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恋文

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いつか思いが届きますように
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#詩

起き抜けの頭で考えた

起き抜けの頭で考えた

起き抜け朝の 目覚めの時に
呆然とただ 影を見ていた

あの人、そこに 今、そこに
微睡む朝に 迷いの森へ

瞼閉じれば 戻るのか
夢に墜ちれば 会えるのか

思考が巡り 意識は冴えた
夢の残り香 探して迷う

(イラスト ふうちゃんさん)

宵のサクラに 

宵のサクラに 

幾年月の 夜を越え
サクラの蕾は 夜露に濡れた
宵の艶やか 誘われて
酔いの勢い 夜道を辿る

詮なきことと 諭されて
心鎮める 詩を詠む
伸ばした指先 月は彼方に
彷徨い歩く 道の先

花冷え、震え 星は冴え
逢えずばかりの 君を想った
想いの丈は 何処へ届く
情けなくとも 頬は濡れゆく

唇重ね合う夜

唇重ね合う夜

瞳を見つめ 唇揺れた
うつむく間もなく 重ね合う

躊躇い迷いは 何時のこと?
昂ぶる心 抑えも効かず

儀式の様に 繰り返す  
想いの満ちた その先へ

愛しさ優しさ 気持ち溢れた
抱き締め合えば 吐息が漏れる

切なさ募る 重ね合う
交わり続く 想いを遂げる 

二人の夜に 静かな時に
星は秘かに 月を進めた

こころ任せ

こころ任せ

桜を見ては 咲くと言い
同じ桜を 散ると言う

星の煌めきを 綺麗だと思い
同じ煌めきに 悲しいと思う

僕を見つめて 嬉しいと言い
後でゴメンと つぶやいた

こころ任せの するがまま
されるがままの 一夜の出来事

春風に揺れる

春風に揺れる

遠くにありて 近くに想い
季節過ぎたは 幾度目か

別れの言葉 言えずの言葉
心ざわめく 春の風

情も無情も 無常の中に
恋も想いも 同じ事

抜け殻抱え 起き出せよ
啓蟄の日に 空を見上げた

【現代語訳】
離れて遠くに行ってしまった貴方のことを
今でも時々、すぐ隣にいるように思ったりもします
そんな風にして僕は何年の年月を過ごしてきたことでしょう。

別れの際に言われた言葉、僕の言葉、そして

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つたえる

つたえる

言葉でヒトは 救えない 
閉ざしたココロに 届かない

言葉でお腹は 膨れない
飢えたココロは 満たされない

言葉でヒトは ひどく傷つく
脆いココロが ひび割れる

言葉でヒトは 優しくできる
痛んだココロが 癒やされる

言葉はココロを 伝えてくれる
伝わるように と考える

考え、言葉は カタチを変える
優しく愛しく ヒトに寄り添う 

僕はひとり言の葉を編む

僕はひとり言の葉を編む

枯れた心の 奥底に
漂う言の葉 すくい集めて

つないで編んで 生まれるは
わずかばかりの 想う詩

心に届き ますように
想いが届き ますように

祈りとなって 風に舞う
儚い想いが 風に舞う

あなたに届き ますように
さざめく心を 鎮めますように

冴えた月に僕は一人思う

冴えた月に僕は一人思う

心に思えど 言葉にできない
秘め事となり いつしか闇へと消えていく

口にすれば 壊れてしまう
怯えた僕は 立ちすくむ

遠くで見つめ 胸が高鳴る 
近くで戸惑い 笑顔は窮屈 

切なき思いは 何処へ向かう 
届かぬ思いは 闇に溶けだす

見上げた先に 冴えた月 
思いをそっと 静めて欲しい