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「私が悪かったです」は、100%再発する|正しい謝り方の4ステップ
メンタルが落ち込んだとき、感情のままに「やらかし」てしまう覚えのある人は少なくないはずです。「またやってしまった」と過剰に落ち込み、「私が悪かったです」「もうしません」と謝罪する人も多いのでは。
実はこの謝罪、100%、また同じことをやらかしてしまう「無意味な謝罪」であることをご存じですか。
今回は、「意味のある謝罪」と「意味のない謝罪」、そして「謝ることの意義」について考えてみます。「正しい謝り方の4ステップ」や「そもそも謝りたくないときの対処法」などについてもガッツリ解説しているので、ぜひお読みくださいね。
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女性加害者のための情報発信団体Co3(シーオースリー)代表・さりたも(高本紗理菜)です。noteでは、暴力に頼らないコミュニケーションを身につける方法や、DV加害者が日々を生きるヒントについて、毎週2回、無料で配信しています。
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なぜ、「私が悪かったです」だけの謝罪はNGなの?
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「私が悪かったです」という言葉、かなり勇気を出して使う人も多いはずです。
「そもそも、私には非がなくて、悪いのは相手。こっちが折れて"謝ってあげた"のに、それもダメなの😇?」
「私に悪いところがあったのは確かで、でもこちらにも事情があった。しんどい気持ちを全部飲み込んで"私が悪かった"と罪を被ってあげた。これがダメと言われると、自分の頑張りを全否定されたようで、とても悲しい😞」
そんなふうに思われる人も多いのではないでしょうか。
その気持ち、とってもよく分かります。でも、やっぱりこの謝り方は、よくないのです。理由を解説しますね。
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理由1. 問題が根本解決しないから
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これまでにもあなたは、「私が悪かったです」と言うだけの謝罪を繰り返してきていませんか。
それで問題が完璧に解決したことって、これまで、ありましたか。
むしろ「これからは失敗できない」と思ってストレスが増したり、もしくは「私があんなに折れてあげたのに」と相手にイライラが募ったりしませんでしたか。
また、相手がまだ不服そうな顔をしているのをみて「謝ったんだからもういいでしょ?! もう蒸し返さないでよ」と思ったりすることも、あるかもしれません。
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謝っても、心はザワザワしたまま……。そんな状況の場合、あなたの心は傷つきやモヤモヤを抱えたまま、日常生活に戻っていくこととなります。
いうなれば、その問題は未解決、ということ。未解決の問題は、再発してしまうのが当たり前ですよね。
理由2. 相手への要求レベルが高いから
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また、こういった「言うだけ謝罪」は、相手にも不完全燃焼感を与えています。
謝罪というのは、そもそも、相手に「許すこと」を要求する行為でもあります。謝られた相手を許さないというのは、かなり体力のいる行為だからです(きっとあなたにも、許したくない相手から謝られてしんどい思いをした経験があるはずです)。
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「言うだけ謝罪」の場合、相手はどういうふうに事態を受け取るのでしょう。
問題は未解決のままです。つまり、何が起きて、誰が何をして、何が問題なのかもよく分かっていない状態で、とにかく「相手を許します(相手に明確な非はありません)」と伝えなければならない。
これは、かなり精神的に負荷の高い行為です。
感情的にさせられたのにもかかわらず、相手から一方的に「もうこれで終わり」「もうあなたに、感情的になる権利はない」と宣言されてしまう。
感情の持って行き場はなく、モヤモヤする思いを無理やり抑え込まなければ「ガキだ」「未熟だ」と言われてしまうわけです。
これは、それなりにしんどいことです。
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私が全て悪いのです、と伝える行為は、いっけん、自分から非を認めていて「大人」な態度にも見えます。
でも実は、実態は逆なのです。
「私は問題を根本から解決はしたくない。あなたが大人になって、私を全肯定することで、事態を収めなさい」
と宣言しているだけ。実は、かなり「子供っぽい」態度なのかもしれません。
正しい謝罪は4ステップ
とはいえ、あなたが「私が悪かったです」と言うとき、それは「私が先に大人になってあげます」という気持ちがあるのですよね。その気持ちは本当に素晴らしいものだと思います。
重要なのは、その気持ちがより上手く伝わる方法を学ぶことです。
謝罪には「正しいステップ」があります。今後、何かを謝らなければならないときは、このステップに従って謝罪をしてみましょう。
合言葉は「わたし」「あなた」「なんで」「きをつける」。
頭文字を取ると「ワア泣き」です😭。
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謝罪するときは「ワア泣き」しちゃいそうな、心細い気持ちになりますよね。でも大丈夫! この謝罪がきちんと上手くいけば、あなたの気持ちもスッキリ晴れるはずですよ。
