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書店員的「年末の一日」

31日。皆さんはもう休暇に入っていますか? 私の職場は今日も明日も営業です。

さすがは青山ブックセンター。素晴らしい判断です。

大規模書店の多くはこの時期も当然のように店を開けます。年中無休という点では寄席と一緒。何もやることがなく、行きたい場所もない人々の駆け込み寺という位置付けなら望むところです。書店は誰でも気軽に入れることが利点と考えているので。

ただ、、、やっぱり休みにして欲しいのも事実。荷物もないわけだし。

あ、ないこともなかった。

以前勤めていた某書店では、直仕入れの「週刊ゴールデンチャート年末年始特別号」が年末の朝に入っていました。これが飛ぶように売れるのです。付録の冊子を挟み込み、棚に出すと「待ってました!」とばかりに年配の男性がわーっと群がってくる。暮れの風物詩でした。

↓によると、来年は1月1日発売みたいです。

2016年の年末には特別な荷物がありました。

名作マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の最終回が掲載された週刊少年ジャンプ(2016年9月発売)と特別増刊「こち亀ジャンプ」(同年8月発売)が共に重版され、セットになったものが12月31日発売だったのです。

返品のできない「買い切り」で、コミック担当がどれぐらい注文するか悩んでいたのを覚えています。こういうときは希望通りに入らないケースが多く、減らされることまで考慮して数を決めるのが定石です。

ところが蓋を開けてみたらまさかの満数入荷。私も買いました。欲しかったのと担当が気の毒だったのが半々、いや6:4でした。

店が営業していてもシフトが公休なら休めます。そういうときは芥川龍之介「年末の一日」でリラックス。ちょっと不気味ですが、疲れ切って手持無沙汰な芥川の姿に妙なシンパシーを覚えました。

青空文庫でも読めますが、紙の本で味わっていただけると嬉しいです。お求めは年末年始も元気に皆さまをお待ちしているお近くの書店にて。

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