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「ゾンビもの」の決定版「屍者の帝国」

<SF(43歩目)>
ゾンビものの決定版か。読後にゾンビの残像がすごく残ります。

屍者の帝国
伊藤 計劃 (著), 円城 塔 (著)
河出書房新社

「43歩目」は「ゾンビもの」の決定版。伊藤計劃さんと円城塔さんの合作作品を深く味わえる作品です。

著者の伊藤計劃さんは、2007年にこの作品でデビュー、そして2009年にがんで亡くなられています。亡くなる直前に執筆開始。30枚の残された原稿から、引き継いだ円城塔さんが書きおろしています。

「ゾンビもの」はアメリカが主流です。小説でも、映画でも、テレビでも2000年代に沢山の作品が作られました。
そのうちの一つの映画「バイオハザード」シリーズは、大好物です。

しかし、この「屍者の帝国」がある程度の打ち止め作の様になっています。
「ヴィクター・フランケンシュタインによって屍体の蘇生技術が確立され、屍者が世界の産業・文明を支える時代が到来」とありますが、こんなカテゴリーはありませんが「ゾンビ・パンク」の世界です。

ちょっと解釈が難解なところ(円城塔さんに多い)がありますが、世界観が他にないもので一気に読み進められます。

誰かの作品を誰かが引き継ぐって、ちょっと馴染みないものに感じます。
しかし、あと何年かで私はSF作品の「if」で分岐する結末がシミュレーションゲームの様に分岐する世界が始まると思う。(AIの創作への利用ですね)

そんな時に、伊藤計劃さんと円城塔さんの「屍者の帝国」があったり、伊藤計劃さんと〇×さんの「屍者の帝国」が出来たりの世界が来ると感じています。

世界観を共通にして、それぞれのギアやプロットは異なり、複数の作品が出てくる世界。

文学では困難かもしれませんが、あんがいSF作品で最初の試みが行われる気がします。

結構、変化は早そうです。

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