#花
立秋;第39候・蒙霧升降(ふかききりまとう)
信州の山あいの集落。少年時代を過ごした場所から尾根を一つ超えたこの土地に、この頃なぜか惹かれ、帰郷すると立ち寄っている。「お姫尊(お姫様)」と地元で呼ばれる大岩があって、小さい頃遠足で行った。
下のお宮のお祭りに一度か二度来たことがあったっけ。小さい頃はたくさんある小さなお宮それぞれで秋祭りがあってとにかく行くのが楽しかった。ちょっとずつ雰囲気が違うし、中学生くらいになるとちょっと遠くに友達がで
芒種;第25候・螳螂生(かまきりしょうず)
冷房が効かないので
窓を開けて車を走らせていると
どこからやってきたのか
蟷螂の子がフロントガラスを斜めに翔けていく
たった一匹
梅雨入り前の途方も無く広い空を眼下に
二つの鎌を立て
身を反らせて
三角まなこはみどりの粒で
あんなにも軽々とあらわれて
もう会えない
花を活ける仕事をしていると
稀に蟷螂の卵が付いている枝がある
捨てられないのでバルコニーなどに保管しておくと
春分 第12候・雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
遠くで雷の声がし始める
夜中に台所で僕は、、、という詩があったけど
夜中に起きて水を飲もうと灯りをつけたら 昼間の花活けで払った枝が流しに活けてあった
この小さな白い花の 今ここで咲く不思議 にこんな夜更けに出会う不思議
咲くことは
とよもす遠雷のように 古く
いまここで それが聞こえることが
咲くという 淡く艶やかないとなみ
花は春の陽に美しいが
月や夜が彼らの別の姿を