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夏至;第28候・乃東枯(なつかれくさかるる)

夏至の前の日、故郷へ。この時期に帰ってきたのは久しぶりだ。

ここのところ帰れば必ず立ち寄る棚田から見た夕景。18時でまだこんなに明るい。

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北欧などでは夏至の朝、森に入って花を摘み飾ったり冠を作ったりして身につける。

夏至の日の朝露はエネルギーが高く、朝露と朝陽を浴びた花々はとりわけ美しく幸福を招くとされる。そんな意味合いも込めて母親へ贈る花を束ねた。

乃東=夏枯草=靫草はシソの仲間。そういえばストエカスラベンダーにも似ている。これも薬草。花が終わって枯れたように見えるけど、冬至の64候と一対で太陽の再生から最盛期までその成長と同期させられている植物。


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胡桃の実はまだ青い。

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梅雨のことを落栗花とも書く。栗の花が落ちる頃。

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夏至の花を束ねた棚田のそばには「歩き巫女」のお墓がある。この辺りは「お姫様」と地元で呼ばれる巨石を祀った聖地があったり、姫子沢という地名があったりする。かつて「歩き巫女」たちが集団生活をしていた地もあったという。

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今年2020年の夏至の太陽。部分日蝕で昨日より暗い。肉眼では雲間に欠けた月が見えたのだけど。上の写真は前日。ほぼ同時刻。だいたい同じ位置。

部分日蝕の時間。燕がなにやら落ち着かなかった。僕はまたこの巫女たちが眠るお墓に寄った。なんだかわからないけど夏至の日に行く意味があったのだと思う。

新月とも重なったこの日。昼間は軽井沢の緑の中でこの地を巡るこれからのことを話した。しばらくいると木陰は肌寒いくらいだった。身が漱がれた。


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