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チャレンジ!難しい!創作大賞!ビジネス小説部門 冒頭書いてみた

自分や周りの体験から元に作ってみています。現在の学校の姿がわかってもらうきっかけになったらいいなと思って書き始めましたが、、、小説てやっぱり難しい

「またマイナス1か、、、」
 職員室のどこかから、ため息のような心のない独り言が聞こえてきた。ある先生が今日から心が病んでしまい、病休になった。今年で途中で人が減るのは二度目だ。
「教員免許のある方で代替講師をお願いできそうな人が心当たりある人は、相談したいので紹介してください。」
 校長の無理だろうなという声かけは、職員室の誰の耳にも入っていないだろう。ぼく自身もあまり真剣に聞いていない。同じ大学の同期の3分1は病休や転職をして、この仕事をもうしていない。この仕事を夢見ていた人たちが嫌になり、仕事を変えている人たちに、もう一度しないかなんて聞くことなんてできない。ましてや自分もいつまでこの仕事をするのか、この一年、いや明日も続けているか確信がない。そんなぼくが代替講師を見つけることなんて、、、一人ふと思い出した。大学の3回の途中まで仲良くしていた同じ学部の友達、大田という男を。たしか卒業して就職しようとしていたが、失敗してフリーターをしていると聞いた気がする。
「ダメ元だけど言うだけ言ってみるか」
 校長は頼りがいはないが、遅くまで仕事をしているぼくをいつも気にかけてくれている。少しでも、無駄だとしても、その人のために何かしたと自分を思うために校長室に行くことにした。



「はじめまして!大田と言います、よろしくお願いします!!」
 今日から教師として働くことになった職員室、これからどのくらいここで働くかわからないが、第一印象は大事だ。できるだけ好印象でスタートしたい、そんな思いで大きな声であいさつした。しかし、職員室の先生たちはこちらを見ているが、目があっていないようなきがする。拍手もしているが形式だけのように感じる。そんなことはどうでもいい。今日から昔憧れていた教師という仕事になるのだ。実習もいき、教員免許もとったが、教員採用試験も講師登録もせず、フリーターをしていた。
「久しぶり!急に連絡したのに、ごめんな」
 大学の同期だった細田から、連絡があったのは1週間ほど前だった。病気で休むことになった教員の代わりを探していたらしい。その後この学校の校長からも電話があり、バイトを辞めてこの学校で代替講師として働くことになった。
「大田先生が来てくれて、本当に助かりました。」
 校長室で校長はお茶を出し、書類をたくさん出し、説明してくれた。
「5年2組の担任をお願いしますね。元気な子が多いクラスだから大変だと思うけど、」
 校長はだんだん小さくなる声で話してくる。ずっと疑問だったことを尋ねることにした。
「前の担任の先生はなんの病気になったんすか?」
「気持ちがしんどくなってしまったんです、、、」 
 なんとなく予想していた通りだったため、驚かなかった。現在教師は深刻な人手不足だ。成り手が減っているだけでなく、病気になって休み人や辞めてしまう人も多くなっている。大学では教員採用試験の倍率は下がっているからチャンスだと言われたが、現場は苦しくなっている一方なのだ。と、大学の同期たちが前の飲み会で愚痴っていた。

