Suzum0ri_mamoru

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空想モノ大好きな労働者のアカウントになります。  わたしの中から這い出た世界を、気に入ってくれる人が一人でも増えてくださると嬉しい。とても嬉しい。  オリジナル現代異能ファンタジー「万華のイシ」を執筆しております。(`・ω・´)ゞ

マガジン

  • 長編連載小説「万華のイシ」各話まとめ

    現代日本を舞台に、「病魔」と呼ばれる異能を宿した少女たちの苦悩と闘いを描く、「ミステリ×異能」の完全オリジナル現代ファンタジー!◆◆◆現在、第一編「無我炸裂」公開中!

  • 【レポ】人生初の同人誌即売会に挑んだ話

記事一覧

ひと粒で3度おいしい短編ゲーム「7 DAYS TO END WITH YOU」

※物語の根幹に触れるようなネタバレはしませんが、ゲームの仕組みを紹介する過程で序盤のスクリーンショットは使うので、ご承知おきください※ 突然だが、普段あなたは何…

Suzum0ri_mamoru
9か月前

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_終

一気読みはマガジンをどうぞ! 前話はコチラ!! エピローグ 「――――つっ……」  消毒液臭い建物を出た瞬間、視界に突き刺さる光の眩しさと空気の熱がオレを出迎えた…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_42

一気読みはマガジンからどうぞ! 前話はコチラ!! 5章_炸裂-illness≠barbaric- 5-9 舞台の裏で     ◆◆◆◆  爆散と捕食の病魔が激突していた頃。  誰もが視界…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_41

一気読みはこちらから! 前話はコチラ!! 5章_炸裂-illness≠barbaric- 5-8 人間だから  姫毘乃女学園に静寂が戻ってから何分後か、何十分後か。  夜風に吹かれて身震…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_40

一気読みはマガジンから! 前話はコチラ!! 5章_炸裂-illness≠barbaric- 5-7 捕食の力 「ッシ!!」  伊南の懐へ飛び込む最後の一歩で大きく跳躍する。  全ての反動…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_39

冒頭から一気読みならマガジンから! 前話はコチラ!! 5章_炸裂-illness≠barbaric- 5-6 再接近 「……面倒臭ぇことになったな」  大量の粉塵が舞う中、口元を袖で覆い…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_38

一気読みはマガジンからどうぞ! 前話はコチラ!! 5章_炸裂-illness≠barbaric- 5-5 譲れないもの  床にへたり込み、教室廊下側の壁に背を預ける伊南を正面から見下ろ…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_37

1話から一気に読むならマガジンで! 前話はコチラ!! 5章_炸裂-illness≠barbaric- 5-4 その差は経験値  この時、想定外が二つあった。  一つは侵食中に伊南が対応し…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_36

マガジンから一気読みできます!以下リンクからどうぞ 前話はコチラ!! 5章_炸裂-illness≠barbaric- 5-3 激突 『音代は……うん、そうですね。けどさっきの別谷さんの…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_35

マガジンにまとめてるので頭から一気読みできます! 前話はコチラ!! 5章_炸裂-illness≠barbaric- 5-2 変転  中等部建屋の一階窓からは窺い知れなかったことだが。  …

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_34

1話からはここからどうぞ! 前話はコチラ!! 5章_炸裂-illness≠barbaric- 5-1 決戦場 ◆二〇〇五年 六月二十六日  そこは、二十三区の一等地とは思えないほど広々と…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_33

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_32

冒頭から一気見するならこちらから! 前話はコチラ!! 4章_遁逃-true intention- 4-6 追跡  伊南江美の自宅は廃工場から洗川を挟んで反対側、電車で六駅南下したエリア…

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_31

1話からはこのマガジンにまとめています 前話はコチラ!! 4章_遁逃-true intention- 4-5 夢の終着  がちゃり、と重厚な音を響かせる錠にもビクついてしまう。 「……た…

