去年、失業したわたしはなんやかんやで いま職業訓練校に通っている。 仕事を辞めてから、突如 「小屋を建ててみたい!」という衝動に駆られた。 大工仕事に憧れてい…
突然の思いつきで、CADを習うことにした。 たぶん苦手だろうな、と思っていたが 案外たのしくて 変な感じ。いい意味で裏切られた。 習い始めて3日しかたってないが、し…
ベランダでバサバサと羽音がする。 台所で皿を洗っていたわたしは手をとめた。 窓に 明かりを消した暗いリビングが映っている。 眠たい顔の女がひとり。 自分なのに、ど…
このさよならは わたしだけのお守りになる。 きっといつかはなる。 少し目は腫れてるけどコンビニで アイスコーヒーを買うんだ。1番大きいの。 がぶがぶとビールみたいに飲…
あんまり自分の歳について考えたことがない。 「何歳になったの?」って聞かれて 「たぶん、43か42か、あれ45だったかも。そのくらい」と答えてカンシンされたことがあ…
春。朝から庭をみている。 ぱらぱらと天気雨が降っている、と思ったらゴウと風が吹きつけて桜が舞う 窓は花びら模様 黒猫がツツジの花びらを齧りにきた赤いのだけ食…
一番星に願う6文字熟語 衣食住皆安心 衣食住皆安心 衣食住皆安心 夜オバケがでそうになったら唱える 昼迄待機希望 昼迄待機希望 昼迄待機希望 とりあえずいいことあって…
(じつは、神様からお役目をもらってね)といい出す母に内緒にしていたことがある。そもそも私は、神様からお役目をもらって、といい出す傲慢な母を嗜めるというお役目を神…
夢と現を散歩中の、百歳の祖母は毎朝、バナナを半分食べる。 その様子を伺いにくる男の子がいる。 「ほら、あんたも」 「いつもにこにこしてるねぇ」と話しかけている…
電車に乗ってから、 マスクをしていないことに気づいた。 焦る。 ハンカチ ハンカチ。 鞄に手を突っ込んで探すが、中身は漆黒の闇。 遥か底のほうに黄色くて丸い🟡の…
静かすぎる。 シーンって 空気に書いてあるみたい。 サイレンも猫の鳴き声も。 風の音さえきこえない。 古民家にひとり暮らし。 築70年だというが、正確にはわからないそ…
お正月に餅を食べると、血を吐いて死ぬ。 一家離散する。 って、おじいちゃんから言われて育ちました。 こわっ。 元旦にはおせちとお赤飯。 芋やこんにゃくの入った…
それは古びた中華料理店でした。 昼休みはとうに過ぎています。 お客さんがひいた後でしょうか。 洗い物をしている音が止み、 奥のほうから少し腰の曲がったおばあさんが出…
クリスマスの朝、久しぶりに大川くんの「わかめめがね」の夢をみた。 12月上旬から体調が悪く夜中に咳が出て2時と4時に目が覚める。暗くて寒い部屋でひとり咳混むとき…
かけはし岸子
2024年3月28日 23:16
去年、失業したわたしはなんやかんやでいま職業訓練校に通っている。仕事を辞めてから、突如「小屋を建ててみたい!」という衝動に駆られた。 大工仕事に憧れていた。女子だし50歳だしやったことないし....なんて言ってる暇はない。やりたいことはすぐやらねば!やって出来なかったら、そのときに考えることにする。そして、小屋があるのは森の中でなければ。小さくていい。いや、小さい方がいい。
2024年2月9日 22:29
突然の思いつきで、CADを習うことにした。たぶん苦手だろうな、と思っていたが案外たのしくて 変な感じ。いい意味で裏切られた。習い始めて3日しかたってないが、しあわせの法則を見つけてしまった。CADで。CADにはレイヤーってのがある。あ、そもそもCADって製図用のソフトなんですよ。そうだよね?で、レイヤーなのですが、製図の部品を透明シートに書き取り重ねて全体になるという仕組
2024年2月8日 22:59
ベランダでバサバサと羽音がする。台所で皿を洗っていたわたしは手をとめた。窓に明かりを消した暗いリビングが映っている。眠たい顔の女がひとり。自分なのに、どこかよそよそしくみえた。 夜に鳥が来るのはめずらしい。昼間には小さな鳥が来ることがあった。あれは確かヒヨドリ。いつも窓を開けようとしただけで、飛び立ってしまう。 夜くる鳥とはどんなものだろう。姿が見たい。流れる水を止
2024年1月27日 21:03
このさよならはわたしだけのお守りになる。きっといつかはなる。少し目は腫れてるけどコンビニでアイスコーヒーを買うんだ。1番大きいの。がぶがぶとビールみたいに飲んじゃうんだからね。苦いなぁまだちょっとだけ。
2024年1月27日 08:40
あんまり自分の歳について考えたことがない。「何歳になったの?」って聞かれて「たぶん、43か42か、あれ45だったかも。そのくらい」と答えてカンシンされたことがある。これは、大人になっての現実逃避ってことでもなく、ごく幼い頃からの馴染みの考え方だから仕方ない。数字に弱すぎる、ということはあるかもしれない。年齢でいろいろ分かれてることの方に違和感がある。ひとの歳にも関心がない。歳の割に
2024年1月5日 19:56
春。朝から庭をみている。ぱらぱらと天気雨が降っている、と思ったらゴウと風が吹きつけて桜が舞う窓は花びら模様 黒猫がツツジの花びらを齧りにきた赤いのだけ食べてる 夕空が庭を隠してそろそろ鴉の番がくる頃2024/01/05 かけはし岸子ちいさくてひろい百文字をあなたに....
