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そこにある詩

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#文章

破裂

破裂

電気ポットの湯が沸きたって、スイッチの音とともに空気はカチッと弾けた。地下鉄から地上へ向かう足が軽くなり、エスカレーターを追い越して地を蹴った。駅内移動には6分かかると、乗換案内は表示する。課せられた移動を全うする。人の間を掻い潜り、ときには人を盾にしてパーソナルスペースを絶対的に我がものにする。同じ方向を進む赤の他人に背中を任せ、一体となって一歩を踏む。

早足が地と擦れる音を遠ざけて、丈の長い

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飴空へのフライト

飴空へのフライト

期待に沿えず申し訳ない気持ちでいっぱいです

膨れあがる思いとは裏腹に 対策すら考えたくない
聞き心地の良い言葉のフレーズばかりが浮かぶ

隣で頭を下げる先輩と違う惑星にいます
雨のように飴が降るようで 明日が待ち遠しい

夢から覚めたらじゃんけんしよう
勝ったらたくさん飴をもらうよ

プライベートジェットでお別れを告げて
飛行機雲を描こう

知らない人にも見上げてもらえる空で
似顔絵を見せて

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言葉 時々 晴れ

言葉 時々 晴れ

雲の境目が頭上にあった

どうしてもかき混ぜたくないから、口に運ぶ分だけ軽く掬い上げ、盛ったご飯の上に少し被ったカレーを僅かに交わらせる

誰かにも指摘されることがなくなった、きっとこだわりであったはずの、人としてのクセも、自分だけが気にしている

誰かに見られている、という緊張感をちょっと重めに背負わせてしまっているのは正直申し訳ないとは思っているけれど、「あと数年の辛抱だから」とまた嘘を重ねて

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船着場

船着場

鋭い視線を掻い潜りながら

時間通りに街が迎える

誰も悪くないんだよなと分かっていながらも

まるで犯人を探すかのようにからまり合っている

縦置きにしたいほどの冗談なのに

笑いひとつも起こらないでいる

ノイズ混じりのイヤホンが懐かしい

不調によるノイズが世界のフィルターになっていた

クリアになってから気になってしまうことばかりだ

やんわりとまとわりついた薄暗い靄がちょうど目の高さまで

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あの夏

あの夏

年頃のニヒリズムめいたものはなんら特別なものではなくて、もはや共通項に近くあって、人それぞれきっかけこそあれど静まる日は訪れる。
待ち構えていた「無」を冬眠してやり過ごすほかない。均された静寂が救ってくれると信じるしかなかった。

ただ、変わりたくない23時半はズキズキと痛み、眠りが浅くなる。
「守るべきもの」を包み込むように抱いて温めたかった。
両手塞がる私は、瞬間の勢いと邂逅に身を任せて持ち帰

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宵

5時の始発電車とともに訪れる千変万化の想像を囲うように集めてみても文学の扉は開かない

夜明けとともに眠くなり、目を閉じる
顕微鏡で覗き込んで判別できるかどうかも怪しいほどの自己嫌悪と希死念慮を布団に持ち込みそうになりながらも、生活必需品からは外れているはずの飲むヨーグルトを冷蔵庫から取り出してコップに注いで三口で飲みきろうとする
なめらかさにほのかな甘さを感じられるはずなのに、酸味は喉元にヒリリ

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0°Cの針

0°Cの針

色濃く身を支配してくる苛立ちに抵抗するばかりの施しも虚しく、0時には魔法にかけられて現実の世界に取り残される。

横殴りの強雨の標的にされた傘一つは、イヤホンの防音と俯きがちな顔だけを残し、涙風の餌食になって9m先に飛ぶ。残像は姿形を微かに保ち、後ろを気づかれないようについてくる。傘に跳ね返る雨粒の音は、直線距離から遮音なしで響く。

自分以外の誰かとは共有できない心音は、歩行者用信号機の点滅に重

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妄言

noteを書こうと意気込むと突然ソワソワが止まらなくなってまとまりのないまま公開してばかりだが、これはこれでいいのだと自分に言い聞かせ、今日も昨日もキーボードを叩く。

昨日も今日も特別なことは起こりえないし、きっとこの先も起こらないのだろう。

期待をするだけ無駄だと失望して、死ぬ気で努力とかありきたりのフレーズを嘲笑って、何もしない御身分を正当化して栄養に偏りのある食事をとったり、食事の回数を

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遊覧船と光る

散っていった昨日が今日は輝いて見える

自分の衝動性が嫌で仕方なくなって許せなくなる場合もあれば、衝動性が救いの手を差し伸べてくれて地上に引き上げてくれる場合もある

冷静になって考えてしまえば、懸念点が増すばかりでなにも手につかなくなる

一度身を固めたいと決めてしまったら、防御の姿勢に移り、波を立てずに大海から帰るだけだった

ただ、危険を顧みながらも突拍子もないことに時間を割こうと気が動くな

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