「ここが5年2組です」
 校長先生から案内された教室までは職員室からかなり遠いように感じた。
「大田先生、うまくいかなくとも気になさらず、、」
 この校長はいつもなにか申し訳なさそうに話す。おそらく、このクラスはやんちゃな子が多く、暴れる子たちが多く、担任が扱えきれなかったのだろう。
「大丈夫すよ!」
 校長の心配とは裏腹に少しワクワクしている気持ちもある。この仕事をすることをやめたが、再びなることになるとは思っていなかった。
「おはようございまぁす」
 思い切りドアを開けて、大きく元気よく明るい声であいさつをした。そのとき自分は想像していたクラスの雰囲気ではなかった。きっとざわざわして、さわいでいると思っていた。
「静かやなぁ。」
 思わず心の声が出た。子どもたちは席に座っていた。しかし、気になったのはだれも座っていない席がたくさんあるのだった。
「はじめまして!大田って言うねん!みんなよろしく」
 教室に返事はなく、子どもたちは黙ってこっちを見るだけだ。その目は品定めをするような目だ。
「とりあえず、今日はじめましてやし、自己紹介しようか」
 今まで座っていただけの子たちが周りを見渡す。校長が廊下から手で呼んでくる。
「なんです?」
「いきなりみんなの前で自己紹介はこの子たちには難しいです」
 意味がわからない。今は6月で、この教室ですごすのはもう2ヶ月くらいたつのに、教室でいまさら自己紹介ができないというのが意味がわからない。
「どうゆうことです?」
「以前4月のはじめに自己紹介をさせたら保護者からクレームがきたんです。いきなり、みんなの前で立たされて注目をあびて、しんどくなったと、、それだけでなく、自己紹介でうまく話せなかった子をみんなで笑われたと、それからこのクラスでは強制的に話させることをやめるようにしているんです」
 なんじゃそれ。自己紹介をさせないクラスなんて自分が子どものころには想像がつかない。
「わかりました、先にとりあえず出席確認をします」
 保健室から持ってきた、健康観察簿で名前を呼んでいく。
「荒木さん」
 返事がない。
「欠席ね。」
「先生、、」
 女の子の小さい声とくすくすと笑い声が聞こえてくる。
「どうした?」
「荒木さん、いますよ」
「はい!?」
 その女の子の横に小さく手をあげて恥ずかしそうにしている男の子がいた。
「なんで返事せんねん」
 そういうとだれかわからないくらい小さな笑い声が聞こえてくる。
「何が面白いん?」
 悪い雰囲気を感じたので聞いてみると、
「なにもありませぇん」
 体の大きい男の子が大きな声で返事をしてきた。その声を聞いて、また笑い声が聞こえてくる。
「なんもないのになんで笑うんか教えてや」
 また、笑い声が聞こえてくる。
「関西弁で先生話すんですかぁ」
「ん?あかん?」
 教室からどんどん笑い声が聞こえてくる。
「変ですよぉ」
 どんどんと子どもたちの笑い声が聞こえてきて、誰が笑っているのかがわかるようになってきた。しかし、この笑いは決して楽しい笑いではなく、教師をバカにした笑いだとすぐに察した。
「なんでやねん」
 明らかにお調子ものであろう男の子が急に立って、大きな声で言った。その瞬間教室は大笑いになった。そして、だれが何を言っているのかわからないが、いろいろ何か言っているのがわかる。しかし、何を言っているのかはギリギリわからない。
「ふー。なるほどね。」
 この雰囲気があり、前の担任も尊敬されるどころか、バカにされて、言うことを聞かず、心が病んでしまったのであろう。
 おれは思い切り教卓を蹴った。ドカンととても大きな音が出たと同時に教室が静かになる。
「すまんすまん、足が当たってしまってん」
 その後はとても静かに朝の会を進ませることができた。しかし、だれも笑顔もなく、声も聞こえなくなった。一時間目の授業も二時間目の授業も誰も声を出すことがなく、進んだ。授業の準備をできていないおれは教科書を開いて読ませて、書くだけの授業しかできなかった。何度か質問をしてみたがだれも手をあげようとはしなかった。

 その日の放課後、おれは自分の教室を1人で掃除していた。掃除時間はあったのだが、だれも一生懸命しなかったからか、時間通り終わらず、ゴミが教室中に散らばっていた。そのとき放送が流れた。
「至急大田先生職員室までお越しください」
 職員室にいくと職員がざわざわしていた。
「校長室に入ってくれるかな」
 校長に声をかけられ、中に入ったら、ソファに座らされた。
「ごめんね、初日なのに、、、」
「いえいえ、なんかあったんすか?」
「クレームが何件もきています」
「どんなクレームです?」
「まず、机を蹴ってきたという話です、蹴ったりしていませんよね?」
「蹴りました」
「、、、それはどうしてですか?」
「うるさかったのでだまらせようと思ったからです」
「、、、それはよくないです、、、」
 注意をしないといけないのであろう、おれもそれくらいわかる。

 結局、校長室でいろいろなクレームを聞かされた。机を蹴ったこと、強制的に自己紹介させようとしたこと、授業が面白くない、目つきがこわい、関西弁がわかりにくいなどなど、様々な保護者から校長に電話があったそうだ。中には、子どもが暴力をふるわれたと無罪の罪までクレームが入っていたそうだ。
「最近の保護者はラインなど繋がっていますから、、悪い情報はすぐに広がるのです」
 校長はすごく頭を抱えているそうだ。話を聞いていると保護者からすぐにそのような電話が来るためほとんどの先生が子どもを注意しなくなったきているとのことだ。
「だめなことをだめって言えなくなったら終わりでしょ。」
「それはそうですが、、」
 それ以上校長は言わなくなった。

鬱、、、書いていて普通にイライラする、
続き書くのはもうしないかも笑

#創作大賞2024

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