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きみだけが侵入できるそのずるさ

どれだけはりついて 皮膚を舐めても ふれられない中の 色だけはわかるようで たとえ幻でも その熱が 私の表面を あぶっている 霧をつくれる きみが 霧を写した キャンバス…

シロ
1か月前
2

family name

family name。この間友達と行ったカラオケでfamily nameを歌った。その友達は産まれる前から互いの母親同士が知り合いの幼なじみで、その子が靖子ちゃんやZOCを知っている…

シロ
3か月前

Hey

まだ肌寒い春の瞳を、ごまかさないまま見つめていく。乗せてゆく。振り返らずに。欲望の光が苦いということ、誰にも教わらずに知った。純粋な糖分はねちっこくて、素直じゃ…

シロ
4か月前

ぐうぞう

ぬくもりの想像をかたくなにして、現実は不安だから、愛をみいだすこともわからなくなっている さよなら、を言うことで保っていた情けない矜恃があったこと、あなたに出逢…

シロ
11か月前
2

追伸

この世は溢れんばかりの要素で満ち満ちていて、それらは常に入り組み、立ち昇り、流れる波であり、そしてたっぷりのプランクトンを含んだ海であるのだ。私達が生きるために…

シロ
11か月前
4

ささくれ

ささくれを抜きたくない。それは奥に内在していた棘であり、おとつい食べたカルビのトッピングピザであり、そこに落ちた涙であるから。剣をしかと指先に収めている。私だけ…

シロ
1年前
4

さざ波

羊毛の一本一本にいのちが無く、しかし意思があるように、わたしの全てに目的はなく、ただ抜け落ちた一本を視認する人生でいるのだ 抜け落ちて行くたびにつのる寂しさがひ…

シロ
1年前
2

Remembering

花園に入っては空を撮り、それから足元を撮り、いちばん最後に花を撮るともういいや、と思う だから薄雲を撮り、角張った些細な石ころを撮る どんな人がどんな思いでここに…

シロ
1年前

汁物

朝ごはんに好きな子のインスタページをじっとながめてる、片手に収まるくらいの投稿とてきとうなプロフィールからじわっと滲んだあの子の汗、髄液、--・・ ・--・ ・…

シロ
1年前
1

地球儀抱きかかえてもあなたはいない
埃は証にならない 噎せてもキスしてくれない
それでもわたしはこれがあなたの生きた時代だと思って、あなたが脚を浸けた海の水だと思って

シロ
1年前
1

剥かれた

あなたの言葉を一音一音咀嚼するたび、羽虫が一羽、また一羽と羽ばたいていく わたしの血管をくぐり、肉を割き、皮膚に孔を空けてどこかへと、しゃなりしゃなりと、そして…

シロ
1年前
2

血抜きする命を抜いて生命食す変な輪廻で地球は傾く

シロ
1年前

まなざしは星の幾倍つらぬいて思考の幾倍心に成って

シロ
1年前

プリーツの頼りなくよれた折り目焼肉屋ダストからまってゆく

シロ
1年前

つまらんを自分に課してひたひたとあなたの涙私の変化

シロ
1年前

ノイズ・世界

えらく響く雨だ、強く強く削っていく雨から半固体のふかふかで身を守る ひどく緊張している、繊細に長いパフェスプーンが心臓を掻き乱す、血餅はあふれて がんの原因となっ…

シロ
1年前
4

きみだけが侵入できるそのずるさ

どれだけはりついて
皮膚を舐めても
ふれられない中の
色だけはわかるようで
たとえ幻でも
その熱が
私の表面を
あぶっている

霧をつくれる
きみが
霧を写した
キャンバスに
何層のだれかが
いるんだろう

もぐりこめないわたしは
目で撫ぜて
それからだ
君に
会いたくないとおもったのは

family name

family name

family name。この間友達と行ったカラオケでfamily nameを歌った。その友達は産まれる前から互いの母親同士が知り合いの幼なじみで、その子が靖子ちゃんやZOCを知っているのかは知らなかったのだけれど、知っているみたいだったので、それが嬉しかった。
family name。私の家庭環境は普通で、幸せな方だと思う。いい曲だけど、私とは違う世界の子が歌っていることが刺さる、みたいな、中学生

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Hey

まだ肌寒い春の瞳を、ごまかさないまま見つめていく。乗せてゆく。振り返らずに。欲望の光が苦いということ、誰にも教わらずに知った。純粋な糖分はねちっこくて、素直じゃないから、やっと好きになれる。聡明さなんて厄介だ。聡明なふりをしているだけが愛情だ。いじわるで、皮肉じゃなくちゃ。誰の心も現れないなら、皮膚を隔てた手前の空間でヘンテコを練るしかない。それ以外を見るとうらめしさで吐き気がする。うらやましさで

