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徒然

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#短歌

2024-08-18 誕生日20集連作

2024-08-18 誕生日20集連作

特別さなくなっていく青空の下で腐ってしまうお盆のカレー

『今月の誕生日の子』に並ばない8月生まれ蝉も死んだか

これからは絶望感の勢力が勝っていく我の影濃く

足掻く気もなくなってきた夜夜中まだ産まれてはいない気がする

真っ白な家をペンキで塗りましょう あなたを思い出さないように

大学を非常口から立ち去ってビッグになれないままのニンゲン

一年をかけておんなじ場所にいる解放計画断念直前

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【31日目】嗚呼、今日は終焉だと名付けよう 止まらない歌始まる気配

【31日目】嗚呼、今日は終焉だと名付けよう 止まらない歌始まる気配

ゴールデンウィーク明けすぐに
新卒で入った会社をモラハラ被害で退職をして、
心は酷く形を変えてしまった。

自身の醜さや至らなさ、無駄な感情、希死念慮が渦巻き続けて、川を流れて地球の反対の海にでもいければいいのに。

自分は無力でクソだ。

そう思った。

なのに、何かをしたいというプライド、
何かができるはずなのにというプライドが
ずっとあって、苦しくなっていく。

真逆の感情がぶつかり合って、

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【28日目】澄み渡る命に触れた誰よりも強くなければいけなかった日々

【28日目】澄み渡る命に触れた誰よりも強くなければいけなかった日々

わたしが愛情を知っているのは、あの子達に出会えたからだ。

わたしは末っ子だ。
4つ上の兄がいて、わたしがいる。

母方のいとこはみんな新潟にいるため、年に一度会うこともない。
思えば、もう10年ぐらいあってないだろう。
父方のいとこも関東とフランスにいるから、会うことはない。
関東の方とは反りが合わず、若干険悪な関係だ。
フランスのいとこは、去年とても久しぶりに日本に来た。
何度か遊んだけれど、

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【27日目】攫われていく異界はひややりとすぐそこにあって帰れない青

【27日目】攫われていく異界はひややりとすぐそこにあって帰れない青

わたしは、お盆の時期になると「川に足をつけに行きたい」という衝動に駆られる。

浅い川の石の上に足を置く。
川上からどこかの海に向かって流れていく、
ゆるくて冷たい水がわたしの罪も攫ってくれそうで、
鱗のような空の反射色を眺めている。

その記憶がどこかにあって、わたしの心はそれを求めてしまう。

海ではなく、
川でなければいけない。

緑の匂いがする中で、木漏れ日にチラチラする目で本当の太陽の色

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【26日目】進むべきその階段は安全か? 朽ちゆくからこそ登るしかない【文フリ大阪出店】

【26日目】進むべきその階段は安全か? 朽ちゆくからこそ登るしかない【文フリ大阪出店】

文学フリマに出会った日のことは覚えていない。
いつのまにか知っていたし、当たり前になっていた。

だけど、出ると決めたのは明確な強い意志だった。

大学の授業で提出した小説『もう醒めない』があまりにも酷評だった。
誰も何も理解していない。
比喩や表現技法などが読み取られず、わたしの技術が悪いのかと不安になった。

しかし、わたしの中では確固として素晴らしい作品を書けたという自負があった。

絶対に

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【25日目】好きでいる それだけのことが難しく太陽は海に沈んでいく

【25日目】好きでいる それだけのことが難しく太陽は海に沈んでいく

大人の人に会うと「ご飯食べてる?」と必ず聞かれるほど、比較的痩せ型の人間だ。

とはいえ、割と普通な体重である。
確かに、痩せすぎにはなるが、おしりは大きめだし下半身もしっかりある。
胸がないから酷く華奢に見えてしまう。

ご飯はよく食べる。
好きなご飯は、米だと言うタイプの人間だ。
朝は食べると体調が悪くなるので、緩くちょっとだけ食べるだけだが、他の2食はとてもよく食べる。

ダイエットをしよう

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【24日目】空を見て憂鬱になれる権利あるそんな日々を死守したいだけ

【24日目】空を見て憂鬱になれる権利あるそんな日々を死守したいだけ

2025年7月に世界に異変が起こる。

そんな噂が回っている。
オカルト界隈ではもう当たり前のように言われている。

それは、ノスタルダムの大予言と同じように言い伝えられている。

だから、きっと起きっこない。
所詮は、噂。都市伝説、オカルト。

怪異が大好きだからこそ、それらをよく聞くし、仕組みも理解している。
恐怖心とは、信じることで募るし、警戒心にもつながる。

わたしは、正直オカルトは好き

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【23日目】夢だから知ることできた真実は現実に反映されるだろうか

