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ヨーロッパ6.5都市旅 後編【雪の東欧ひとり旅】

デンマーク留学後のヨーロッパ旅行、後半戦の東欧一人旅編です。ハンガリーはブダペストから陸路でプラハ、ベルリンを経由してコペンハーゲンに帰る電車旅。好きな言葉は「車窓」です。

5.ブダペスト

リスボンから飛行機で3時間。過去一で揺れた飛行機に三半規管をいじめ抜かれ、ふらふらで到着しました。夕食代わりにクリスマスマーケットで食べた"langos"なる揚げピザは一口目が一番美味しいタイプの食べ物。チキンラーメンや群馬の焼きまんじゅうと同じ引き出しです。

2日目は曇り空。「ヨーロッパの街並みは似ている」とどこかで感じていましたが、それはその街ごとの歴史を知らないからなんだろうな、と、古い建物群を背に走る3両編成の路面電車を見ながらふと思いました。カタカナアレルギーを発症して受験を日本史に逃げてきたツケがここで回ってくるとは。帰ったら山川読もう、と心に決めたものの、まだ買ってもいません。


国会、すごい

途中から雪の降り出した極寒のブダペスト、豪雪のなか川を挟んで聳え立つブラペスト城はホグワーツそのものでした。先に言っておきますが、プラハでも川沿いのプラハ城の夜景はホグワーツに見えました。ヨーロッパの景色を表す語彙は「ディズニーみたい」と「ホグワーツのよう」の2つでやらせていただいています。

大雪のブダペスト城と橋

そこらじゅうにベッチャベチャの雪と水溜りがある道路を歩くのはなかなかカロリーを消費するもので、目についたハンガリー料理屋に突撃。「予約してないんだけど」と言ったら「まじかこいつ」みたいな目をされましたが、寒空にこいつを返すのはあまりにも可哀想だと思ってくれたんでしょうか。髭面のおっちゃんが「1時間だけ1席空けてあげるよ」と言ってくれました。1人旅のいいとこですね。あとで調べたらかなりの人気店らしく、無謀な突撃だったことを知りました。ありがとうおっちゃん。

料理名は忘れました。なんとか、です。

「東欧はスープがうまいよ」と聞いていた通り、デンマークとは比べ物にならないほど美味しい料理を糧に、夜景 feat. 雪も堪能。25,000歩。城攻め山登りも含めて750kcl以上を消費した足はビシャビシャでしたが、大満足です。

そういえば食後に消毒液くらい強いアルコールの酒をサービスで出してもらったけどなんだったんだあれ。

6.プラハ

期待値が上がりに上がった状態で訪れたプラハ。3日前に市内のカレル大学で銃撃があったこともあり直前まで行くのを悩みましたが、テロの危険性は薄いと勝手に判断して断行しました。さすがに観光客は少ないかなあなんて思ってたら甘い甘い。人、人、人、人、人。中心広場のクリスマスマーケットも、カレル橋も、プラハ城も、びっくりするくらい人。例によって街はディズニーみたいなんですが、大量の観光客の波に飲まれて良くも悪くも作り物のディズニーを歩いている気分になりました。まあ僕も正真正銘観光客なのであんまり言えませんね。

クリスマスマーケットは大盛況

カレル橋とヴルタヴァ川(モルダウ川)をみながらspotifyで聴く「モルダウ」は本当に素晴らしかったですが、チェコの雰囲気ゆえか、モルダウの曲そのものの力なのかはわかりません。いつか利根川あたりでモルダウを聞き、同じ感情になれるか試してみようと思います。対照実験。


「なつーかしーき川よーモルダウのー」合唱で歌いました?

人の波から逃げ、「私は観光客の群れを構成する人間じゃありませんよ」顔で川沿いを下った先の街並みは少々のローカル感を得られました。いちごとチョコの餅みたいなスイーツを頬張りつつ、ふと見つけた「共産主義博物館」。

「博物館」と呼ぶにはあまりにも主観的な、反ソビエト全開の展示でしたが、多少はプラハないし東欧諸国に詳しくなれた気がします。やっぱり山川読むか。だれか世界史選択の方、譲ってください。

夜景は言わずもがな。ブダペストと同様、川を挟んで高台に見える城のライトアップが本当に好きでした。もう言いませんが、エクスペクトパトローナムです。

案の定中央広場のクリスマスマーケットはまともに歩けないほど混んでたので、帰り道の別のマーケットでホットドッグをひとつ。クリスマスマーケット、規模は圧倒的に大きかったですが、コペンハーゲンと店の内容に大きな違いがあるようには見えませんでした。まあ、日本の夏祭りに近いものなんだろうなあ。どこにいってもチョコバナナがある、みたいな。と、なるとあの出店者たちは?まあいいか。パプリカ味のソーセージは美味しかったです。

6.5.ベルリン

ドイツ高速鉄道DBはしっかり遅れました。乗り換えで6時間使えるはずだったベルリン滞在も4時間に。着いたころには外は真っ暗でした。

デンマークと陸続きであるにも関わらず、機会を逃し続けてきたドイツ。ポーランドには行ったのに。なにはともあれ4時間のドイツで達成しなきゃいけないミッションは「ビールとソーセージ」「ベルリンの壁」の2つ。

スーツケースを駅に預け、トラムに駆け込んでまずはベルリンの壁へ。プラハの後ということもあり、夜のベルリンに遺る壁はより意味を持っているように見えましたが、多分見えただけだと思います。そんな一日二日の知識で理解できるようなものでもないですし、容易く理解していいものでもありません、きっと。いつか山川読んだらまたきます。博物館閉まってたし。遅れるなよ、国鉄。

ベルリンの壁と、壁と壁の間の広場

壁が二重になっていて、その間は見通しをよくすることで脱走者を見つけやすくする、というのは知らなかった事実。こういった類の、合理的かつ実用的でありながら残酷な構造・技術は、それ自体が残酷なものよりも心にくるものがあります。言語化が難しいですが、その時代の当事者の思惑を想像しやすくなるからかなあ、なんて思ったり思わなかったり。


丸の内線みたいな配色の地下鉄

ベルリンひいてはドイツ一番の驚きは、結構現金社会なこと。クリスマスマーケットで当たり前のようにクレジットカードが使えたプラハと異なり、マーケットも、フードスタンドも、駅の自販機も、全部現金でした。EU内でありながら「デンマーククローネ」とかいう謎貨幣が流通している国に住んでた人間にはかなり不便。

結局ビールとソーセージはCurry36という有名なドイツチェーンで食べることに。空腹・疲労という食事に最高のコンディションが揃っていたからかもしれませんが、ビールもソーセージも付け合わせのポテトもびっくりするくらい美味しかったです。もう満足、ドイツ。


ドイツのすべて

無事にミッションを達成した僕は夜行列車でベルリンを経ち、ハンブルグで乗り換えて早朝にコペンハーゲンにつきました。思ったより「帰ってきたー!!」感がなかったのは4ヶ月しか住んでなかったからですかね。

年末ヨーロッパ旅行記、完結です。前編も読んでくださった方、本当にありがとうございます!!

パリとか、ローマとか、結構な一軍都市に行かずしてヨーロッパ生活を終えましたが、腹十二分くらいの満足感でした。今度ヨーロッパに行くときは、王道都市にまっすぐ行こうかな。いや、でも田舎のローカル街も捨てがたい。

あー、太平洋にヨーロッパができればいいのに。生粋の千葉県民、とりあえずドイツ村で我慢します。


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