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更新の停止のお知らせ
お疲れ様です。加藤よしきです。表題の件に関しましてご報告です。
筆力の訓練のために100本、エロシーンの寸止めを書くと決めました。しかし、6~7月の予定を整理すると、凄くドタバタしそうな気配がしており、訓練ではなく実戦に時間を割かないと危険だと思いました。そこで読んでくださっていた皆様には申し訳ないのですが、しばらく更新を停止します。ただし忙しさの山を越えたら、再び100本まで書く予定です。ま
エッチに至る100の情景_012「どんな場所にも花は咲く!!」
「思うに、エロマンガでショタのペニスがデカすぎると萎えませんか」
鷲津 賢太は眼鏡をクイっと上げると、そんなことを言った。牧 一子はまた最低な話が始まったと思った。けれど、
「ふひひひ、唐突かつ最低な話題。でも、気持ちは分かりますけれども。でもですね、エロマンガはペガサスファンタジー」
一子はそう笑えた。
そして2人きりの漫研の部室で、ディスカッションが始まった。
「私はデカすぎ肯定派
エッチに至る100の情景_012「オレ様くんは奴隷志望」
「好きです、九条先輩」
「オレは好きじゃないから」
九条 京介はその日も相手を振った。今年に入ってから20人目だ。その場で泣き崩れる相手を残し、さっさと校舎裏から去っていく。悪いとは思わない。こうやって相手の告白を振ることには慣れている。それに、こうするのが一番いいと考えていた。
京介は、とっくの昔に失望もしていた。自分に言い寄ってくる全ての女性に対して、彼は諦めと怒りに抱いていた。
小
エッチに至る100の情景_011「天気予報が大外れ」
「晴れるから歩いて帰ろうって言ってたじゃん! バカ!」
國村 加奈子は、思い切り雨に降られた。木造の屋根があるバス停に駆け込み、ハンカチで髪を拭く。酷い放課後だ。すべては幼馴染でバカの、
「ごめんて!」
そう言って坊主頭を下げる、吉高 遊里のせいだ。2人は山を越えて学校から帰る。何時間もかかるから、天候が急変することもある。
「そんなんだから彼女ができないの!」
「待て待て! モテは関
エッチに至る100の情景_010「どうでもよくない!」
――人生、ミスった。そのうえ現在進行形で迷惑をかけている。でも、どうでもいいか。どうせもう手遅れだから。
矢吹 玲子は、起きた途端に負い目と諦めに襲われる。時刻11:35。両親は働きに出て、朝・昼ご飯は一階の台所に用意されてある。おにぎりが五つ、昨夜の残りの味噌汁、卵焼き。モソモソと食べる。不安と一緒に胃の中へ押し込む。
そして二階の自室へ。真っ赤なセルフレーム眼鏡のレンズを磨いて、ゲーム機
エッチに至る100の情景_009「夫の知らない裏の顔」
田井中 史郎は、殺し屋である。金を受け取り、人を殺す。殺人は彼の血族が戦国時代から行っている商売である。彼は今年で42歳。16で殺しの仕事を始めているが、これまで殺した正確な数は覚えていない。「指定の空間にいる人間を皆殺しにせよ」という命令を受けることもあるからだ。そう言った場合、数える暇もないし、必要性もない。極限まで磨き抜いた体術と特殊技能を駆使して、ただ殺すだけである。
しかし史郎には別
エッチに至る100の情景_008「アダルト・コミック・ホーム・ステイ」
アメリカから同い年の女の子がホームステイに来る。矢作 亮介はそう聞いて、よからぬ妄想をした。現実にそんなことは起きないだろうと思いつつ、ラッキーなスケベが起きるのではないかと。それに両親はこうも言ったのだ。「その子、日本の漫画が好きらしくて。大人向けの」。いよいよ彼は「そういうこと」を期待した。「JapanのHentai Comicに憧れてました」的な、そういう設定から始まる流れだ。
しかし、
エッチに至る100の情景_007「不純な気持ち?」
自分は男だ。倉本 光太郎は実感した。自分だけは違うと何処かで思っていたが、そんなことはなかった。自分も周りと変わりない、平凡な男、俗物なのである。
「倉本くん、どうしたんですか?」
囁くような声がした。数か月前に付き合い始めた彼女、世良 ユキの声だ。
ユキは光太郎の同級生で、同じボランティア部に入っている。成績優秀で、品行方正。誰もが「真面目で大人しいけど、地味な子」と表現するタイプだ。
エッチに至る100の情景_006「言うだけならタダ!」
気が付いたら、近藤 タケルは走り出していた。呆気にとられる両親を置いて、家のドアを開けて走り出した。行き先は決めていない。
期末試験の成績が悪かった。「志望校に行けないぞ」「やる気あるのか?」「将来のこと、ちゃんと考えてるのか?」こういった両親の質問に答えるなら、「やる気もないし、考えてもいない」だ。そう言い返したかったが、じっと黙って聞いていた。すると、不意に我慢できなくなって――
「逆ギレ
エッチに至る100の情景_004「ぜーんぶ、あんたのせい!」
「やっぱり、女子も自慰はするのでしょうか」
その日、高校二年生の山城 廉太郎は、幼馴染で唯一の女友達である呉井 彩に、スマブラをしながら素朴な質問をした。
彩はプレイを一時停止して、普段からシカメっ面と言われる顔を更にムッとさせて答えた。
「しないけど」
「えっ、『ジョジョ』の六部でもやってましたよ?」
彩は引き気味の表情で答える。
「あんた、物事を『ジョジョ』で考える癖は直せよ。今
エッチに至る100の情景_001「あんた以外に……」
田口 隆の目の前で、矢口 裕子のスカートが舞った。彼は見た。彼女のスカートの奥も――
「はい! 今日のパンツは御覧の通り、白です!」
裕子は真っ白な歯を見せて笑った。真っ黒に日焼けした肌に、バレーボール部らしい素朴な短髪(あの「女子のスポーツ刈り」としか言いようがないショートヘア)。身長は隆と同じ167㎝ある。この見た目のせいで、スカートを履いているのに、まるで男子に見えた。
隆は呆れる。こ
試写会便り『FALL/フォール』
■評価 ★★★☆☆
■一言 シリアスな雰囲気は好みが分かれそう。高所恐怖症なら悶絶必至
■あらすじ
高さ600メートルの鉄塔のてっぺんで、仲良しコンビが立ち往生
■思っていたのと違う! という問題
映画を見ていると、しばしば面白い・面白くない以前に「思ってたんと違う!」で悩むことがある。本作『FALL/フォール』(2022年)もそういう映画だ。だってね、動画配信者が高いところに登って降りら