Like a『春色』バトルフィールド ♯13
車窓から夏の太陽が斜めに差して座っている僕の足元に影を作った。冷えた車内は季節特有の浮ついた雰囲気で満ちていた。汗かいたんだから帽子とって汗引かせなさいと口うるさい母親の言うことをきかず、お気に入りのキャップを両手で押さえて取ろうとしない男の子が右斜め前にいた。左斜め前では、高校生ぐらいの男女が会話もせず座っていた。男の子は外を見たり窓を見たりしていて、女の子の方はスマートフォンをいじりながら時々男の子の顔を窺っているのがわかった。山間から電車が抜け海が見え始めた時男の子が