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茅原実里さんの一人芝居「メリーの不思議な夢」観劇レポート(ネタバレ無し)

12月23日~25日に開催された茅原実里ちはらみのりさん(声優アーティスト)の一人芝居「メリーの不思議な夢」を観るために、山梨県は富士河口湖町にある河口湖円形ホールに行ってきました!!

「メリーの不思議な夢」について

「メリーの不思議な夢」については前回noteにその詳細を記しましたので、よろしければぜひご覧くださいませ。
なお公式ページはこちらになっております。

茅原実里さんにとって新たな挑戦でありご本人にとっての再出発でもあるこの一人芝居は、しかし開演を前にしてなお幾重もの謎に包まれた演目でありました。

話の筋が分からないのは当たり前だとしても、それ以前の段階で予測不能なところが多過ぎるのです。茅原実里のすべてを詰め込んだって具体的にはどういうこと?富士河口湖町との連携ってどうやって?そして開催前に突然現れた謎の人物、ヤマさん(Yamasan.35)とは一体何者なのか?

これはもう現地に行って確かめるしかない!円形ホールは定員100名ということで今回はかなりのプラチナチケットでしたが、行けなくなったという方からチケットを分配で譲ってもらい(イープラスはこういうことができるのです。感謝!!)、現地にやってきたのでした。

【注記】本記事はしばらく「現地に着くまでの記録」がメインとなります。手っ取り早くメリーの感想が見たい方はガーっと一気にスクロールするか、目次から「感想」を選択することをオススメします。とは言え、私が行くまでの過程でこんなに長い文章を書くのには理由があるのですけれどもね。それも「メリー」の正体に繋がるかも知れない、そんな理由が…!?

今回も自転車でGo!!

筆者は東京住みなので、分解して高速バスに積みました(あらためて見ると私の輪行めっちゃ雑やな…)。

はい、ということで思いもがけず前後編になってしまった今回のnoteでは、河口湖円形ホールにたどり着くまでに立ち寄った茅原実里さんゆかりの場所その他についてご案内していきます。河口湖周辺にまつわる様々な謎めいたメッセージを残したあのヤマさんのように。

富士山

それでは河口湖駅前より。まずは皆様、前方をご覧ください。

富士山です!!
富士山がこんなにキレイに!!
富士山だよ…!!
富士山が…!!
富士山…
富士…

どこに行っても富士山がそこにある、この圧倒的な存在感が皆様に伝わるでしょうか。その雄大さを目の前にすれば、語彙力なんてどこかに吹っ飛んでしまいます。富士山や、ああ富士山や、富士山や。

走っていると「河口湖ステラシアター」の看板が見えてまいりました。
富士山はなおもそこに鎮座しております。

河口湖ステラシアター

河口湖に来たら、我々としてはやはりどうしたって河口湖ステラシアターを訪れなければなりません。茅原実里さんが13年の長きに渡りサマーライブを開催した聖地です。

私は人生で最初のアーティストによるライブの体験がこちらでした(ゲームミュージックのライブとかならそれまでにもあるんですが)。

音楽はCD聴き専で、カラオケもあまり行かない私にとって、アーティストのライブに行くなんてことは想像も付きませんでした。みんなと一緒に身体を動かし、旗を振るなんて私には到底無理。みのりんを直に見てみたい気持ちはあるけれど、私なんかが行ってもみんなに迷惑をかけてしまう…。そんなふうに思っていた私の背中を押してくれたのは、同じ茅原実里さんのファン仲間の皆様でした。

思えばあの日、河口湖ステラシアターでみんなと一緒に茅原実里さんが生で歌う姿に触れたときから、私の人生は大きく変わっていきました。あんなに行くのが怖かったライブが私の中でとても身近になり、いまでは大小含めて気になるライブに足を運ぶようにすらなっています。どこまでも優しくて温かかったみのりんファン皆様と、そして何より茅原実里さんのおかげです。どれほど感謝の言葉を尽くそうとも足りない思いです。そしてこのライブは茅原実里さんが河口湖ステラシアターで歌う最後の機会となりました(ご本人が歌手活動を休止している現時点ではそうなっています)。私にとって最初の機会が最後の機会になってしまっていることにより、ここ河口湖ステラシアターは特別な意味を持つ場所となったのです。ひとりで迷っていた私に勇気をくれた特別な場所。