2024年1月4日 21:34
一番星に願う6文字熟語衣食住皆安心衣食住皆安心衣食住皆安心夜オバケがでそうになったら唱える昼迄待機希望昼迄待機希望昼迄待機希望とりあえずいいことあってもなくてもあなたの名前を唱える百年目に会えるように2024/01/04 かけはし岸子ぴったり百文字ジワジワくる【百小説】あなたの暮らしの句読点。【百小説】あなたのかわりにするため息【百小説】
2024年1月4日 18:36
(じつは、神様からお役目をもらってね)といい出す母に内緒にしていたことがある。そもそも私は、神様からお役目をもらって、といい出す傲慢な母を嗜めるというお役目を神様からもらって、あなたの腹に入ったのだ。ぴったり100文字。2024/01/04 かけはし岸子
2024年1月3日 22:06
夢と現を散歩中の、百歳の祖母は毎朝、バナナを半分食べる。その様子を伺いにくる男の子がいる。「ほら、あんたも」「いつもにこにこしてるねぇ」と話しかけている。私には見えないけど半ズボン履いてる気がする。2024/01/03 かけはし岸子
2024年1月3日 21:53
電車に乗ってから、マスクをしていないことに気づいた。焦る。ハンカチ ハンカチ。鞄に手を突っ込んで探すが、中身は漆黒の闇。遥か底のほうに黄色くて丸い🟡のが動いている。 あ、ひよこだ。そんな夢をみた。2024/01/03 かけはし岸子
2024年1月1日 12:26
静かすぎる。シーンって空気に書いてあるみたい。サイレンも猫の鳴き声も。風の音さえきこえない。古民家にひとり暮らし。築70年だというが、正確にはわからないそう。襖の暗がりから何かが見てるような....天井の木目も奇妙なシミに見えるひたひたとぬるぬると暗がりが、夜の暗さがこちらを覗いている。こどもの頃の怖い記憶や妄想が、あたかもリアルにそこにあるようだ。ひとり暮
2023年12月29日 22:36
お正月に餅を食べると、血を吐いて死ぬ。一家離散する。って、おじいちゃんから言われて育ちました。こわっ。 元旦にはおせちとお赤飯。芋やこんにゃくの入った醤油の汁。肉なし。みんなもお正月にはこんな食事をしてると思ってました。たべるな、と言われると余計に食べたくなる始末。だけど、死にたくない。 結婚して苗字が変わって、最初のお正月に生まれて初めて「雑煮」というものを作ってみま
2023年12月27日 23:36
それは古びた中華料理店でした。昼休みはとうに過ぎています。お客さんがひいた後でしょうか。洗い物をしている音が止み、奥のほうから少し腰の曲がったおばあさんが出てきました。——ふたりですけど、大丈夫ですか。ああ、どうぞ。おばあさんは4人掛けのテーブルを指差して決まったら...と呟いてまた奥へ戻って行きました。 二十数年前、わたしは神保町の小さな広告制作会社に勤めていました。終電
2023年12月25日 22:26
クリスマスの朝、久しぶりに大川くんの「わかめめがね」の夢をみた。 12月上旬から体調が悪く夜中に咳が出て2時と4時に目が覚める。暗くて寒い部屋でひとり咳混むとき、世界には孤独しかないな、と思う。結局、こんなときはひとりで誰も味方なんかいない。枕もとに置いた水を飲む。どこにもだれにも繋がってない自分のために、冷たい水を飲ませてあげる。ふーっ、と息をはいてまた咳こんで、落ちついてきたら横になる