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DAY BY DAY〜生きるを伝える〜

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はじめまして、こんにちは。DAY BY DAY〜生きるを伝える〜は、2016年3月にがん宣告を告知されてからこれまで感じたことや経験してきたことを、当時の日記を元に振り返り、綴っ…
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#日記

一汗かいて、夏バテ予防に参鶏湯!

一汗かいて、夏バテ予防に参鶏湯!

肝臓をいたわる滋養強壮に優れたエナジーフード肝臓の辺りが痛むたび思い出す、
大好きなメニューがある。
韓国料理の代表格のひとつ、 #参鶏湯 #サムゲタン

実は煮込み料理のイメージが強く、冬に食べて暖まる鍋料理だと思っていた。
だけど、これから暑くなる季節、夏だからこそ、食べるべき一品だと思う。
#参鶏湯料理研究家 @motokowaki から教わったその日も蒸し暑く
「なぜシンプルなのにこんなに

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西に沈む夕陽に未来を信じる

西に沈む夕陽に未来を信じる

西に沈む夕陽を見つめながら
「あなたの病気はがんです」と
言われた時のことを思い出し振り返る。

僕たちは、4年前のその時、妊活中だった。

未来は、必ずやってくるものだと信じて
ワクワクしながら眠り、
明日が来るのを楽しみにしていた。

ところが順風満帆だと思っていた人生が
一夜にして逆転することもあると
癌は教えてくれた。

多恵子は子供が大好きで、やっぱりいつかは
家族を持つと思っていたから

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No12.いよいよ手術!術後のリスクとは?恥ずかしがらず紹介するよ

No12.いよいよ手術!術後のリスクとは?恥ずかしがらず紹介するよ

2016年3月28日 手術2日前オナラ出たらOK!?
今日から手術のため入院することになっていた。
朝から多恵子に背中を流してもらい気合十分。
まるで戦国時代の武士が出陣する前のようだった。
病院に着くと早速病室へ向かった。しばらくすると再度手術内容を説明するため、主治医と看護師が病室にやってきた。

「手術と術後の合併症についてもお話しますね」
前回より落ち着いた状態で話を聞くことができていた。

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No11. 精子を凍結保存するという選択

No11. 精子を凍結保存するという選択

「あきちゃんの精子、念の為に冷凍保存していた方がいいんじゃない?」
それは多恵子が子供好きで、赤ちゃんを欲しがっていたことを知っていた
義理の姉からの提案だった。そうだ、赤ちゃん欲しかったんだった・・・。
告知を受けてからずっと心落ち着かず、僕たちはハッと我に返った。

「諦めたらダメだよ、その時のためにできることは準備してた方がいいんじゃない?」念の為という言葉が、「未来はあるよ」というように聞

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No10.余命30ヶ月・・・ってそんな。ドッキリだと言ってくれ

No10.余命30ヶ月・・・ってそんな。ドッキリだと言ってくれ

こんにちは。アキです。(@earth0309)

2016年3月22〜24日
福岡に戻った僕を待っていたのは、つま先から頭まで検査のフルコース。
血液検査にはじまり、レントゲン検査、造影CT検査、造影MRI検査、
造影エコー検査、胃カメラ。他にも聞き慣れない検査をいくつか。
大腸がんであることは間違いないが、肝臓にどれくらい転移しているのか
他の臓器に転移していないか調べるためだった。

僕の場合

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No9.癌を打ち明ける難しさ、友人に送ったLINE

こんにちは。アキです。(@earth0309)

2016年3月18日 サポートする側の心労も
これから先どうなるのだろう。僕は気持ちが落ち着かず
心の中に不安が広がり落ち込んだ。死ぬことばかり考えてしまう。
要検査を無視したこと、痔だと高をくくっていたこと、癌だったこと
しかもステージ4、リンパ節〜肝臓転移・・・
頭の中をグルグルと周り、僕は胸がドキドキしていて、目をギュッとつぶって
他の楽しい

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No8.明るい未来は一瞬で闇へと変わる

こんにちは。アキです。(@earth0309)

2016年3月16日 こんなはずじゃなかった・・・
担当医から
「検査の結果、あなたの病気は癌です」
「明日、大事な話をするので奥様を連れてきてください」と
言われた言葉だけが耳にのこる。一番聞きたくなかった言葉だった。
その衝撃的な言葉は爆弾級の破壊力で、頭で理解したとしても心が追いつかない。

