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任せてやらねば、人は育たず

NewsPicksを見ていたら、Google(アルファベット)のエリック・シュミットに関する記事があった。

色々と考えさせられたので、今日はそのことについて書こうと思う。

20%ルール

Googleの有名な取り組みに「20%ルール」がある。社員に就業時間の20%を自由に(副プロジェクトに)費やすよう促すルールだ。

20%ルールは、「週に1日は自分の好きなプロジェクトに使っていい」と報じられがちですが、それが実務面できちんと守られることは、まずありません。
このルールの本当に重要なところは、エンジニアと上司の力関係に与えた影響です。
たとえば、あるプロジェクトでマネジャーがエンジニアに対して、「もっと頑張ってくれよ。もっと全力でやってくれ」と言ったとします。そのときエンジニアは堂々と、「ええ、私の就業時間の80%の100%を捧げます」と言い返すことができる。
つまり20%ルールが、社員に尊厳と一定の選択肢を与えているのです。

僕は最後の一文にハッとさせられた。「社員に権限を委譲するということ」は、言い換えるなら「社員の尊厳を尊重する」ということなのかもしれない。Googleには独立心が強い社員が多いと聞くけれど、こういった社員への向き合い方が会社へのエンゲージメントを高めているのではないだろうか。

VUCA時代に必要なこと

もともと20%プロジェクトは失敗するものと想定されていました。
重要なのは、新しいアイデアを試して失敗する経験です。本人がその失敗から得る価値は計り知れません。やってみたけれど、うまくいかない。だから別のやり方を試してみる。それでもうまくいかない――。
知識社会で成功する上で最も重要なのは、粘り強さと好奇心です。
粘り強く努力するとは、同じことを繰り返すという意味ではありません。トライを続けるけれど、戦術を変更し、戦略を修正し、異なる見方をしてみる。そしてギブアップしないことです。

このVUCAと呼ばれる時代には「新しいものを生み出す(ために挑戦する)こと」が求められる。これまでの義務教育の延長にあるような「減点主義のまま」では、すぐに限界が来るのではないか。社員に対し「失敗をさせない教育」をし続けた所で、それは時代錯誤なキャリアプランになると思う。

「じゃあどうするか」という話なのだけど、それは上述の通り「新しいアイデアを試して、失敗する経験を社員にさせること」がとても重要なのだと思う。そのようにして、「社員に権限を委譲できるか」は、今後人を動かす上でより重要なテーマになっていくような気がする。

任せてやらねば、人は育たず

僕はこの記事を読んで、山本五十六の言葉を思い出した。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

Googleの「20%ルール」は、まさにこの言葉通りであるような気がする。経営者はよく山本五十六の言葉を座右の銘にしている人が多い。でも、ただその言葉を胸に刻むというだけではなく、その言葉を「今の時代にしっかりとアジャストさせる努力」も必要なのではないかと思う。

そう考えると、Googleはこの言葉を見事に今の時代にアジャストしている。(彼らはおそらく山本五十六のことはきっと知らないだろうけれど。。)。

でも、国は関係ない。こういった先人が残してくれた言葉の本質を掴むことができるか、(今の時代に)アジャストできるか、そしてどれだけ愚直且つひたむきにそれらを実践できるかがとても大切なのだと思う。




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