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【詩】あの時、確かな恋をしていた

【詩】あの時、確かな恋をしていた

あなたへ

手に握られる缶の色
変わっていく味覚が恋しい
どんな量の思い出も
片手に収まるこの時代に
優しいふりして近寄る大人が怖い 嫌い

君に誘われる夜の部屋
変わっていく香りが寂しい
どんな量の愛情も
両手じゃ溢れるその未来に
優しいふりして触れ合う僕らが辛い きもい

年を重ねるほどに壊れるのは
社会の方か。

ずれた「優しさ」が僕を飲み込み
ゆらりゆらりと景色が揺れる
涙が出たのだと

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【詩】今日も私は。

【詩】今日も私は。

春を運んできた風が、
少し冷たくて、
彼と別れたあの日のページが
気づけば開かれてしまっていた。

もっと縋ってみればよかっただろうか。

そんなことを、
ふと思ってしまった。

素敵に歳を重ねているのだろうか。

そんなことを、
ふと想像してしまった。

なんだか私は、
自分のことがとてもつまらなくて、
汚い人間に思えた。

何に向かって頑張っているのかわからず、
ただひたすらに走っている。

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