まるで糸の切れた風船のように、フーっと意識は遠のき

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No7.ガンだった・・・ガーン

No7.ガンだった・・・ガーン

2016年3月15日 朝から気分が悪かった。

最悪手術をしなければいけないこと、ここ半年続く血便は
日を追うごとに悪くなっていたからだ。

今思えば体調は最悪だった。便は細く出にくいこともあった。
それにティッシュに血しかついていない
下血(消化管から出た血が肛門から排出されること)のみの時もあった。
だけど、お腹が痛かったわけではなかったから
自覚症状と言えばこれぐらいだった。
こんな状況でも

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No6.はじめての大腸カメラ、そこで見えた炎症は?

No6.はじめての大腸カメラ、そこで見えた炎症は?

2016年3月12日 大腸カメラ再検査当日今日は土曜日、普段ならワクワクしながら朝一で海へ行くはずだが、今朝はずっとソワソワしていた。なぜなら、人生はじめての大腸カメラを受けなければいけない日だったから。

いつもなら、多恵子を起こさないように、静かにサーフィン後にかぶるお湯を
ポリタンクに入れる神聖な儀式をしているとこだが、たった一枚の紙切れに
ドキドキしていた。あの健康診断の結果だ。
その結果

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No5.遊びたいや仕事は理由にならない

2016年3月8日 33歳誕生日の前日

仕事が一段落したボクは、台所に立つたえちゃんと
ビールを片手に将来のビジョンを語り合っていた。

「このまま沖縄に永住もいいよね」
「そうね、薬膳カフェ併設の薬局を開局するなんていいじゃない」
「そうだね。沖縄はとても気持ちいい場所だし本格的に考えてみようか」

沖縄へ移住して、4年が経とうとしていた。
必要なものは手に入れ、何も不満はなかった。

サーフ

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No4.人生の旅がはじまった場所

No4.人生の旅がはじまった場所

病室のベットで考えていた。

「生きるために働く」なんて大げさだけど
「いったい何のために働いているんだろう・・・」

自分の人生を歩んでいないような気がして怖くなった。
このままでは年を追うごとに、心の穴が大きくなってしまうかもしれない。

「夢や目標のない、自分の薬剤師人生は、このままでいいのか」

何も変化のない毎日に安定を求めては、どこか物足りなさを感じる。
思い描いていた薬剤師人生、何か

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No3.ワクワクはドキドキへ、そして。

12月のどんよりした曇り空で、
前日から北風が吹き続くとても寒い日だった。

車の中にはいつでも海へ行けるよう道具は積みっぱなし。
いつでも準備OKだ。
だけど、日の出が遅い冬は、仕事前の早朝サーフィンは難しい。
サーフィン欲は絶頂、サーフィンに行きたくてウズウズしていた。

その日は午前中まで仕事だった。
久しぶりに海へ行こうと、午後から友人を誘っていた。
朝からワクワクが止まらない。
北風が吹

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No2.僕たち夫婦は大学で知り合ったんだ

No2.僕たち夫婦は大学で知り合ったんだ

癌になるまでの人生はいったい何だったんだろうと
振り返ることが多かった。

思うがまま人生を送っていたのかもしれない。
今思えば上出来の日々だったのかもしれない。
いや、首の皮一枚でいつもギリギリの人生だったのかも。

僕たち夫婦は、大学で知り合った。

妻(多恵子)たえちゃんも僕も薬剤師を目指していたんだ。
僕たちは福岡にある薬科大学に通っていた。
共通の知り合いがいたこともあり、すぐ仲良くなっ

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No1.健康診断で便潜血陽性!?

ある日、突然告知されたんだ。

「あなたは、大腸癌です」

突然のことで耳を疑ったよ。
だけど今思えば、心当たりないわけでもなかったんだ。

それは、2015年10月。会社から1年に1回必ず受けさせられる、
一般(定期)健康診断のお知らせがあった。

健康診断と言えば、簡単な問診票に病気の既往歴や身長、体重、腹囲、視力及び
聴力の検査、肝機能や血中脂質、血糖など調べる血液検査、尿検査に心電図、胸部

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