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「前座」で生きるか「喰う」か

舞台演劇を見たことはありますか?

一時期夢中になっていました。特に唐十郎さんの「唐組」がおこなっている「紅(あか)テント」公演。新宿の花園神社に何度も足を運びました。

出演する役者さんは毎回ほぼ同じでした。稲荷卓央さんや藤井由紀さんは常にメイン級で、出番の少ない人は次の年も台詞は数えるほど。小学校の学芸会における私のように(ちなみに台詞は「羽に石をぶつけろ!」。森の動物たちが魔物と戦う話です)。

シェイクスピアの戯曲を読むと、最初の方にしか登場しない役が必ずあります。いなくても物語は成り立つのかもしれない。でも舞台で見ると、そういう端役で印象に残る人が稀にいました。主役を立てる使命を果たしているのに、なぜか他の誰よりも記憶に焼き付いてしまう逸材が。

来年の1.4東京ドーム大会。私が最も注目しているカードは第1試合です。「SHO vs YOH」の元パートナー対決。タッグを組んでいた頃に何度かドームの前半戦に出ているから、どういう風に客席を温めればいいかはわかっているはず。でも望むのはその次元じゃない。

プロレスも舞台も売りはメインです。前座や端役がエゴに溺れたら全体のバランスが崩れる。その結果興行がコケれば次のチケットを買ってもらえなくなる。かといって分を弁え過ぎるのも考えもの。無難に縮こまっていたら何も変えられない。

端役に生きる道を見出すのもひとつの手段。そうじゃなければどこかで上を「喰う」必要があります。あくまでも与えられた使命を果たす中で。天真爛漫さと残酷さを併せ持つ「サイコパス系ヒール」に開眼したSHO選手と言葉足らずで真っ直ぐな「純朴系ベビーフェース」に生まれ変わったYOH選手。いまの彼らなら十分期待できます。

私自身、職場では非正規雇用の身です。正社員という主役を支えるのが役割。だからこそ棚の選書で「喰う」ことを狙っています。前座の意地、見せてやりましょう!!

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