加藤よしき

こんな残酷な話がありますか

加藤よしき

こんな残酷な話がありますか

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  • エッチに至る100の情景

    ■概要 ・これはHシーンに至るまでの文章を書いた短編小説集です。 ■自分用ルール ・文字数は1500文字以内とする ・具体的な18禁シーンは描写しない。  あくまでエッチシーン直前までとする ・登場人物の性別や年齢は問わない ・登場人物の過去や所持品などで18禁アイテムが登場するのは認める  例)隠し持っていたエロ本/性玩具を見つかる、など ・描写は「キス」「抱擁」「体の一部に触れる」まではOKとする  ただし男女ともに性器に触れるのはルール違反とする ・「薄着」「脱衣」の描写は許容範囲とする  例)水着や服がはだけている、など ・「全裸になる」はルール違反とする ■目標 ・上記のルール内で100本書く

  • カサンドラ獄中記

    忌憚なき映画の話

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エッチに至る100の情景_013「突撃! 心霊vs黒ギャル!」

 どの学校にもそうであるように、光陰学園にも学校の怪談があった。内容は他愛もないものだ。使われていない木造旧校舎に、学生の幽霊が出る。生徒たちの中から年間に10人前後は「見た」という目撃者が出て、夏になると肝試しとして旧校舎に向かう生徒が2~3人は現れ、そして先生から大目玉を食らう。  まさにありふれた怪談話だが、この件には問題があった。本当に幽霊が出ることだ。  「え! 幽霊って本当にいるの!?」  小林 優は思わず前のめりになった。褐色の豊満な胸が揺れ、校則を完全無視した

    • 更新再開のお知らせ

      お疲れ様です。加藤です。忙しくなってきましたが、書かないと書かないで逆に気になるようになりまして……。引き続き100まで書いてみようと思います。ちょいちょいお休みをいただくことはあると思いますが、ひとまず100までは書きますので、暖かい目で見ていただけますと幸いです。

      • 更新の停止のお知らせ

         お疲れ様です。加藤よしきです。表題の件に関しましてご報告です。  筆力の訓練のために100本、エロシーンの寸止めを書くと決めました。しかし、6~7月の予定を整理すると、凄くドタバタしそうな気配がしており、訓練ではなく実戦に時間を割かないと危険だと思いました。そこで読んでくださっていた皆様には申し訳ないのですが、しばらく更新を停止します。ただし忙しさの山を越えたら、再び100本まで書く予定です。また復帰できそうでしたら始めますので、引き続き何卒よろしくお願いします。

        • エッチに至る100の情景_012「どんな場所にも花は咲く!!」

           「思うに、エロマンガでショタのペニスがデカすぎると萎えませんか」  鷲津 賢太は眼鏡をクイっと上げると、そんなことを言った。牧 一子はまた最低な話が始まったと思った。けれど、  「ふひひひ、唐突かつ最低な話題。でも、気持ちは分かりますけれども。でもですね、エロマンガはペガサスファンタジー」  一子はそう笑えた。  そして2人きりの漫研の部室で、ディスカッションが始まった。  「私はデカすぎ肯定派ですなぁ。というよりも、推進派? だって、ありえないことを描くのが、フィクション

        エッチに至る100の情景_013「突撃! 心霊vs黒ギャル!」

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        • エッチに至る100の情景
          16本
        • カサンドラ獄中記
          4本

        記事

          エッチに至る100の情景_012「オレ様くんは奴隷志望」

           「好きです、九条先輩」  「オレは好きじゃないから」  九条 京介はその日も相手を振った。今年に入ってから20人目だ。その場で泣き崩れる相手を残し、さっさと校舎裏から去っていく。悪いとは思わない。こうやって相手の告白を振ることには慣れている。それに、こうするのが一番いいと考えていた。  京介は、とっくの昔に失望もしていた。自分に言い寄ってくる全ての女性に対して、彼は諦めと怒りに抱いていた。  小学生の頃に初めて告白された。話したこともない相手だった。付き合って何をするかも分

