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小説 Like a 『春色』バトルフィールド ♯1
ごめんなさい、と思っていた。
楽しい時、幸せな時、穏やかな時。あらゆる瞬間、僕は罪悪感に首をゆっくりと締め上げられ続けていた。被害者ぶっていたんだと思う。嫌になる。
このノートが一杯になった今も、答えらしきものは一つも出ていない。
31歳ちょっと暗い話
※今日のブログはほんと、僕のことがむっちゃくちゃ好きで、なんでも許せちゃう!っていう人でもない限り、買わない方がいいと思います
31歳になりました!
ということで誕生日だった2月7日にも、自分の半生や内面について書こうかなとしたんですが
やろうとしたことって、できないじゃないですか?
毎日本読もう、とか、運動を習慣づけよう、とか
そういうのって絶対できないじゃないですか?人間って
僕も
4月雑感(ちょっと汚い話もあります今日)
あっという間に4月が終わりました
なんと
自転車が盗まれました
ちょっとコンビニに寄っている間の出来事
盗んだ方を褒めたくなるぐらいの手際でした
なので今はレンタルバイクを利用して、ウーバーイーツをしています
しかしレンタルバイクは30分ごとに料金が発生するので
働けば働くほど金が減っていく心地がします
ちゃんと計算すれば黒字になっているのはわかるんですが
なんというかモヤモヤし
小説 Like a『春色』バトルフィールド ♯16
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俺が比呂のことを好きだと思ったのは、中学一年生の時だった。
その日は無茶苦茶に熱い日で、セミの声がいつもよりも少なかった。35℃以上になるとセミも熱中症になるらしい、というのをテレビで見た。
その上うちの中学は一部の教室を除いて冷房がなく、それはもう地獄と呼んで差し支えないような状態で、天井で力なく首をゆっくり振っている扇風機が自分の方を向くたびに、声が漏れそうにな
Like a『春色』バトルフィールド ♯15
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「それでまだ懲りずにいるってわけ?」
向かいに座る市村は頼んだダージリンに口もつけず、苛立たしげに僕を睨んでいた。
僕はサークルをやめた。お世話になった白井さん吉原さん坂上さんには一人ずつ直接会って、今まで僕が騙していたことを打ち明けた。全然気づかなかったと白井さんは言い、気づかない奴がいると思ってんの?と吉原さんは言い、野暮なこと言うなよと坂上さんは言った。
何度か潤さんを
Like a 『春色』バトルフィールド ♯14
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その日は日曜で、十時から所属している少年野球チームの練習試合を控えていた。忘れもしない、僕は十歳だった。ユニフォームに着替えダイニングで朝食の目玉焼きに醤油をかけながらテレビをつけた。ワイドショーが流れていて、内容は最近公開されたドキュメンタリー映画の好調についてだった。
「──音楽史に名を残すスターであった彼が、自身のセクシャリティについて悩む姿を彼の往年の名曲とともに美しく綴った衝
Like a『春色』バトルフィールド ♯13
車窓から夏の太陽が斜めに差して座っている僕の足元に影を作った。冷えた車内は季節特有の浮ついた雰囲気で満ちていた。汗かいたんだから帽子とって汗引かせなさいと口うるさい母親の言うことをきかず、お気に入りのキャップを両手で押さえて取ろうとしない男の子が右斜め前にいた。左斜め前では、高校生ぐらいの男女が会話もせず座っていた。男の子は外を見たり窓を見たりしていて、女の子の方はスマートフォンをいじりながら時
もっとみるLike a 『春色』バトルフィールド ♯12
向こうから目をさすような自動車のライトが向かってくる。避ける気もなかったのか、すぐ脇をスピードを緩めずに通過していった。風圧で体が煽られて頭がくらっとした。
体が冷えている。ポツポツと降り出した雨のせいだった。歯の根が合わず、足が重かった。
頭の中では言葉が巡った。吉原さん、白井さん、坂上さん、市村、潤さん、そして佐藤。
Like a『春色』バトルフィールド ♯11
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交際の報告をしたのは吉原さんと坂上さんと白井さんだけで、ほかのサークル員には報告をしなかった。特に意識をしていたつもりではなかったが、話す人選んでるんだね、と潤さんに言われたとき何故かドキッとした。選んでいたのだろうか。だとしたら、どういう基準で?
報告をした時、白井さんは手放しで喜んでくれた。坂上さんは言葉を失ったあと、はぁーそうくるか、とどこか含みのあることを言った。どういう意