のスイッチを押してくれた。奈美は本当に優しいんだなとそう思った瞬間、奈美は突然、扇風機のスイッチを切った。僕には奈美の行動の意味が理解出来ずにそれとなく聞いてみた。『富川さん
2021年3月6日 00:17
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。えっ』『だっていい話だし、掘りさげないと勿体ないよ』呆気に取られながら言葉を返す。出会った頃とは逆の立場になっているではないか!少し僕は恥ずかしくなった。『何、赤面してるのよ』『いや、何でもないから』深く息を吐き出す。『今は別の作品を書いてるんだ。完成したらその作品を書き直すつもりなんだ』『私も一緒に書きたい』『いいよ』
2021年3月4日 00:07
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。耳に力を込める。奈美が歌い出す。激しい曲だ。ロックでもかなりコアだ。マニアックすぎる。奈美の違う一面を垣間見た気分だ。でも、可愛くてたまらない。楽しい気分に心は躍動する。歌っているときの奈美は一点集中だ。おそらく僕の姿も、部屋に飾られた風景画も、テーブルの上の焼きそばとドリンクも存在していないのだろう。最初から最後まで同じ状態
2021年2月27日 00:09
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。数日後、奈美がやって来た。はい、と言って僕にレポート用紙を数枚差し出した。『書いてきたから読み終えたら感想を聞かせてほしいの』『時間を少しくれないか?』『うん』僕たちの関係がジェットコースター並みの速さで、この先をどんどん加速していく。僕は奈美のことを何一つ知らない。それともう一つ後々に判明するのだが、僕を新進気鋭の作家だと思い込
2021年2月26日 03:15
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。奈美は平然としている。黙って次の言葉を待っているのが本当に伝わってくる。僕のほうが緊張している。ずっと見つめられて恥ずかしさで顔が赤くなっていく。どうやら奈美のあどけない表情や自然と発する言葉に魅了されて恋心を抱きつつあるようだ。僕が奈美に一目惚れされたのに。苛立ちを隠せず、待ちくたびれたお客様に気づく。『お客様、大変申し訳あり
2021年2月17日 07:08
この作品も過去に書き上げた長編小説です。現在、三本の連載小説を投稿中ですが、並行して進めていきます。何卒、宜しくお願い致します。プロローグ『ここっていい場所でしょ』彼女は少し微笑んで僕の顔をじっと見つめた。『どうしてそう思うんだい?』そう尋ねた僕に彼女は目を輝かせて近づいてきた。『御苑の気を感じることができるから』素足のまま、彼女はベランダへと移動した。長い黒髪を赴くまま