ステップを、順番に解説します。ちなみにこのステップは、順序を変えると、相手に意図がうまく伝わりづらいため、1から4までを順番に伝えていきましょう。
1. わたし|自分が何をしたか
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まずは、自分に罪があることを全面的に認めます。
もちろん「相手にも悪い部分がある」「そもそも、相手が原因となって始まったのに……」という気持ちがくすぶっていることもあるでしょう。
ただ、それとこれとは別、と割り切りましょう。今もしあなたが、相手に対してなんらかの「やらかした」感を抱えているのであれば、そのことについて謝ります。
例)
「私は今回、あなたに"うるさい"と怒鳴ったり、せっかく買ってきてくれたご飯を食べずに捨てたりしました。ごめんなさい」
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ここでの注意は、「相手を傷つけた」と思っていること以外は、言わないことです。ありがちなのが、「完璧にできなかったこと」への謝罪です。
「本当は料理をプロレベルで美味しく作らないといけないのに、できませんでした」
「ワンオペ育児を頑張るべきなのに、頑張れませんでした」
「年収を上げるべきなのに、上げられませんでした」
これ、実は、相手は特にそんなことを求めていないケースがほとんどです。
自分が自分に対するハードルを上げているだけなので、基本的に相手は関係がない、と心得ておきましょう。
ただし、この場合は、以下のようなことで謝るポイントが生まれているかもしれません。
「(完璧になれない自分にイライラして、)疲れたとき怒鳴ったり、声を荒げたりしてしまいました」
判断ポイントは、相手に加害をしてしまっているかです。
2. あなた|相手がどのような被害を被ったのか
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ステップ2は、謝罪のなかで最も重要なポイントです。相手の立場で、どのような被害が生まれたのかを言葉にします。
例)
「あなたは普段通りに生活していたのにもかかわらず、私から急に怒鳴られ、イライラしたよね」
「用意したご飯を食べてもらえないので、傷ついたよね」
「普段ならいつも通りに家で眠れるはずなのに、漫画喫茶などに行って一晩過ごすことになり、非常時の対応を迫られたよね」
「外に締め出されて、寒い、辛い思いをしたよね」
ここでは、「踏み込みすぎかな?」と思うぐらい、相手の気持ちや、被った被害について言葉にすることが重要です。
相手がどのような状況にあり、どういった気持ちになったのか。ここをなるべく詳しく伝えることで、相手ははじめて、「今回の件で、痛みや傷つきがこれ以上広がることはなさそうだ」と安心できます。
相手の傷つきや苦しみにまで気持ちが向かないときは、まだあなたの心が、謝罪する段階にないということ。後述するように「一旦休む」「静かで落ち着ける場所で、一人になる」などの段階を挟みましょう。
3. なんで|どういう状況で問題が起きたのか
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今回の問題が、なぜ起きたのかを説明します。
例)
「私が一人で頑張らなければと思い詰めすぎた結果、疲労が溜まって、あなたを逆恨みするような形になってしまった」
「トラウマがあって、こういう事態に対して過剰に反応してしまう」
「生理中で何をしてもイライラしてしまっており、イライラを抑えることができなかった」
ここでのポイントは、「自分のなかではしっかり考え、相手に伝えるときは簡潔に伝える」こと。長くても3文程度を目指しましょう。
あまりにもこのステップが長くなってしまうと、相手があなたをケアしなければならなくなり、謝罪にも失敗してしまいます。
相手がこの段階で知りたいことは「なぜ自分が傷つくような事態が起きたのか」。「そういう裏事情があったから、こういう問題が起きたのね」と納得してもらえれば、今の段階では完璧です。
4. きをつける|再発を防ぐために自分が何をするか
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最後に、再発を防ぐために、自分が何をするかアイデアを出してみましょう。
例)
「夕方はどうしても疲れて余裕がなくなってしまうから、夕方以降は家事をしないことにする」
「家事がしんどいから、時短家電を導入するね」
「夕食作りが負担になっている気がするから、夕食はこれから毎日ホットサンドにしてみる」
「トラウマに対して過剰に反応してしまわないように、カウンセラーさんに相談してみる」
「生理前はイライラしやすいから、生理中は私だけビジネスホテルに泊まるね」
「自分の時間がなくてイライラしていたから、これから毎週日曜日は、私は一人の時間を過ごすね」
「仕事が多すぎて八つ当たりしていたから、今の仕事は断る」
ここでのポイントは、基本的に自分のなかで完結した解決策を提案する、ということです。
特に以下のように、相手に強い変化を求める要求は、基本的に通らないと考えておいたほうが精神衛生上うまくいくことが多い傾向にあります。
「もっと私の話を聞いてほしい」
「あなたも私に気を遣ってほしい」
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また、相手から「夕食は美味しいものを出してほしい」「時短家電は購入しないでほしい」「カウンセリングは受けないでほしい」など、あなたの提案を否定する発言が出た場合は、いったん拒絶して構いません。
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もちろん、自分の出した案が絶対に正しいとは限りません。案はあくまで「案」です。トライしてみた結果、あまり現状が変わらない、ということもあるかもしれません。
しかしその場合は「もっと他のアイデアを検討してみよう」と考えればいいだけのこと。
