"資産"が金や株だけなわけないだろう。そういう人から病んでいる

明日を生き抜くために何が必要だろうか?

そもそも、明日を生き抜きたい人はどれくらいいる?

現代の日本は、漫画『キングダム』のような殺し合いの土俵に押し込まれている訳では無い。

むしろ自殺したい人だっていっぱいいる。

余程のことがない限り、私たちは飢えることなく暮らしていくことが出来るだけの、経済基盤や社会インフラが整っている。

それでもなお死にたい人はいる。

それでも私たちは働く。
ニートにはなれない。
そういう人たちを羨ましく思いながらもそういう立場に身を置くことはしない。

それはなぜかと言うと、資産を築きたいからだ。

ただ生きているだけでは満足出来ないし、将来を生きるには医療費やその他もろもろの出費に対応しなければならないし、贅沢をしたい気持ちだってある。

そのために受験やら就活やら詐欺やら不正やらを人間たちは必死にはたらく。

それで、病む。

私が思うに、これらは全て「資産」の解像度が低いから病むんだと思う。

別の言葉で言い換えれば、人生で何を集め、礎にすべきなのかが、お金やその類に偏ってるから病むのでは?と私は仮説を立て始めたのだ。

資産は大別すると4つ。

  1. 経済的資産 (お金とその類)

  2. 文化的資産 (思想や習慣)

  3. 社会的資産 (人とのつながり)

  4. 遺伝的資産 (生を受けるとともに得たギフト)

世の中、特に先進国は、1の経済的資産ばかりに気を取られている人が多いから病むんじゃないかなと思う。

1-4どれかひとつでも著しく欠けていると今の社会はとてつもなく生きにくいはずだ。

それでも1に囚われがちなのは、運命や親ガチャ、運のせいにしやすいか否かが大きいと思う。

たとえばこんな家族に産まれたとして、恵まれていないのは「お金」だけだろうか?僕にはそれだけだと思えない

たとえば、「貧乏」に産まれたら、その人は責められにくいし、運が悪かったと同情されるだろう。

では、「学校の成績が悪い」のはどうか?

これは「本人の努力不足」と言えてしまう。
実際、努力すれば巻き返せる。

しかし努力するには1-4の資産が欠かせない。
お金に困り、その日の生活でいっぱいいっぱいなら?
そもそも、学校の成績が悪いことを本人が気にしてなくて、大人になってから後悔するとしたら?
塾や学校の先生に嫌われていて会話が少なかったら?
助けてくれる友達がいなかったら?
何らかの障害があって、理解するのが不可能だったら?

私は中学から大学にかけて、勉強すら頑張らない人をバカにしていた。なぜ、やれば伸びるのにやらないのかと。

でも実際は、私は、1-4の資産に恵まれていただけなんだと気づいた。そもそも気づけたのだって、大学に通えたからだ。

この画像、「当たり前の光景」のようで、
実はいくつもの資産を経て得られるようになる光景なはずだ。


では、「嫌なやつ」としてクラスメイトから嫌われる生き方をしていたらどうだろう?

お前がそんな性格だから嫌われるんだよ、と言われて終わるんだろう。

でも、毎日、衣食住に不満のある環境で生きていて心を豊かに保てるだろうか?

家族みんな嫌なやつなのにいいやつに育つだろうか?

他の「いいやつら」と思われている子達は、子供の頃から親同士の付き合いで色んな子と接する機会があったのに「嫌なやつ」と思われている子はずっと家の中でいい子にしてなさいと言われて育っただけだったらどうだろうか?

そもそも発達障害などで人と仲良くする脳の機能が欠落していたらどうだろうか?

そういう事情があっても、嫌なやつとか嫌なことをしたり言ったりするやつとかになったら、それはやっぱりそいつの責任なのだろうか?

4つの資産は、精神状態や健康状態にすら影響してくると思う。
しかしそれも「自業自得」とされがちだ。


かつて私は、こういうことに気づいて、教師をやっていて辛くなっていた。

学校は、修行の場所だと思う。
法律の中で学校の目的は「人格の完成」と謳われてるくらいだし。

できなかったことができるようになるのは尊い。

でも、別に出来なくても本当は差し支えないようなことまでできるようにならないとイカれた人間に認定されてしまうかのような雰囲気が、学校にはある。

だからこそ、1-4の資産がないこどもにとって学校とは苦痛で仕方ないところになりうる。

そんなことに気づいてしまってから、委員会の顧問やら、歴史の授業やら、そんなことの全てが、子どもに対してものすごく悪いことをしているような気がしてきて、だんだん学校に行くのが憂鬱になっていた。
シンプルに上手くいかないこともたくさんあったし、しまいにはえげつねえ不倫されるし、学校やめた。

なにかこの4つの資産について誰かの役に立てる生き方が出来たらいいなと、教師を辞めた今でも思っている。

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