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_30

1話からはこのマガジンにまとめてあります 前話はコチラ!! 4章_遁逃-true intention- 4-4 回帰  わたしはいつの間にか自宅門扉の前で立ち尽くしていた。  どことも知…

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_29

1話はここから読めます 前話はコチラ!! 4章_遁逃-true intention- 4-3 誰かの夢act.2     ◆◆◆◆  ひどく不快な夢を見た。  あまりに現実離れした光景で、ス…

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ひと粒で3度おいしい短編ゲーム「7 DAYS TO END WITH YOU」

ひと粒で3度おいしい短編ゲーム「7 DAYS TO END WITH YOU」

※物語の根幹に触れるようなネタバレはしませんが、ゲームの仕組みを紹介する過程で序盤のスクリーンショットは使うので、ご承知おきください※

突然だが、普段あなたは何語を喋り、読み、書いているだろうか?

「何を当たり前なことを……」
「日本語に決まってるじゃないか」

おっしゃる通り。
この記事を書いている私も、読んでくれているあなたも、日本語という言語を当たり前に使っている。

当たり前過ぎて普段

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_終

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_終

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エピローグ

「――――つっ……」
 消毒液臭い建物を出た瞬間、視界に突き刺さる光の眩しさと空気の熱がオレを出迎えた。
 あれから二、三日しか経っていないはずなのに、いつのまにか梅雨が終わって季節は夏本番を迎えつつあるらしい。
「はぁ……どぉりで暑いわけだ」
 誰を恨むでもないけれど、出てきた建物を睨みつける。
 この、厚生省直轄の病魔発症者用医

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_42

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_42

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5章_炸裂-illness≠barbaric-

5-9 舞台の裏で

    ◆◆◆◆

 爆散と捕食の病魔が激突していた頃。
 誰もが視界に入れていながら、何らかの超常によって誰の意識にも留まらない建物が、人口密度日本一の首都には存在する。
 そこは内装を見る限り何かのオフィスビルだったらしいことまでは読み取れるものの、電気はおろかガスや水

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_41

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_41

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5章_炸裂-illness≠barbaric-

5-8 人間だから

 姫毘乃女学園に静寂が戻ってから何分後か、何十分後か。
 夜風に吹かれて身震いした伊南は、寒さで目を覚ました。
 咄嗟に体を起こそうとして、全身の筋肉と関節が痛みの悲鳴を上げていることに気付く。
 諦めて身を横たえると、何やらゴツゴツとした感触が背中から伝わってくる上、そこに天井は

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_40

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_40

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5章_炸裂-illness≠barbaric-

5-7 捕食の力

「ッシ!!」
 伊南の懐へ飛び込む最後の一歩で大きく跳躍する。
 全ての反動を受けた瓦礫が、土煙を上げて後方へずり落ちる。
「――――っ……」
 一秒にも満たない浮遊の瞬間。
 その一瞬の中で視線が交差したオレたちは直感する。

「「次で終わらせる」」

 空中へ躍り出たオレには無

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_39

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_39

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5章_炸裂-illness≠barbaric-

5-6 再接近

「……面倒臭ぇことになったな」
 大量の粉塵が舞う中、口元を袖で覆いながら小声で呟く。
 どうあれ、やるべきことに変わりはない。
 捕食の異能で以てヤツの暴走を止める。
 そのために必要なのはどうやって攻撃を完遂するかという方法論だ。
 正面から叩き込むのは難しい。爆散はオ

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_38

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_38

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5章_炸裂-illness≠barbaric-

5-5 譲れないもの

 床にへたり込み、教室廊下側の壁に背を預ける伊南を正面から見下ろす。
 ひと息に片付けてしまいたいが、このまま捕食をもう一度仕掛けたところで先の二の舞になることは目に見えている。
 あと一歩踏み込めば身体に触れられる距離で、オレたちは睨み合う。
「持ってる人間の台詞ね」

