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ハネネズミと死――ミステリとしての石黒達昌
「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士.並びに,」は、石黒達昌の短篇です。正確に言えば短篇そのものは無題で、「平成3年……」は、その冒頭の文章となります。
以下の文章は「平成3年……」のネタバレを含む……というか、ネタバレそのものです。
「平成3年……」は、第110回芥川賞候補に挙げられたことでも知られています。
長らく手に入れにくい短篇でしたが、2021年、伴名
可能性のない若者、ある若者、そして警官――『21ブリッジ』
『21ブリッジ』(2021アメリカ ブライアン・カーク監督)、緊張感に満ちて美点の多い映画だった。これは三人の映画だ。
可能性のない若者。
可能性のある若者。
そして警官。
可能性のない若者 貧しい白人レイ(テイラー・キッチュ)がよかった。
ニューヨークはマンハッタン島で麻薬強盗を試み、はからずも警官隊と銃撃戦になったレイは、被弾して倒れた警官たちにとどめの銃弾を撃ち込んでいく。
ここ