【23日目】夢だから知ることできた真実は現実に反映されるだろうか

父が突然怒り出した。
わたしと母に向かって、「お前らは怠けすぎだ、何もしてない。お前らは本当にダメだ」って。

父は怒る人ではなかった。
だから衝撃だった。

だけど、わたしは言い返す。

「わたしのこと大事だと思ったことあった?愛してる?素直に言ってよ」

ずっと聞いたことのなかったこと。

「……愛したことはない」

そう答える。
わかっていた。ずっと知っていた。
だけど、喉から苦く熱いものが

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【22日目】禁足地増やしてまわる生き様は神に反逆するためのチカラ

【22日目】禁足地増やしてまわる生き様は神に反逆するためのチカラ

禁足地が増えていく。

会社を退職してから、もう3ヶ月経つ。
だけど、まだ傷は癒えることはなく、自己嫌悪と怒りとに苛まされ続けている。

それでも、会社の全員で行かなければならなかった昼食で行ったご飯屋さんの割引クーポンは届き続ける。

会社の最寄り駅やその付近にはもう行けないと思う。

色んなフラッシュバックにぶち当たり、動けなくなるから。

思えば、禁足地を増やし続けてきた。

小学生での不登

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【21日目】刑場は運動場でいくつものわたしの首が転がり腐る

【21日目】刑場は運動場でいくつものわたしの首が転がり腐る

みなさんは、『全体遊び』を好きでしたか?

わたしは、大嫌いでした。
きっと、多くの人がそうでしょう。

わたしは、あの苦痛を忘れない。

わたしが通っていた小学校では、昼休みである25分休みで
班ごとで遊ぶ『班遊び』とクラス全員で遊ぶ『全体遊び』があった。
平日の5日間は交互にそれを繰り返す。

給食を食べ終わったら、みんなで校庭に出る。
ご飯が食べ終わらない子はぐちぐちと文句を言われる。
確か

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【20日目】思い出す記憶は全て苦味ありゴーヤチャンプルーは甘かった

【20日目】思い出す記憶は全て苦味ありゴーヤチャンプルーは甘かった

最近、我が家でも麦ご飯が導入された。

白いお米を洗って、押し麦を後から入れて水を入れて炊く。
それだけで、栄養価が上がり、便秘や体質改善にもつながるという。
前から話題になっていたけど、何となく挑戦していなかった。

テレビの情報番組で、麦ご飯特集が流れていた。

ああ、そういえば、わたしは麦ご飯が好きだった気がする。

思い出すのは小学生の時の給食だ。

わたしの地域は、比較的給食が美味しいと

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【19日目】作られた他人の言葉に寄りかかる眠っていたいのと同じ理由

【19日目】作られた他人の言葉に寄りかかる眠っていたいのと同じ理由

わたしは、何度も何度も繰り返し同じものを読む続け、見続けることが好きだ。

今は、寝る前には
『ギャグマンガ日和』を読みながら、『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』を流す。
そして、だんだんと眠りに向かっていく。
前までは、ラジオは流さず、ゆるいギャグ漫画を色々読んでいた。
『ちちとこ』『田中くんはいつもけだるげ』と言ったところだ。
でも、いつの間にか読めなくなった。
どうしてかはわからなけど、手を伸

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【18日目】導きに従うままに雲があり天使の梯子は外されていく

【18日目】導きに従うままに雲があり天使の梯子は外されていく

演劇が好きになったのは、物心がつくと同時だった。

5歳の時から、わたしはラーメンズを見ていた。
毎日、ラーメンズの公演DVDを見ながら、ギジジンの真似をする。

周りが、クレオンしんちゃんやポケモン、ドラえもんを見ている中で、
わたしはラーメンズとアニマル横丁とドレミちゃんを見て育った。

その頃から、同世代と話は合わない曲者感が養われていたのだろう。

小学生になるにつれて、片桐仁がおかしくて

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【17日目】日常は非常事態で仲間すらゾンビになったとして生きる

【17日目】日常は非常事態で仲間すらゾンビになったとして生きる

やりたいことはいくつもあった。
叶えたい夢はたくさんあった。

それは別に特別なことじゃない。

ただ、サークルを作って友達と活動したい。

それだけだった。
そのために大学入学が決まった時からSNSで繋がりを作って、
同級生で同じ志を持つ人を見つけて、
活動方針も出す。

わたしは、不登校だった。
だからこそ、大学生として不登校たちと関われる空間が作りたかった。
舞台もやりたいねって言っていた。

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