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_37

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_37

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5章_炸裂-illness≠barbaric-

5-4 その差は経験値

 この時、想定外が二つあった。
 一つは侵食中に伊南が対応してきたこと。
 触手によってとあるモノの在処を探り、ソレを対象人物から抽出することがオレの異能の本質。
 その攻撃を受けた相手は「奪われる」ことへの本能的な恐怖と、それを相殺しようと分泌される脳内物質によっ

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_36

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_36

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5章_炸裂-illness≠barbaric-

5-3 激突

『音代は……うん、そうですね。けどさっきの別谷さんの言葉を借りれば、あの子だけじゃなくて、姫毘乃っていう環境があってこそ今のわたしなんでしょうね。……そう考えると、姫毘乃に進学するよう勧めてくれた両親も関係してくるのかも』
「これまでに異能を使って殺してきた三

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_35

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_35

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5章_炸裂-illness≠barbaric-

5-2 変転

 中等部建屋の一階窓からは窺い知れなかったことだが。
 旧館三階教室の廊下側――内部の構造は既に五割以上が破壊されていた。
 前回訪れた時は内装品が撤去されただけで形としては教室のままを保っていた旧館も、今は所々の支柱を残してだだっ広い解体現場と化している。
 

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_34

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_34

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5章_炸裂-illness≠barbaric-

5-1 決戦場

◆二〇〇五年 六月二十六日 

そこは、二十三区の一等地とは思えないほど広々としている。
 門から建物までの広場には円形の池があって、水瓶を担いだ白い石造りの像が注ぐ水は月明かりに照らされて乱反射している。その池を囲むように整備された植込みが、相変わらずこの広場を洋館の前庭のように

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_33

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_33

1話からはこちらのマガジンに纏めてます!

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間章_講義-vol.4-

「そもそも、の話なんですけど」
 思い出したように等々力が口を開く。
「うん?」
「どうして国は、厚労省は、特認証なんてものを発行してまで軽度発症者を一般社会に馴染ませようとするんでしょう?しかもあれって入れ墨ですよね?一番目立つ場所にあんな入れ墨を彫られて、『普通』に溶け込めるわけが無いじゃないですか」

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_32

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_32

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4章_遁逃-true intention-

4-6 追跡

 伊南江美の自宅は廃工場から洗川を挟んで反対側、電車で六駅南下したエリアにあった。
 周囲に高層マンションがほとんど無い閑静な住宅街の只中、他の家に紛れるように佇む二階建ての一軒家。
 正直、想像と違った。
 都内で一軒家に住めている時点で親の稼ぎは並以上なのだろうけれど、思った

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_31

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_31

1話からはこのマガジンにまとめています

前話はコチラ!!

4章_遁逃-true intention-

4-5 夢の終着

 がちゃり、と重厚な音を響かせる錠にもビクついてしまう。
「……ただいま」
 なるようにしかならない。
 出たとこ勝負な心持ちで静かに扉を開くと、祈りが届いたのか家の中は真っ暗だった。
 玄関で仁王立ちする母、なんて図を想像していただけに少し安心する。
(けど、あの母様が

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_30

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_30

1話からはこのマガジンにまとめてあります

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4章_遁逃-true intention-

4-4 回帰

 わたしはいつの間にか自宅門扉の前で立ち尽くしていた。
 どことも知れない水路から■■を■■して■■■■■■ ■■■■■良かった。
 水浸しになった靴下、風が当たるだけでやけに冷たいと思ったら、どうやらすっかり真夜中になっていたらしい。
 初夏の夜空らしく雲が多く蔓延りつ

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【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_29

【長編小説】万華のイシ 無我炸裂_29

1話はここから読めます

前話はコチラ!!

4章_遁逃-true intention-

4-3 誰かの夢act.2

    ◆◆◆◆

 ひどく不快な夢を見た。
 あまりに現実離れした光景で、スプラッター映画でも見ているような。
 そのくせ、まるで昨日のできごとのように精緻で、生々しい。
 悪夢と正夢を混ぜて煮凝りにしたような、そんな夢。

 その日の雨は本降りだった。
 傘を差していても端

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