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内幕12:雑誌の付録付けは、本屋に莫大な時間とコストがのしかかっている

雑誌を買う際に、『付録』欲しさに買っている人は多いのではないだろうか。

雑誌の付録は一昔前とは比べ物にならないくらい豪華になっている。

一流ブランドとコラボしたものからバッグや化粧品など幅広い付録が特典としてついている。

特に女性向けのものが多いように感じる。

実は、雑誌と一緒に付けられている付録は、本屋でセットをしているのをご存知だろうか。

雑誌の付録付けは、かなりの時間と労力が掛かる。
書店員の大変な仕事のひとつなのだ。

大型店などでは、大量に入荷してくるため、全てのセット作業が終わるのに数時間も掛かるのだ。

それだけではなく、売れ残ったものは、雑誌と付録を外して、雑誌のみを返品する。

付録は返品されないので、かなりのゴミになる。

大変な作業の代わりに、書店員にとっては、『余った付録を待ち帰ることができる』というご褒美が待っている。

しかし、みんなが同じものを持っているので、“お揃いになってしまう”という恥ずかしいことも起きてしまう。

実際にこの作業にどのくらいの時間とコストがかかるのかを、愛知県に本社を置く三洋堂書店を運営する三洋堂ホールディングスが試算した。

三洋堂ホールディングスの試算によると、雑誌付録の梱包処理に費やす人件費を時給1020円で換算すると、年間約196万円になるという。
入荷する付録付きの雑誌は、1年間で約77万冊。付録個数は約94万8000個になるそうだ。

また、1冊当たりの処理時間は約9秒で、年間1925時間を雑誌の付録付け作業に費やしているというのだ。

それならば、『出版社で付録付けをしてから本屋に納入すればよい』と思うのではないだろうか。

しかし、これには大きな問題がある。

付録付けをすると、体積が増してしまうので、物流コストが上がってしまうのだ。

何かいい方法が見つからない限り、書店員の負担が軽減されることは難しいと言える。

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