河口湖ステラシアターにふるさと納税するとこのようなプレートが1年間掲示されます。さらに今年はふるさと納税者限定のステラシアター見学会イベントが開催されました。

茅原実里さんがここ河口湖ステラシアターでのライブ10周年記念のお祝いとして2018年8月に植樹したというハナミズキ。神木です。

ファミリーマート船津登山道店

このファミマはただのファミマにあらず。茅原実里さんのファンにとってはステラシアターに並ぶと言っても過言ではない聖地のひとつなのです。その理由とは…。

メリクリ~。お、さっそく飾ってあるある…。

ミノリズムのポスターに加えて「メリーの不思議な夢」のポスターが飾られておりました。

一介のコンビニが特定のアーティストに対してここまで店を挙げて応援していいのか?はい、普通だったらアウトなはずです。これは前述した河口湖ステラシアターの見学会で館長の野沢さんが仰っていたのですが、ファミリーマートは基本的に外部から持ち込んだポスターなどは貼れないのだとか。そこを上部組織と交渉し、甲府の山梨本部と東京の本社まで動かしてこのような応援活動のお墨付きをいただいたのは、この店舗の名物的存在である鈴木店長。そのお人柄から「河口湖の母」と一部で称されているお方です。

▲ファミリーマート船津登山道店の鈴木店長はこの動画に登場します。

ファミマと富士山というこの組み合わせがなんとも…。ここの駐車場からは特に良く見えます。ここにいるとみのりんファンの皆様方と良く会います。もちろんこの日のみんなの目的地は河口湖円形ホールです。

ほうとう不動(東恋路店)

まぁ見てくださいこの外観のインパクト。ほうとう屋っていうよりもデカいかまくらみたいな感じですよね。向こうには富士山も見えておりインパクトさらに倍。これぞまさにダブルインパクトなり。

ところでそろそろ「メリーの不思議な夢」の話に近付けていきますが、件のヤマさん(Yamasan.35)もやはりほうとう不動に立ち寄っているようなのですよ。ここではなく河口湖北本店のようですが。

インスタのストーリーだと、このエピソードで初めてヤマさんなる人物が35歳だということが分かるのです。なるほどだから「Yamasan.35」なのか。茅原実里さんは41歳って言ってたから、ちょっと年離れてるのか。だとすると同一人物説は消えそう?いやまだそこは言い切れないな。設定上ずらしてるだけかも知れないし。…ここで考えても仕方ない。先に進んでみよう。

河口湖大橋

まぁ見てくださいよこの富士山!!もうあまりにも凄くて凄くて凄過ぎて、これはもう写真撮るしかないではありませんか!!ということでパチリっ。なおここは特に茅原実里さんともメリーさんとも関係ないので、ひとしきり富士山を堪能したら先に進みます。

オルソンさんのいちご

この日の開演は18時からなので、河口湖円形ホールの隣にある「オルソンさんのいちご」という店舗にてランチタイム。件の人物ヤマさんもこのお店について書いています。

手記の中でヤマさんは子供の頃ハンバーグの組み合わせはパンだと言って譲らなかったエピソードについて触れています。それは「謎の反抗」からきているものだったとのこと。今回は「自分なりの変化」を認め、ライスとの組み合わせを選択した模様。その美味しさに感動したヤマさん、文末は「おばあちゃんごめん。あなたが正しかった。」と結んでいます。

そのヤマさんが食べたという和牛ハンバーグステーキとライスの組み合わせを私も食べてみました。おぉヤマさんが撮ってるのと写真ほぼ一緒じゃん!もともと私はハンバーグをパンで食べる習慣がないので、ライスを選ぶのはとても普通のことなのですけれども。

美味しかった。看板に偽りなし。看板は「オルソンさんのいちご」ですが、なかなかどうしてハンバーグも素晴らしいです。柔らかくて口の中でとろけそうな食感がデミグラスソースと混じり合ってたまりません。

とてもいい雰囲気のお店なので、店員さんに許可を取ってお店の中を撮らせてもらいました。

ヤマさんが来ているこのお店に茅原実里さんが来てサイン入りポスターを残している…これは偶然の一致なのか?でもあのヤマさんって人、文面からしてそんなことしそうに見えないんだよな…。

ともあれごちそうさま~!今度はいちごのデザート食べに来ます!

