#現代詩
ここに惜しみない沈黙を捧げよ
ぼくは予感した——みんな光に由来していること
まじりけのない薄暮
揉まれた氷 償いようのなさで
かたちを失った 森はあかるくそしてまた、くらい
新芽は甦るもの 雨のいちずさ
ふるえる手は赤土をわかちあい
見るもののない 神々しい麦のつやつやに
したたる稲妻 礼讃の
体言、そのあまりにつよい静止……
無垢へ ふくらみつつある耳朶
野の顔、——どうやって弔おう——そちらから邂逅する
濡れた野木瓜の
文脈がわからなくなったあとに
梢が首を垂れている
蕾の重みに耐えられないからだ
自らの声がこの掌を振り払うような
憐れな日々がありました
瓶のなか、くだけてとけた果物
わからないことが根絶されるようにして
かつての澱が落ちていったから
きみはやさしいひと
魚たちは回遊する
誰もが信仰をひけらかして
意思の雲母がわれた
ああ!
きみにかける言葉が見つからない!
きみにかける言葉が
そうしてまた失った
蛇口からこぼれる慈悲の