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#小説
マキコの黒いサンドボックス
企画班リードの棚橋が戦線離脱して3日目。だから会議もこんな調子だ。「ですからァ、Yボタンなんです」
「ロックオンはR3で決まりだ」
プログラム班・日向寺はまだ冷静。さすが堅物。
「バインド変えるだけっしょ? 何そんな渋ってンすか」
棚橋の相棒だった彼は、たぶん潰れるだろう。
仕方のないことだ。
「これが通ったらしまいにゃコアコードに手がでかねん。時期を考えろ。デバッグへの伝達も面倒だ」
「
そしてハナズオウへ至る季節
その塊は、伊東にとって、最初の娘だった。
たしか、五歳と覚えてる。
大根田は塊を一瞥した。
花と蔓、蝋と蜜で飾られた、豪華な本か、人革の飾箱のようなそれを。
表に嵌めこまれた、まだ、ぴくぴくと動く心臓を。
嫌な顔をした。
伊東は気にも留めてない。
彼は恋人に語る口で、狭い部屋に澄んだ声を響かせる。
俺の出番はまだない。
「死んだら、灰になるだけだ。僕は彼女に意味をもたせた」
大根田は太く大
何も知らないあなたの旅路と、歯車の壊れた私の家路
立ち止まるのは悪い癖。私はどうせ、限界がある。
「…ねえ! お願い!お願いッ!」
もうだめです。
綾西絃帆は死にました。旅の終点沖縄で。
剃刀みたいな岩で作られた、夕日が最後に落ちる岬を登り、底なしの青い海へと落ちました。
盗んだバイクは待ち人なし。
でも、どうしてこんなノートを残したの? 本当に彼女はいじわる。
読んじゃダメ 遺書=9/9 改メ日記=8/28〜
一緒に帰ろう。
私は
されどお前には継がせない
少しくらいは俺の話をしてくれてもいいのに、三人ともバカだから鞄の中身しか気にしてない。
困った。鞄のカネ、ここの路地裏のドブから湧いて出たんじゃないんだよ。俺が銀行襲ってバッチリ揃えた十七億だ。ダッフルバッグに詰めるまで、結構大変だったのに。
「絶対私のモンだから! ビタ1円切るもんか!」
女は銃を向けている。俺ではない男へ向かって。
「るせえ! 俺は約束したんだよ。中まで通して対価に貰うと」
『ロングソードの返済者』
「私、魔具にもならねえよね」「黙れ」
「あとどれだけ話せる?」「俺を泣かせるのはやめろ」
もうギュミとは喋れない。今や俺だけがお尋ね者だ。
この街だけじゃなく、トゥードラ大陸全体で。首、回る訳ねえ。
少し遡る。
取り立て人の俺たちは、政界のドン、かつての勇者の大豪邸を訪れた。
「借りたもんは返してもらうぞ」
プールサイドで侍女に囲まれ、肥えたそいつが怪神殺しの伝説の男。
「明日の地租で払うよ、
10セントの命を追って
或る夜。月は寄せては返す波めいて、不穏な光を放っていた。
それは自然の警告にも思えたが、罰当たりな彼らは黒澤明由来の農村の真ん中に73式中型トラックを停めた。
メガネの男が呟く。
「前は蛮人、次にUMAと来た。死人は増えるばかりです。穏便に済みますか?」
人類学者、河添教授は頷いた。
「赤井君、解決方法は一つじゃないだろ」
赤井は頭を掻いた。
「その為の我々ですけども」
教授は黙って外に出た。
昼
ロニー&ペイジの憂鬱な荒野の走馬燈
「とっとと殺れ!」
鈍い鉄が弾けて車体を揺らした。
これで多分三両目はもうだめだ。
目がもう一つあれば正確な判断ができるだろうが、追われてる時は二つで終いだ。今日の仕事分は捨てるしかない。
俺は燃料をくべた。青い炎が頬を照らす。目に悪いっちゅうの。
「ペイジお前死にたいのか!早くアイツらを爆破しろ!」
「なかなか狙いが定まらなくて!」
六駅目。
真っ暗だった線路にようやく明かりがやって来る。
俺は
南蛮由来重地獄音楽芝居 源兄弟遣魔合戦(パイロット版)
その時義経は、自刃に追い込まれていた。
戦を続けるは弁慶ただ一人、他の諸々は物言わぬ。
燃ゆる寺の門前にて、血反吐を吐き捨て彼は立つ。文字通り矢面に立つ。数百本の矢の雨が彼を飲み込もうとしても、彼は立っていた。
「しかし、修羅に心を売ったか。藤原泰衡!」
弁慶は叫んだ。この時初めて弁慶は恐怖した。無理もない。
弓を射るのは骸骨の群れ、迫る歩兵は赤い鬼。ついで髑髏で出来た紫色の炎を噴き出す重戦車に乗