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「往来堂書店」のおかげで出会えた一冊

東京千駄木にある「往来堂書店」をご存知でしょうか?

定期的に足を運ぶお店のひとつです。

見た目や規模は典型的な「町の本屋さん」。定番のジャンルをひと通り網羅し、地元色溢れるコーナーもあります。さらに文庫や文芸書が充実しているので使い勝手はいいはず。

しかし最大の売りは、入ってすぐ右側のエリアでしょう。いわゆる人文書。中規模以上の書店ですらなかなか目にしないユニークな選書を楽しめます。

初めてここを見つけて入ったとき、思わず衝動買いしたのが↓。まさに「往来堂書店」のおかげで読めた一冊です。

要は「働くのをやめる」のではなく「雇われるのをやめる」ための実践的な「起業のススメ」です。ガンガン働くのをやめるのではなく、好きなことをガンガンやって生きようと。でもそれだけではありません。

著者はリメイクファッションブランド「途中でやめる」を経営しています。とても忙しい方です。真面目に一生懸命働く。でも生活に必要な分しか稼がず、余剰分は人件費や経費に回す。その姿勢を通じて「楽して稼ごう」「たくさん働いてたくさん貯めよう」みたいな時代の趨勢へのアンチテーゼを投げ掛けるのです。

私は常々「書店員は大変なのに給料が安い」「もっと報われてもいい」と訴えています。赤裸々な本音だし現場の実態だから。しかし一方で弱肉強食の世相や資本主義の仕組みに楯を突きたい部分もあり、不遇を感じれば感じるほど「だからこそこの仕事を続けよう」という熱が沸いてくる。その原点となったのがこの本なのです。

ときどきnoteで有料記事を発信していますが(いつもありがとうございます。また近々)、その最初のキッカケもいま考えると「バイトやめる学校」の教えかもしれません。少しずつでいいから好きな道で生きることを実践してみようと。

意外且つ素晴らしい出会いを提供してくれる往来堂書店。お近くにお越しの際はぜひ。

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