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パニックを起こすのはなぜか?「ヘルプ!」を出せる環境づくりが発達障がい当事者に最も重要だと感じた話

発達障害といっても、状態は千差万別で、人それぞれです。
「発達障害の人は○○です」と、一概に表現しますと語弊が生じますので、この記事では主に息子の例を基準に書いています。

発達障害は「怠け者」なのか?

「怠け者」
「不真面目」
「仕事が続かない」という感想を周囲から持たれがちです。
実は母親の私でさえ、以前はそんな気持ちを抱いていました。

実際に息子は転職を2回しました。
3番目の仕事を辞めた(と言うよりもクビになった)後に、私は初めて発達障害という言葉を知りました。


自己嫌悪に陥りがちで、いつも強い不安感がある

学生のときに仲が良かった友達が離れていったり、職場でも「どんくさい!」と怒鳴られたり...

そんなつらい経験を数々積んだ頃には、息子はすっかり「僕はダメ人間だ!」というのが口癖になっていました。

「僕がいることで迷惑をかけているのでは?」
「僕は職場のお荷物だ」
ミスに対する自責の念や恐怖心が、発達障害ではない人よりも、かなり強いと思います。

少々体調がすぐれなくても、100%のパフォーマンスが出来なくても、
「仕事は行くのがあたりまえ」と、とらえる人がほとんどだと思います。
息子の場合は、100%の自分の力が出せなければ、
「迷惑がかかるのでは?」という強い不安感に襲われて、会社に行こうとすると、体のどこかに不調が出ました。

そして困ったことに、
「体調が悪いです」
「休ませてください」が言えない
のです。

「こんなこと、言ってもいいのだろうか?」
「休むなんて言うのはダメだ~、でもつらい!」

その結果、連絡もせずに休んでしまうということになっていたそうです。(息子は就職と同時に一人暮らしを始めましたので、私は上記の状況に気づくのが遅れました)


「体調が悪いので休ませてください」に思うこと

当然言うべきことを言えないなんて、理由にならない!
仕事に対しての責任感がない!何としてでも絶対に伝えるべきだ!

息子がいなければ、私は1000%、上記の考えしかありませんでした。
理解しようとも思わなかったでしょう。
正直いって、自分の仕事に関しては、今でもこのような気持ちを持っています。良いとか悪いとかではなく。

しかし、自分とは違う感性を否定するのは、ちょっと違うのではないかと、強く思うようになりました。
仮に当事者と同じ気持ちになれないとしても、
「異なった感性」、「異なった思考」を受けとめることが大切なのでは?と思うようになりました。

まずは気持ちを受けとめたうえで(細かいことを言いますが「受け入れる」とは異なります)どうすれば良かったのか、話し合うのがいいのかな?と、思います。


発達障害は人の気持ちがわからない?

発達障害の息子は、親しい人以外に対しては表現が非常に乏しいです。
「鈍感」
「感じない」
「人の気持ちがわからない」
という印象を持たれがちですが、実は相手の雰囲気や表情で、非常に敏感に心を察知しているのを感じ取れます。


なぜパニックになるのか?

特にASD(自閉症スペクトラム)の症状から、(色々感じているのに)気持ちを出せなくて、ため込み過ぎる傾向があります。
その結果、いびつな行動をとる形で爆発して、パニックを起こします。

変化が苦手なので、いつもと違うことが突然起こっても、パニックになりやすいです。

パニックになるときは、誰にも気づかれません。
なぜかというと、静かで表情が変わらないからです。
脳は限界を超えて、爆発寸前ですが、体と表情は「固まって」いることが多いです。顔を真っ赤にして起こるときのほうが、逆に「軽い」のではないかと思います。

パニックになって何をするのかは人それぞれ、息子も色々です。
人に危害を与えることはありませんが、壁やドアを蹴ったり、自分の頬を思いっきり自分で殴ったり...
人のよっては、もっと激しい事例もあります。


否定や批判から入ると危険

「○○すべきだ!」
「どうしてそんなことするの?」
「謝りなさい!」

本人も苦しんでいます。
否定や批判の、上からの言葉がけは、「教育」とは思えません。
今まで、私は怒ってばかり、注意してばかりでした。
息子の感情に対して、火に油を注ぐようなものでした。
逆効果でした。


色々体験して思う「大切なこと」

定型発達(発達障害でない人)に近づく工夫や努力以上に大切なことは、
「ヘルプ!」が出しやすい環境づくりではないかと思います。

発達障害当事者が、信頼して気兼ねなく困りごとを言える人、
一人でも多く息子の周囲にそんな人たちを準備しておきたいです。
私亡き後も心配ないようにと、今、私はいろいろな人と出会っているところです。

当事者に合う環境さえ整えば、心穏やかな生活も夢ではない!そう信じています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


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