          エッチに至る100の情景_012「オレ様くんは奴隷志望」

          エッチに至る100の情景_011「天気予報が大外れ」

           「晴れるから歩いて帰ろうって言ってたじゃん! バカ!」  國村 加奈子は、思い切り雨に降られた。木造の屋根があるバス停に駆け込み、ハンカチで髪を拭く。酷い放課後だ。すべては幼馴染でバカの、  「ごめんて!」  そう言って坊主頭を下げる、吉高 遊里のせいだ。2人は山を越えて学校から帰る。何時間もかかるから、天候が急変することもある。  「そんなんだから彼女ができないの!」  「待て待て! モテは関係ないだろ!」  遊里はバカだ。客観的に見ても顔はいい。それなのに、まったくモテ

          エッチに至る100の情景_011「天気予報が大外れ」

          エッチに至る100の情景_010「どうでもよくない!」

           ――人生、ミスった。そのうえ現在進行形で迷惑をかけている。でも、どうでもいいか。どうせもう手遅れだから。  矢吹 玲子は、起きた途端に負い目と諦めに襲われる。時刻11:35。両親は働きに出て、朝・昼ご飯は一階の台所に用意されてある。おにぎりが五つ、昨夜の残りの味噌汁、卵焼き。モソモソと食べる。不安と一緒に胃の中へ押し込む。  そして二階の自室へ。真っ赤なセルフレーム眼鏡のレンズを磨いて、ゲーム機を立ち上げる。遊ぶのは対戦格闘ゲームだ。オンラインの暇人を殴って回る。そばかすだ

          エッチに至る100の情景_010「どうでもよくない!」

          エッチに至る100の情景_009「夫の知らない裏の顔」

           田井中 史郎は、殺し屋である。金を受け取り、人を殺す。殺人は彼の血族が戦国時代から行っている商売である。彼は今年で42歳。16で殺しの仕事を始めているが、これまで殺した正確な数は覚えていない。「指定の空間にいる人間を皆殺しにせよ」という命令を受けることもあるからだ。そう言った場合、数える暇もないし、必要性もない。極限まで磨き抜いた体術と特殊技能を駆使して、ただ殺すだけである。  しかし史郎には別の顔がある。善き夫として、ごく平凡な家庭人としての顔だ。一般社会に溶け込むための

          エッチに至る100の情景_009「夫の知らない裏の顔」

          エッチに至る100の情景_008「アダルト・コミック・ホーム・ステイ」

           アメリカから同い年の女の子がホームステイに来る。矢作 亮介はそう聞いて、よからぬ妄想をした。現実にそんなことは起きないだろうと思いつつ、ラッキーなスケベが起きるのではないかと。それに両親はこうも言ったのだ。「その子、日本の漫画が好きらしくて。大人向けの」。いよいよ彼は「そういうこと」を期待した。「JapanのHentai Comicに憧れてました」的な、そういう設定から始まる流れだ。  しかし、  「日本の男、思ってたのと全然違いマース」  来日してから数日、亮介の前で堂々

          エッチに至る100の情景_008「アダルト・コミック・ホーム・ステイ」

          エッチに至る100の情景_007「不純な気持ち?」

           自分は男だ。倉本 光太郎は実感した。自分だけは違うと何処かで思っていたが、そんなことはなかった。自分も周りと変わりない、平凡な男、俗物なのである。  「倉本くん、どうしたんですか?」  囁くような声がした。数か月前に付き合い始めた彼女、世良 ユキの声だ。  ユキは光太郎の同級生で、同じボランティア部に入っている。成績優秀で、品行方正。誰もが「真面目で大人しいけど、地味な子」と表現するタイプだ。いつも囁くような声で喋るし。  ただし光太郎は、それだけじゃないことを知っていた

          エッチに至る100の情景_007「不純な気持ち?」

          エッチに至る100の情景_006「言うだけならタダ!」

           気が付いたら、近藤 タケルは走り出していた。呆気にとられる両親を置いて、家のドアを開けて走り出した。行き先は決めていない。  期末試験の成績が悪かった。「志望校に行けないぞ」「やる気あるのか?」「将来のこと、ちゃんと考えてるのか?」こういった両親の質問に答えるなら、「やる気もないし、考えてもいない」だ。そう言い返したかったが、じっと黙って聞いていた。すると、不意に我慢できなくなって―― 「逆ギレしてるだけじゃねーか、オレ」  タケルは走るのをやめた。汗だくになった体に、秋の