ここで重要なことは、あなた自身が、パートナーに加害をせず、よりポジティブに毎日を過ごせるために何ができるかを考え、何かを変えてみた、ということなのです。
「生活は何も変えないでほしい。とにかく頑張って努力して、頑張る気持ちでトラブルを起こさないようにしてほしい」とパートナーが要求するのだとしたら、それこそ建設的ではありません。
大事なのは、加害をしないこと。その前提をきちんと共有することも、必要ならこのステップで実施しておきましょう。
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また、あなた自身が「仕事は断りたくない」「家事のレベルは落としたくない」と思う場合、もちろんその意思を優先して構いません。
ただし、それによって、イライラしてしまう、パートナーに加害をしてしまうといった問題が解決しなくなるリスクは当然あります。
仕事や家事と、パートナーと歩む人生、どちらのほうが失ったときにダメージが大きいかを考えておくほうが無難です。
パートナーよりも、仕事や家事のほうが重要。そういう選択肢や考え方も、当然あると思います。「何も変えないのに、なぜかどちらも捨てずにすんだ」というようなラッキーは、残念ながら起こりません。
相手が受け入れてくれるかは、気にしない
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もちろん、4ステップで謝罪をしたからといって、相手が確実に許してくれるかどうかは分かりません。
でも、それでいい、と割り切りましょう。
この謝罪は、相手に許してもらうためにするものではありません。
そうではなく、自分のなかで、自分がしてしまったことを納得するため、そして、自分は今回の問題に対してできるだけのことをした! と、自分に対する誇らしさを持つためにすることです。
私は、できるだけのことをした。
対策についても、考えた。
だからあとはもう、忘れてOK。
私は今回のミスについて、忘れる権利を得た。
そんなふうに、いい意味で切り替えましょう。
必要以上に「私は加害をした」と落ち込んだり、モヤモヤとした気持ちを抱えたままでいると、むしろ「なぜ、私にここまでのモヤモヤを抱かせるの?」と、相手へのイライラが募ることにもなりかねません。
「やるだけのことをしたのだから、このあと相手がどう考えるかは、相手の問題であって、私がコントロールできることではない」
と考えると、気持ちが少しラクになりますよ。
謝る前に、まず休む
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「こんなふうに相手のことを気遣うなんて、嫌だ……」
そう思ったあなたの気持ちも、また正しいものです。相手のことを気遣えない、と感じたときは、まず休みましょう。
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あなたは今、とても傷ついた状態にあるのだと思います。
誰かのことを気遣えるのは、自分の傷がケアされたとき(もしくは、これからケアできると確信できているとき)です。
イライラがどうしても止められないときは、まずセルフケアを「これでもか」というぐらいやってみてくださいね。たとえば、こんなことをしてみてください。
1日、ネットカフェでひたすらダラダラする
目的なしに、電車に乗ってボンヤリする
岩盤浴でまったりと、漫画や動画を楽しむ
ケアをする際は、以下のようなポイントに気をつけてみてください。
自分一人でできること
体が疲れないこと
ちょっとワクワクできること
頭にネガティブな情報を入れないこと。体を疲れさせないこと。そして、自分が楽しいと思えること。これが重要です。
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そして、ケアをした日は必ず、8時間以上睡眠を取りましょう。これだけでも随分、気持ちが上向きになってくるはずです(できれば睡眠時間は、常に確保しておくべきですが……)。
謝ったあとも、よく休む
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謝ったあとに必要なのも、やっぱり、自分をケアする時間です。
謝罪は、とても勇気のいること。頑張ったことで得られるものが「マイナスがゼロになるだけ」というのは、あまりモチベーションにもつながりません。
そこで、謝れたあとは間髪入れず、自分へのご褒美タイムを始めましょう。できれば30分以内、遅くとも3日以内がベストです。即座にご褒美に移るのは、脳に「謝るといいことが起きる」と学習させたいからです。
ご褒美タイムは、だいたい予算2,000円程度に収まると、お財布にも優しく続けやすいですね。こんなご褒美が考えられます。
古本屋で100円の漫画を大人買いする
ちょっといいカフェでランチをする
1,000円カットに行く
マッサージを受ける
映画を観る
デパ地下で美味しいお惣菜を買う
カラオケで歌う
ゲームセンターに行く
ソシャゲに課金する
お試しサイズのデパコスを買う
謝る前のセルフケアと違って、「脳が楽しさを簡単に感じられること」を選ぶのがポイントです。
おわりに
やらかしてしまったあとの謝り方について、解説してみました。
「自分がこれまでしてきた謝り方とは違った」
「自分の謝り方と似ていた」
「今まで人から謝られたときに、モヤモヤしていた理由がわかった」
などなど、ご自身に引きつけながら読んでいただけたら、これほど嬉しいことはありません。ぜひ、ご感想を、noteや下のメールフォームなどからいただければ幸いです!
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女性加害者のための情報発信団体Co3(シーオースリー)は、今月中に本格的な始動を予定しています。
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