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中東問題をニュートラルな立場で考える契機に「テロル」

<文学(8歩目)>
「テクノロジー(技術)」で究極に格差がついたその先には。。。懸念すべき世界が広がる。。。

テロル
ヤスミナ・カドラ (著), 藤本 優子 (翻訳)
早川書房

「8歩目」は中東イスラエルを舞台にした「自爆テロ」にかかわる衝撃的な作品。

もう16年前に刊行された書籍。私はだいぶ遅れて読みました。「テロ」ってサイアクです。

外国人のビジネスパートナーから「自爆テロ」の歴史上の原点が日本にあると指摘されると、例え仲良しのビジネスパートナーであっても口論してしまう。個人的に「テロ」については許せない思い。。。

しかし、先入観なく読んだが、心を打ちのめされました。非対称の戦争(技術格差により、片側には何のリスクもなく、技術が遅れた側を徹底的に叩きのめす戦争)がもたらす不幸の先に、自らが唯一決定権を握れる手段として残されたものが「テロ」であるとは。。。

80年前の「KAMIKAZE」は、国力の差により起きたものと思うが、現代では国力や貧富による格差以上に「テクノロジー(技術)」の格差によって、「非対称の戦争」が増加している。

言葉にすると難しいが、2023年現在も、色あせることなく考えさせられる本でした。

作者のヤスミナ・カデラさんはアルジェリア出身のフランス人作家。こんな作品がフランスでベストセラーになった事実に、意識の高さを感じました。さっそく、ヤスミナ・カデラさんの全作品の一気読みをしました。

とにもかくにも、ウクライナ戦争のこれから起こる戦後処理。あるいは現在のガザにかかわる紛争においても、戦後処理で同様の問題が起きそうです。
私たちには身近な話題ではない。故に、2023年の日本人にとっても「テロ」が起きる背景を理解するのにおススメです。

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