          エッチに至る100の情景_006「言うだけならタダ!」

          エッチに至る100の情景_005「疲れ果てた中年男性に、謎の女性が『やぁ少年』と声をかける事案が発生」

           小さい頃は自分を「ぼく」と呼んでいて、気が付けば「オレ」になり、今は「私」になった。一人称がいつ切り替わったか、具体的には覚えていない。ただ理由は覚えている。周りがそうしていたから、そうしたのだ。  私は今年で36になる。なのに、  「やぁ少年。さえない顔して、どうしたんだい?」  ある日、私は彼女にそう声をかけられた。繰り返すが私は36歳だ。さらに彼女も同じくらいの年齢だった。黒のランニングシャツに、作業ズボンと安全靴。大きな胸に反し、ガッチリした二の腕は、小麦色に焼けて

          エッチに至る100の情景_005「疲れ果てた中年男性に、謎の女性が『やぁ少年』と声をかける事案が発生」

          エッチに至る100の情景_004「ぜーんぶ、あんたのせい!」

           「やっぱり、女子も自慰はするのでしょうか」  その日、高校二年生の山城 廉太郎は、幼馴染で唯一の女友達である呉井 彩に、スマブラをしながら素朴な質問をした。  彩はプレイを一時停止して、普段からシカメっ面と言われる顔を更にムッとさせて答えた。  「しないけど」  「えっ、『ジョジョ』の六部でもやってましたよ?」  彩は引き気味の表情で答える。  「あんた、物事を『ジョジョ』で考える癖は直せよ。今それをやっているの、ラッパーの般若くらいだよ」  そう言って溜息をつく彩に「でも

          エッチに至る100の情景_004「ぜーんぶ、あんたのせい!」

          エッチに至る100の情景_003「オタサーの清廉なる姫」

           川田 太陽は自分を普通のオタクだと思っていた。進学を機にアニメ研究部に入り、自分に似合った、灰色の生活を送るつもりだった。ところが入部したアニ研には姫がいた。しかもそれは、あまりにも姫だった。  その日、太陽は全部長会議にて「きわどい表現の多い作品を見ているアニ研に、部費を渡すのもいかがなものか?」と吹っ掛けられた。すると姫が、倉橋 梨沙子が立ち上がり、  「オタク趣味というのは白眼視されて致し方ない部分もあります。もはやオタクは少数派ではなく、18禁と全年齢の境界線の上で

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          エッチに至る100の情景_002「後輩くんの変なクセ」

           桂 英子は、欲求不満である。21歳。恋愛経験はそれなりで、自分の性欲はそこまで強くないと知っていた。それでも今、英子は悶々としている。  事の始まりは約一年前に遡る。  英子は大学のサークルの後輩、村本 新太郎に告白された。彼には「大人しい子」という印象しかなかった。そんな程度の付き合いで告白してきたので、英子は、遂にそういう感じの子が来たと思った。「そういう感じ」とは「とにかくヤりたい男」である。  英子は「私はけっこう可愛い」と思っていた。決して人前では言わないし、鏡の

          エッチに至る100の情景_002「後輩くんの変なクセ」

          エッチに至る100の情景_001「あんた以外に……」

           田口 隆の目の前で、矢口 裕子のスカートが舞った。彼は見た。彼女のスカートの奥も―― 「はい! 今日のパンツは御覧の通り、白です!」  裕子は真っ白な歯を見せて笑った。真っ黒に日焼けした肌に、バレーボール部らしい素朴な短髪(あの「女子のスポーツ刈り」としか言いようがないショートヘア)。身長は隆と同じ167㎝ある。この見た目のせいで、スカートを履いているのに、まるで男子に見えた。  隆は呆れる。この裕子という幼馴染は、昔から変わらない。子どもの頃のまんまだ。 「そういうの、オ

          エッチに至る100の情景_001「あんた以外に……」