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春夏秋冬のはなし

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‪(*´◒`*).。o○春夏秋冬をテーマにした小説
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#四季

浮かれたくなるから沈んでいくの

浮かれたくなるから沈んでいくの

 薄手のコートを出して、黒のダッフルコートはクリーニングに出した。四月になって、吹く風はまだ冷たいけれど町は確実に春だった。
 一昨日見た満開の桜は美しかったし、柔らかい日差しを浴びながら飲むカフェラテも美味しい。それなのに、僕ときたら今日死のうが興味もないような顔でコーヒーショップで一人座っているのだ。

 広げた本を読むでもなくぼうとしていた僕の耳に鈴の音が聞こえて、待ち人の来店を知らせた。

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一月の二人

一月の二人

「うーさむいー」

「暖房つけるから、効くまで布団にでも潜ってな」

 帰るなり文句を言う未来に、僕が言う。
 コートを二人分。かける場所がないから、カーテンレールにハンガーをかける。
 ストーブをつけると、ブブッと音がして中で小さな火がついた。
 上着がないことでの身体の軽さ、ゆっくりと部屋が暖まっていく時間、外の喧噪が遠のく空間。テレビをつけると、聞くでもなく音が心地よく静寂を埋めた。

「布

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金木犀の記憶

金木犀の記憶

「日曜日か……」

 カレンダーの赤字を見てぼやいた。九月の第四週。あと数日でこのページもお役ごめんだ。
 あくび混じりにだらだらと着替える。そろそろ冬服を出さないと寒いかもしれない。薄手の上着に袖を通しながら、クローゼットに目をやる。

「めんどくさいな」

 今度はため息まで混じった。
 けだるい身体を引きずって、一人暮らしの家を出る。「いってきます」を言う相手もいない生活は、普段から静かな僕

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