- 運営しているクリエイター
記事一覧
乾いた文体、湿った文体
以前ドイツにいたときに、小説には乾いた文体と、湿っぽい文体があると書いたことがあるんだけど、今日ふとそのことを思い出して、ひとしきり考えていた。
乾いた文体で真っ先に浮かぶのがヘミングウェイ。ぱっさぱっさのぱっさぱっさで、嫌いじゃない。砂埃がもうもうとしてて日が照りつけるところで読む感じ。西部劇みたいな。
ポールオースター。ちょっとじめってしてる。霧につつまれた夜のロンドンとかニューヨークのイ
左手にソーサー、右手にカップ(あるいは、マガジン一服)
祖父は喫煙家だった。
その飯台の上にはいつも、安っぽく光る銀色の灰皿が置いてあった。
タバコのニオイはあかんねん、と祖父の娘だった母は言うけれど、子どものころの私はけっこう好きだった。タバコのニオイ=おじいちゃんのにおい、だったのだ。
テレビに向かって一番手前の左側の椅子が祖父の定位置だった。NHKをつけながら、焼酎をコップ一杯つぎながら、タバコの煙が天井へと舞っていたことをぼんやりと覚えて