河口湖円形ホール

遂にここまでやってきました。「メリーの不思議な夢」開演まであと6時間くらいです。陽が当たっているとはいえ、湖岸で風も冷たく、立ち止まっているとかなり寒いです。

ヤマさんのインスタ手記はここまでとなっています(後日もう一篇だけ書き加えられるのですが)。河口湖円形ホールと題して書かれたこの文章から少しだけ引用します。

夢の中で何度も見た景色。ここに私は誘われた。過去を認めて、過去の自分から抜け出すために。

これまで旅の日記みたいな感じで書かれてきた文面が、ここにきて急に引き締まってきたのを感じます。夢の中で何度も見た景色…それがここだというのですか?ねえヤマさん?あなた本当は誰なの?あなたがメリーさんなの?それとも茅原実里さん?そのどちらでもない第三者?

円形ホールの後ろにある湖岸から写した富士山は、偶然にもヤマさんが撮影してインスタに載せた写真と酷似していました(特に写真左側を見るとそれがよく分かります)。

ヤマさんの手記はこのように結ばれて終わっています。

富士山の前で私は新しい自分を築く。

これが偶然の一致なのか、茅原実里さんも同日にこんなツイートを出しているんですよね。

自分自身と向き合い続けた一年。 向き合うほど、苦しくなるし、怖くなる。新しい一歩の重みを知る。 踏み出した先には、どんな自分が待っているんだろう。 この3日間で、きっと私は新しい自分になる!

茅原実里さん公式twitter 2022年12/23投稿より

ここまで言動が一致していたら、刑事ドラマなら容疑者を追い詰めにかかるところでしょう。が、そんな安易な推理に対し、私の脳内探偵は警鐘を鳴らし始めます。

これが茅原実里さんの仕掛けたクエスチョンなら、そんな簡単に答えに近付けるような筋書きを用意するだろうか?

だって彼女は「新しいエンタメ」と言ってこの「メリーの不思議な夢」を準備したのだから、その「新しみ」には当然インスタグラムによる情報誘導も含まれていると考えるのが自然。まして同日にご本人が自ら答えを言ってしまうようなtweetを出しているのが余計に怪しい。これはミスディレクションを誘発させるための仕掛けと考えるのが自然ではないか…?

そうこうしているうちに陽も落ちかけ、夕暮れが一歩一歩近づいてくるのが気温の変化ですぐに分かりました。

開演まであと2時間といったところ。

この時間になるとみのりんファン仲間が続々と集まってきており、みのりん話に大いに花が咲き始めます。

この写真はみのりんファン同志の方の自転車とツーショットした写真。この方からは「いつか河口湖周辺を一緒に走りましょう」っていう素敵なお誘いを受けています。

今回唯一の物販であるパンフレットを売り出し始めました(他のグッズは既にWebサイトにて販売されています)。

このパンフレットを読めば…この夢の真相が明らかになる…のか?
だとしたら…。

そう思って、私はパンフレットをリュックに仕舞い込みました。

真実は自分の目と耳で確かめる主義だから。

本当のことをお話しする湖岸(!)は、夕闇に隠れつつありました。
そう、真実はいつだって知りたいときは闇の中なのです。

開演時間直前にして最高の1枚が撮れました。

ついに開場。このときの気温は-1℃くらいだったでしょうか。
それでも皆、静かに並んでおります(さすがみのりん同志!)。

スタッフがホッカイロをプレゼントしてくださりました。
めちゃめちゃ親切~!!素晴らしい!偉い!仕事できるぅ!!

