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ふるえる心〜詩のようなもの

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何でもない日の中に「詩」がある。 忘れたくない、一瞬の心のふるえがある。 noteだからこそ、綴ることが出来ました。つぶやき、または詩のようなもの。
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2023年10月の記事一覧

楽観主義 (Optimist)|詩

楽観主義 (Optimist)|詩

午後、病院で薬待ちをしている。

広いロビーには

待合い椅子が何列も並び、

患者やその家族は

頭を揃えるように座っている。

密やかな話し声、 

案外楽しげで、不思議な会話。

大体二人ずつ。

大きな窓の外に、

枯葉が舞っている。

金色に光る木の葉。

偶には赤みを帯びて、

ずっと、舞い続けている。

少なくとも

「最後の一葉」の話は、

この病院に似つかわしくない。

少しだけ

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MOTHER〜母を恋うる歌|詩

MOTHER〜母を恋うる歌|詩

 母よ。
 あなたは わたしにとって

 すべてを 受け入れる
 ゆたかな 海でした

 足もとを 照らしだす
 やさしい 月でした

 明るく かがやく
 うつくしい 太陽でした

 はられた根に
 慈雨をそそぐ
 大地 そのものでした。

 
 母よ。
 あなたがいるから

 しとねに就き
 深く 眠れました

 
 母よ。
 もうあなたは…

 
 
 母よ、
 せめて祈りを。

 
 母よ

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一年後の私へ|詩手紙

一年後の私へ|詩手紙

秋の柔らかい陽が、心をあたためてくれます。

一年後の私へ。
穏やかに、日々を過ごせていますか?

電車に揺られ、家々が通り過ぎていくのを
眺めていると、
それぞれの想いやドラマがあるのだろうと
考えてみたりします。

今から1年前。
癒えかけた心を、
片付かない引き出しに入れて、
口を閉ざしていましたね。

人生のワークシート
答えを探しまわって、
分からずに頭を抱えていましたね。

本当の答え

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大嫌いだったけれど、大好きな母へ|詩手紙

大嫌いだったけれど、大好きな母へ|詩手紙

お母さん。あなたを思い出すと、目を見開いて叱っている顔が浮かんでいました。いつも厳しく注意する声が聞こえていました。
 

お母さん。お母さんを真ん中にして、私と弟が川の字のように、布団を並べて寝ていた子供の頃。静かに寝静まった夜中、目が覚めると、いつもお母さんは弟の方を向いて寝ていました。私はお母さんの頭の後ろを見つめて、とても寂しかった。

 「私より、弟の方が好きなんだ。
 私は愛されてない

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