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ぐうぞう

ぬくもりの想像をかたくなにして、現実は不安だから、愛をみいだすこともわからなくなっている
さよなら、を言うことで保っていた情けない矜恃があったこと、あなたに出逢ってはじめて知った
ふたりで旅に出ようね
これから一緒にどこへ行こうか
人形、にじげん、その奥のまなざし
てのひらサイズのあなたを手に取れば、そのたび新しいあなたに出逢うようだよ
見立てたぐうぞう、私のとくべつ
ほんとうのあなたを知らないか

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追伸

追伸

この世は溢れんばかりの要素で満ち満ちていて、それらは常に入り組み、立ち昇り、流れる波であり、そしてたっぷりのプランクトンを含んだ海であるのだ。私達が生きるためには常に泳いでいる必要があり、泳ぎを止めたその瞬間波の重量はひどくのしかかって、誰も知らない海の果てまで連れて行く。泳いでいるということ、それは生活や、夢への経路だったりするものだが、それがどんなに些細で細々しいものであっても続けていなければ

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ささくれ

ささくれを抜きたくない。それは奥に内在していた棘であり、おとつい食べたカルビのトッピングピザであり、そこに落ちた涙であるから。剣をしかと指先に収めている。私だけの棘。丸裸にされる前の心。陽に照らせば朝を知り、夜は貴方の血の色を知る。痛ましい赤はプリズム、蛍光灯に抱く不吉な無力。棘を抜こうとする度喚く私の血潮が、貴方のそれを見て安心していたの。嚙み切って飲み込めば、ふたりラグナコロラダで水浴びをする

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さざ波

羊毛の一本一本にいのちが無く、しかし意思があるように、わたしの全てに目的はなく、ただ抜け落ちた一本を視認する人生でいるのだ
抜け落ちて行くたびにつのる寂しさがひしと絡まり、真っ黒な子犬くらいの大きさになって、ひとついのちに涙する
ボタンを掛け違えて歩く、この距離を、つくっているのは誰なんて考えたこともなかった
確かな転落から得る藁半紙を破りたくなるようなやるせなさに目を向け、いつかは離れて粉になり

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Remembering

Remembering

花園に入っては空を撮り、それから足元を撮り、いちばん最後に花を撮るともういいや、と思う
だから薄雲を撮り、角張った些細な石ころを撮る
どんな人がどんな思いでここに居たことがあるのか、龍は、蟻は、私の鼻腔を通り話してくる、いくつに成ってもおしゃべりな君たちにつられておしゃべりが得意になった私の、撚るまえの糸みたいなひとりごと
対話はひとりで十分だと言い聞かせてきた、それはとても簡単な私の弱さだった

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汁物

朝ごはんに好きな子のインスタページをじっとながめてる、片手に収まるくらいの投稿とてきとうなプロフィールからじわっと滲んだあの子の汗、髄液、--・・ ・--・ ・-・・ -- ・- 

似た服をさがす前に似たにおいをさがす、そのこだわりがあの子にバレないように這いずりまわって細めの髪の毛、ちょっとまともな振りをして、ごみ捨てを遂行したその手でぽちぽち指先インターネット、香水の小瓶をメルカリで即購入

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地球儀抱きかかえてもあなたはいない
埃は証にならない 噎せてもキスしてくれない
それでもわたしはこれがあなたの生きた時代だと思って、あなたが脚を浸けた海の水だと思って

剥かれた

あなたの言葉を一音一音咀嚼するたび、羽虫が一羽、また一羽と羽ばたいていく
わたしの血管をくぐり、肉を割き、皮膚に孔を空けてどこかへと、しゃなりしゃなりと、そして迷いなく
閉じた隣がまた開く
再生を壊してどこまでも
その虫はきっと五日も生きられない、そういった光を持っている
光明で、やはりあなたのように淡い
鋭く思える理由は表面張力の血でしかなく、それが悔しくてこんな季節に分厚いセーターを被った

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血抜きする命を抜いて生命食す変な輪廻で地球は傾く

まなざしは星の幾倍つらぬいて思考の幾倍心に成って

プリーツの頼りなくよれた折り目焼肉屋ダストからまってゆく

つまらんを自分に課してひたひたとあなたの涙私の変化

ノイズ・世界

えらく響く雨だ、強く強く削っていく雨から半固体のふかふかで身を守る
ひどく緊張している、繊細に長いパフェスプーンが心臓を掻き乱す、血餅はあふれて
がんの原因となった食生活はアボカドサラダと飾りっけのないバナナ中心の生活だったね。希薄の匂い。それをあの人もわかっていたはずで、しかし、いえ、だから、本棚に隙間なく詰め込まれた大量の情報に微笑みかけてもらおうとした
表紙の笑顔のイラストも、縮れた埃を被っ

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