破線は再会する

今のきみは鎮魂そのものだった
みんなぼくらを類推していたから
もうここにはいないと嘯く
(どこにでもいるよ)
無数の息はぷかぷかと
綿花を注いでいる 空に

光の剥製に触れていた
沈黙するように生命は
洗われなくてはならない
ばら撒かれたこころ
ひろい集めることもなく

濡れた衣を着たあとに人は
エクリチュールになる
泡のまにまに もこはふくらむ
そして、あらゆる意味は縮絨する

ぼくは以下のものからできている
 汗だくになって愛しあった
 夜の頂
 生まれた瞬間に失せてしまった
 ぼくのともだち
 何度も何度も繰り返される
 自己(楽園における絶望のような)
 甘美な終わりがもたらした
 余韻

目の届かないところにいるきみへ
こんなにも久しい、体温
慈しみの心 残りの頃
きみは絹糸をもたげる他なかった
 この息遣いを忘れはしない

辿り巡り 核をたずねる
点と円と、それから
球をまるめこむようにして
無の布石に手を差し伸べること
噤めども、紡げども
運命のきみを信じぬくこと

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