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誰かと家族をつくらなかったけど、この場所が好き。

書く時のはじまりも、大事だけれど。

おしまいも大切かなって思う。

でした。

なのか

ます、です。

なのか。

なんとかだ、なのかみたいに。

迷うけれど。

話の内容によって語尾を着替えるのも

いいなって思う。

つい最近のことでした。

デパ地下のエスカレーターの側のベンチの

置いてあるところで、ひとりのふくよかな

おばさま(ごめんなさい)が、

オレンジのフレッシュジュースを一気に飲んで

飲み終えた後、ふと息をもらすようになにか

言いました。

なにか聞こえた言葉は、わたしの耳で確かに

キャッチしたのですが、それが聞こえたままの

言葉なら、ちょっと困ったな、黄昏てしまい

たくなるようなそんな4文字の言葉でした。

そのおばさまの声が

さみしい って

言ったのを聞いてしまいました。

ジュースを飲み終えて、美味しいじゃなくて、

さみしいって。

その時その場所でわたしは

ふいにじぶんの耳を疑っていました。

やっぱりたぶんおいしい!の空耳かも

しれないと思い直したくなりました。

喉の乾きを潤したあとのさみしいは、

ちょっとだしぬけすぎて、いつまでもその

言葉のトーンが耳の中に残ったままで。

そしてそのおばさまと、デリカショップでも

一緒になったんです。

さみしいっていったおばさまが、一人暮らし

だから、あんまり食べられないのよって

店員の方にお話していました。

わたしは、彼女がどんなサラダを注文される

のかまだわからなかったんですが。

店員の方に、「さびしくならないサラダ」を

お願いしますと、心の中でオーダーして

その場所をあとにしました。

想えば、母の口からはいちども

「さみしい」って聞いたことが

なかったんです。

どんなときも、「さみしい」って言わない人

だなってことに気づいたら。

ちょっとなんだろう、そういうことを言って

ほしいわけでもないけれど、ふしぎな気持ちに

なって、デパ地下は、雑踏で感じるあの孤独に

似てるんだなって思いました。

みんな家族がそれぞれにいて、家族のために

買い物している場所だったりするわけです。

もちろん、

ひとりぐらしのひとはじぶんのために

今日明日を生き延びるために食料を買う

場所です。

でも時々、わたし思うんです。

誰かと家族をつくらなかったけれど

家族の匂いがぷんぷんするここが

なんでわたしはこんなに好き

なんだろうって。

さみしいのおばさまどうぞ、

いつまでも

お元気で。

現実は プレパラートの上で 生まれて
だれにも 傷つけられない 青空の下


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