本日の公演案内。列に並びながら何とか撮りました。

いよいよ河口湖円形ホールの中に。何だかこれから事件が起こる洋館に入っていく探偵のような心境です。そう、私がいろいろ思っていたことに対する解がまもなく明かされるのです。そして茅原実里さんの再出発となる新しい挑戦エンタメを見届ける瞬間がすぐそこに…。

会場に入った私は、そこにあった光景に目を疑わざるを得ませんでした。

何故ならば…

感想

「メリーの不思議な夢」に対する私の感想は、ほぼすべてを既にtwitterにて述べさせていただきました。

みのりんを見ていて思うのです。私はこれほどまでに変わろうとしたことがあるか、安穏と流された人生ではなかったかと。 みのりんを見つめることで自身の人生に向き合い振り返る。そんな思いを今後も持ち続けたいです。感想に代えて。

2022年12月23日、茅原実里さんtweetに対するリプライより

みのりんにとっての大きな一歩が、観た者にとっても何らかの決意に繋がる、そんな物語であったように感じます。まもなく年末、そして新年。自身の生き様を振り返るには好機です。気付きを与えてくれた本公演に深く感謝。そしてみのりん、私たちを河口湖に呼んで下さり、本当にありがとうございました!

2022年12月25日、茅原実里さんtweetに対するリプライより

従いまして物語についてこれ以上のことをお伝えすることはいたしません。ネタバレ無しってタイトルに書いてるし。これ以上踏み込んだことを書くのはいささか興醒めだと思うのですよ。むしろ重要なのはこの話がどうだったかではなくて、私たちはこれを見てどう動くのか、どこに向かうべきなのかではないでしょうか。それがたぶん、作者(茅原実里さん)が本作を通じて最も言いたかったこと。これは感動以上に「気付き」を与えてくれる物語。

…あぁもうっ、何か誘惑に負けて書き足しちゃったよ!もうこれ以上はお口チャックね!ヤマさん(Yamasan.35)ならびにメリーについて真実をお知りになりたい方は、ぜひここに公開されている「メリーと不思議な夢」をご覧ください。ヤマさんの正体も、あの意味深なインスタの意味も、観ていただければすべて分かりますから。

そうですね。ひとつだけ付け加えて申し上げることがあるとするならば、それはもう、このひと言に尽きます。

みのりんお疲れ様でした

いや一人芝居ってしんどいですよ!この演目はだいたい1時間強であったように思うのですが、登場人物が10人いたとして、普通は10人で別々に演じるところを1人で演じるのですよ!?そんなに台詞覚えるの考えただけで気が遠くなるのに、さらにそれを別の人間と分かるように演じ分けなくちゃいけないのですから。いくら茅原実里さんが声優で舞台の経験もあるとは言え、あれは見ていてちょっと人間業とは思えません。よくある声優の朗読劇と違って台本も見ている様子がないですし…。

劇団5454ランドリーの春陽さんがかなりバックアップされたとは思いますが、それにしてもですよ。
物語にも感動したのですが、それ以上にみのりんの凄さ、奥の深さに驚かされました。もはや尊敬という言葉ですら軽々しく響いてしまうくらい、とてつもない挑戦エンタメを見せていただいたと思っています。

そして私的には、劇中で歌ってくれたのが何よりも嬉しかったかな。自身の武器を全部引っぱり出すって言ってたから、当然そこには歌うことだって含まれているよねと期待してはおりましたが。

みのりんにとって歌手だった頃の自分は遠く離れたものになってしまったのかも知れませんが、それでも私は歌手としてのみのりんが好きで好きで大好きなんです。だって、いまの私の何割かはみのりんの歌で出来ているから。件の人物ヤマさんが河口湖円形ホールで「新しい自分を築く」と決意したように、私もあの日の河口湖ステラシアターで新しい自分を築き上げました。だからあのライブの記憶は私にとって一生消えない宝物。むしろあの日観たみのりんが私にとってのメリーだったのかも知れないな…って、いまにしてみればそう思えるのです。

あーあ言っちゃったよ…。でもま、この話からあの話の真相になんて届きっこないから、まぁギリギリセーフってところですよね?

河口湖駅

帰ろう

メリー…

(了)

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