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物書き(仮)でも喋りたい

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作品の感想文。急に思い付いた日記にする程ではない駄文。そんな物が見れます。
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#今日のつぶやき

人を見て自分を見る【映画感想文:夜明けのすべて】

人を見て自分を見る【映画感想文:夜明けのすべて】

ある映画の舞台挨拶を鑑賞した。
私は雪国に住んでいるので、直接ではなく全国生中継の恩恵を受けた観客のうちの一人だ。

正直、今回の作品を最初に知ったのは、私の好きな俳優さんが映画をやると知ったからだ。

原作があるというのなら、先に読んでおくのが礼儀だと自分勝手にルールを作った私。作者やパッケージに触れて「読みたい」と思ったわけではないあたり、不純な理由から入ってしまったかもしれない。

だがこの

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正解を探して【映画感想文:ちょっと思い出しただけ】

正解を探して【映画感想文:ちょっと思い出しただけ】

記憶って、自分が捨てたと思ってもどこかに残ってることがある。

引き出しの奥の方とか、衣替えで衣替えしなかった衣服の中とか、絶妙に手が届かないベッドと壁の隙間とか、中学校の卒業アルバムの隣とか。あれ、ここにあったんだと、ふいに思い出すことがある。

元々あったし使ってたし、なんなら愛着持って接してた物も、目の前から無くなったら私達は「捨てた」「忘れてた」と解釈する。

でも物とは違って人は、対

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人生設計【読書感想文:村田沙耶香 生命式】

人生設計【読書感想文:村田沙耶香 生命式】

本を一冊読み終えた。
『生命式』という短編集だ。今回は全作まとめた感想を書こうと思う。

この作品には、世界の変化についていく人間と、それに疑問を持つ人間の二つが存在した。現代を生きる人間が、以前までは有り得なかった生活をしている。

でもその変化を作っているのも人間で、誰しもが良い方向に変わりたくて動いている。出来るだけ楽しく、明るく、安心して生きられる世の中を常に望んで生きている。だが、未来は

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Bitter chocolate【映画感想文:ウォンカとチョコレート工場のはじまり】

Bitter chocolate【映画感想文:ウォンカとチョコレート工場のはじまり】

チャーリーとチョコレート工場を観たことがあるだろうか。私は観たことの無い人を知らない。

先日、ウォンカとチョコレート工場のはじまりを観に行ってニッコニコで帰ってきた。
私は非人間的なものも色とりどりの世界もファンタジーも大好き。ウキウキで鑑賞してきた。

前作のチャーリーとチョコレート工場は2005年に公開したそう。私が5歳の時だ。でもこの映画のあるあるだと思うが、いつが最初かなんて分からない。

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誰かの凸凹【読書感想文:朝井リョウ 少女は卒業しない⑵】

誰かの凸凹【読書感想文:朝井リョウ 少女は卒業しない⑵】

前回の投稿はこちら↓

本を一冊読み終えた。
『少女は卒業しない』という短編集だ。今回は二作目、「屋上は青」の感想文を書こうと思う。

「メイク崩したくないなあ」そう思った。

私の母は、自分が異端であることや人と変わっていることを自負している人間だ。
誰の目も気にせず、好きなことややりたいこと、大切な人の為に必死に動くことが出来ている。
だから、私がどんな選択をしようと、どんな物が好きだろうと、

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非日常【読書感想文:朝井リョウ 少女は卒業しない⑴】

非日常【読書感想文:朝井リョウ 少女は卒業しない⑴】

前回の読書感想文はこちら↓

本を一冊読み終えた。
『少女は卒業しない』という短編集だ。今回は一作目、「エンドロールが始まる」の感想文を書こうと思う。

短編集の舞台は高校。
一つの何気ない理由の塊が近くに現れることを知って、彼らの日常が非日常として繰り広げられる話だ。

日常は、自分が思っていなくても出来上がるものだ。

朝起きる、顔を洗う、友達や先生に挨拶をして、つまらない授業を右から左に受け

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